ナタリー PowerPush - 片平里菜

王道J-POP「女の子は泣かない」で新たな地平を切り開く

福島在住の女性シンガーソングライター・片平里菜がニューシングル「女の子は泣かない」をリリースした。昨年8月にシングル「夏の夜」でメジャーデビューして以来、約2カ月にわたるリリースイベントや夏フェスなどのイベント出演を重ね、着実にステップアップを続けている彼女。今回のシングルには片平と同年代の女性なら思わず共感してしまう歌詞が印象的な表題曲や「Hey boy!」、10代ならではの悶々とした感情がつづられた「ironic」、そしてなにげない日常が切り取られた牧歌的な「ぺんぺん草」と、前作にも匹敵するカラフルな4曲が収録されている。

今回のインタビューでは前作リリース(参照:片平里菜「夏の夜」インタビュー)以降の活動を振り返りつつ、ニューシングル収録曲の制作過程や聴きどころを語ってもらった。

取材・文 / 西廣智一 インタビュー撮影 / 佐藤類

 
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メジャーはうれしい反面、厳しい世界

片平里菜

──シングル「夏の夜」で念願のメジャーデビューを果たしてから、早くも5カ月経ちました。

今振り返ると……本当に念願の、学生の頃から憧れていたメジャーの舞台にやっと立ててうれしい反面、やっぱり厳しい世界だなと思いました。

──どういうところが厳しいと思ったんですか?

なんだろう……曲を出して、リリースイベントをして、ライブをして……怒濤の日々で自分らしさを保っていくことが大変だなって。でも楽しいこともたくさんで、今振り返るといい時間を過ごせたと思います。

──怒濤といえば、「夏の夜」のリリースイベントは8月上旬から9月下旬までがっつりやりましたもんね(参照:片平里菜「夏の夜」リリース記念ツアーを代官山で完走)。

でもあれは本当に楽しかったですよ。CDショップの店内でライブをしたときは、レジに並んでるお客さんを煽ったりして(笑)。それに店頭に並んだ自分のCDを買ってくれる人がいて、それを直接目にすることができる。それがすごく不思議な体験でした。あと、いろんな地域に行っておいしいものも食べられたし、いろんな人との出会いもあったし。またやりたいですね。

──僕もタワーレコード新宿店でのインストアライブを観ましたが、曲中のコールアンドレスポンスでレジに並んでるお客さんや通りがかりの人を巻き込む感じが面白いなと思いました(笑)。で、面白いと同時に、どんどんたくましくなってるなとも感じて。

そうですか?(笑)

──はい。昨年2月にメジャーデビューを発表して以降、短期間で急成長を遂げている印象が強くて。例えばライブも去年の1月に観たときと、そのインストアライブでの片平さんの印象が全然違うんです。

デビューするまでにいろんな経験を積めたのが大きいのかもしれない。自分ではあんまり成長してるのかわからないんですけど……まだまだですよ。

自分と年齢が近い学生さんに夢を与えられる

──9月末には母校の学園祭でライブを行いました(参照:片平里菜、母校の学園祭でライブ&新曲発売サプライズ発表)。いわば凱旋ライブだったわけですよね。

片平里菜

いやあ、感慨深いしただただうれしかったですね。卒業したのが3年くらい前なんですけど、卒業して以来1回も高校に顔を出してなかったので、こういう形でまた登校……登校じゃないか(笑)、帰ってこれて幸せ者だなと。しかも生徒さんや先生方もすごく歓迎してくださって、「あ、こんなに愛されていいのかな?」と思っちゃうぐらいでした。

──改めて「ああ、自分はメジャーデビューしたんだな」と実感できた?

できましたね。特にイベントごとになると、じわじわ実感できるというか。こうやって母校でライブができたのもうれしいんですけど、自分と年齢が近い学生さんに「自分もこうやってデビューできたんだよ」って夢を与えられることがすごく意味のあることだなって強く思うんです。

──なるほど。高校生だった頃の片平さんみたいに、ちょうど今音楽の世界で生きていきたいと考えてる学生もいるでしょうし。そこに母校の先輩がこういう形でがんばってることを目の前で見せることは、すごく大きな刺激になりますしね。

そうですよね。メジャーデビューしてるアーティストさんはいっぱいいますけど、私と同じような経験をしてる人は決してたくさんいるわけではないと思うし。だから私は幸せ者なんだなって実感しました。

──10月下旬には、お客さんが全員10代から20代前半の女性だけというイベントも行いました(参照:片平里菜、女子会イベントで新作&初ワンマンツアー発表)。女性ファンだけのイベントは初めてだったんですよね?

はい。番組の公開収録という形で行われて、すごく面白かったです。言葉に詰まったりセリフを噛んだりの連続だったのに、皆さん本当にあたたかく受け入れてくれて。下は中学生、上は私と同い年ぐらいの人が集まってくれたんですけど、女の子からキャーキャー言われることって今までなかったから……一応私が年長なんだからしっかりしなきゃと思ったら、余計に緊張してるみたいな。そんな私を年下の子が見守ってくれて、不思議な気持ちになりましたね。

──それこそ母校での学園祭ともまた全然違った?

違う緊張感がありました(笑)。

──でも収録後半はとてもリラックスしてるように見えましたし、そういう空気感があの会場内にはあったと思います。そういう場でも素を出していけるのが、今の片平さんの魅力なのかなと思いましたよ。

そうですかね? 自分では「このままでいいのかな?」って思うこともあるんですけど。

──あの場に集まった同年代の女の子たちもきっとそういうところに魅力を感じているから、番組収録も成立したんじゃないでしょうか。

そうなのかな。私だったらもう少ししっかりしたアーティストさんに憧れるけど……でも、そんな私でもいいならうれしいです(笑)。

ライブ情報
片平里菜 1stワンマンツアー2014
“女の子は泣け、笑え、叫べ”
  • 2014年1月31日(金)東京都 WWW
  • 2014年2月8日(土)大阪府 knave ※ソールドアウト
  • 2014年2月9日(日)福島県 Live Space C-moon ※ソールドアウト
片平里菜(かたひらりな)

1992年5月12日生まれ、福島出身・在住のシンガーソングライター。2011年9月、「閃光ライオット2011」で1万組の中から審査員特別賞を受賞する。翌2012年にはソニーWALKMAN「Play You. Label」第1弾アーティストに抜擢され、山田貴洋(ASIAN KUNG-FU GENERATION)プロデュースのもと楽曲制作。7月にはメジャーデビュー前にもかかわらず「NANO-MUGEN FES.2012」に出演し、話題を集めた。2013年1月にアジカン山田プロデュースによる楽曲「始まりに」を配信リリース。同年4月には20公演にわたる初の全国弾き語りツアー「片平里菜 飾らない笑顔で 弾き語りツアー2013」も敢行した。5月にはギブソン社傘下のギターブランド・エピフォンが片平を日本人女性初のエピフォンアーティストとして公認したことも発表され、大きな反響を呼んだ。そして8月7日、ポニーキャニオンからシングル「夏の夜」でメジャーデビュー。また7~9月には「SUMMER SONIC 2013」「SunSet Live」「JOIN ALIVE」「New Acoustic Camp」「風とロック芋煮会」など、全国各地の大型フェスへの出演も果たした。2014年1月15日には2ndシングル「女の子は泣かない」をリリースし、同月末からは初のワンマンツアー「片平里菜 1stワンマンツアー2014 “女の子は泣け、笑え、叫べ”」を東京、大阪、福島で行う。