ナタリー PowerPush - KEYTALK

目指すは武道館&ナゴヤドーム!快進撃4人組がメジャーへ

とにかく続けていこう

──本作のタイトルトラック「コースター」も、がっつり2人で歌ってる曲ですよね。

首藤義勝(Vo, B)。

首藤 メジャーデビューシングルということで、さっきも言ったようにこれまでの流れの中から自然に生まれた曲でもありつつ、バンドにとって名刺代わりのような曲にもしたいという思いがあって。やっぱり、ツインボーカルというのはこのバンドの強烈な個性でもあるから、この曲は2人が交互に歌い分けるスタイルにしたというのもありますね。あとはちょっとBPMが速めの4つ打ちで、ライブでオーディエンスが「踊れる」と「騒げる」のちょうど中間くらいっていうのも、僕らの得意としているものだから。KEYTALKの魅力をわかりやすく伝える曲になってると思います。

──まさにその通りですね。

首藤 ただ、今回の作品はホントに4曲とも個性の強い曲で、どの曲がリードトラックになってもいいような作品だと思っていて。この作品に限らず、いつもどの曲もリードトラックのつもりで作ろうというのは意識しているところですね。

──ああ、それもすごくわかります。あとKEYTALKの音楽を聴いていて印象的なのは、ある種の楽観性なんですよね。本作の詞の中にも「未来」とか「明日」とかっていう言葉が出てきますけど、「未来」とか「明日」を歌うときにそれをすごく信じている気がする。

首藤 自分としてはむしろ歌詞があまりポジティブじゃないなと思っているんですけど(笑)。ただ、そういう言葉を信じているように聞こえるとしたら、それは「今」や「現在」に対して、もどかしい気持ちだったり、フラストレーションだったりが強くあるからだと思います。そのぶん「未来」に思いを託しているのかもしれない。

──現在に対するもどかしさが、曲を作るエネルギーになっている?

首藤 そうですね。それは強いと思います。

──それはバンドとしてのもどかしさ? それとも個人としてのもどかしさ?

首藤 そこは個人ですね。バンドに関しては脇目も振らずにここまでやってきた感じなんで。

寺中 バンドの悩みっていうのはあまりなかったですね。周りのバンドは次々に解散していったりしたけど、自分たちはあまり考え込んだりせずに、とにかく続けていこうと思っていた。

小野 本当にライブでも少しずつお客さんが増えてきた感じだったからね。どこかで急に状況が変わったっていうのはなかった。

目標は武道館ライブとナゴヤドーム始球式

──バンドの結成は2009年ですけど、当時この4人がそろった時点で「これはいける!」という思いはありました?

首藤 ありましたね。寺中くんの歌を聴いた瞬間、「こんなに歌がうまいヤツとバンドやったことない!」って思ったんで。

──「熊本から尾崎がきたぞ!」と(笑)。(※首藤と小野は埼玉出身、八木は東京出身、寺中は熊本出身)

首藤 そう。「平成の尾崎だ!」って(笑)。

八木優樹(Dr, Cho)

──でも面白いですよね、それがこうやって曲の約半分がツインボーカルで、ポップなメロディと4つ打ちのリズムが主体のバンドになっていったという。

首藤 4つ打ちだったり、ペンタトニックの音階だったりっていう自分たちがよく使う手法が、「アザとい」と受け止められるかもしれないなって思いも一時期はありましたけど、今は逆にそれが面白くなってきていて。

──うん。そこでひねくれないところが、KEYTALKのよさだと思います。

首藤 個人的には本当にサザンが憧れなんです。音楽的な造詣がとても深いのに、それを聴き手にまったく感じさせないところが本当にすごいなって。やっぱりいろいろ技を知るようになると、ひけらかしたくなるじゃないですか。でも、それだと、たくさんの人にはなかなか伝わっていかないと思うから。

小野 ベタですけど、目標も武道館ですからね(笑)。

首藤 うん。そういうことも積極的に口に出していこうと思っていて。夢というよりも、現実的な目標として考えてます。

寺中 どんどん露出していって、バンドを大きくしていきたい。こだわって「何々はやらない」みたいなバンドもいますけど、自分はどんどん露出していきたいと思うし、どんどん有名になりたいと思ってる。

八木 僕の夢はナゴヤドームですね(笑)。

──え? 八木さんって東京出身ですよね?

八木 いや、中日ドラゴンズのファンなので(笑)。始球式でもいいんですけど。

──始球式は2年前、サカナクションの山口(一郎)くんがやってましたね。

八木 そうなんですか!? 先を越された!

左から小野武正(G, Cho)、寺中友将(Vo, G)、首藤義勝(Vo, B)、八木優樹(Dr, Cho)。
メジャーデビューシングル「コースター」2013年11月20日発売 / Victor Entertainment
「コースター(初回限定盤)」[CD+DVD] 1890円 / VIZL-605
「コースター(初回限定盤)」[CD+DVD] 1890円 / VIZL-605
「コースター(通常盤)」[CD] 1260円 / VICL-36853
CD収録曲
  1. コースター
  2. スポットライト
  3. Winter March
  4. OSAKA SUNTAN
初回限定盤DVD収録内容
ONE SHOT WONDER TOUR TOKYO FINAL
  1. 太陽系リフレイン
  2. fiction escape
  3. S.H.S.S.
  4. MABOROSHI SUMMER
  5. sympathy
  6. 茜色
  7. 夕映えの街、今
  8. トラベリング
  • レコチョクからダウンロード
KEYTALK(きーとーく)
KEYTALK

2009年7月に結成された首藤義勝(Vo, B)、寺中友将(Vo, G)、小野武正(G)、八木優樹(Dr, Cho)の4人からなるロックバンド。2010年3月に1stシングル「KTEP」を発表し1000枚を即完売させる。結成当初は寺中がボーカルを務めていたが、2010年より徐々に首藤と寺中のツインボーカルスタイルに。2012年4月には初の海外ライブを台湾で行い活動範囲を拡大させていく。2013年には全国40カ所におよぶツアー「ONE SHOT WONDER TOUR 2013」を敢行し成功を収める。同年11月にビクターエンタテインメントよりシングル「コースター」でメジャーデビュー。