音楽ナタリー PowerPush - KANA-BOON

インタビューと座談会で大いに語る!「NARUTO」が「シルエット」にもたらしたもの

瞬発力と速効性が楽曲とバンドを育てる

──なかなかアイデアが出てこなくて、「鮪さんの曲待ちでーす」みたいなことにはならない?

谷口 ならないですね。なっても10分くらい。

小泉貴裕(Dr)

飯田 休憩時間に鮪がテキトーにコードを鳴らしてて、そこにコイちゃん(小泉)がドラムを乗せてきたら、そこでもう楽曲作りが始まってる感じですね。

──谷口さんがデモを持ってきてとかじゃなくて、本当に4人のセッションから自然に曲ができる感じなんですね。

谷口 そういう瞬発力というか、速効性を大事にしていて。それはスタジオじゃないと生まれない。僕らの曲にお客さんが入ってきやすい理由、例えばフェスとかで一見さんが食いついてきてくれる理由も、そこにあるんじゃないかなって思うんですよね。僕にとっては、お客さんの前に、まずスタジオでメンバーが食いついてきてくれる曲っていうのが重要で。それは1人で部屋の中でやっていても生まれない。

古賀 デモの段階で曲やアレンジが完成していたら、バンドをやっている意味もあまりない気がしますし。こういうやり方だから、メンバーも成長していけているんだと思います。

──なるほど。1年に4枚シングルを出せる理由、しかもそれぞれのカップリング曲もメチャクチャ充実している理由がわかった気がします。

谷口 そうですね、うん。

──ただ、それだからこそ、いつもカップリングの曲を聴きながら「これ、リード曲にとっておけばいいのに」って思うんですよね(笑)。

一同 ありがとうございます(笑)。

今はもうゴールに向かって走り出している。

──さっきも言っていたように「シルエット」は“大人になっていくこと”についての楽曲で、そこでは「大事にしたいもの」を手に大人になっていくことの大切さが歌われているわけですけど。それって、ある意味で理想主義的というか、いわゆる勝ち組的、リア充的な考えのような気もしていて。例えば、10代の頃の嫌な思い出をすべて忘れること、それを切り捨てていくことで大人になっていく人もいると思うんですね。

谷口 いや、僕らは挫折もいっぱいしてきましたよ(笑)。挫折したときに大切なのは、それを挫折と思うか思わないかだと思うんです。僕らは挫折したときもそれを挫折と思わないようにしてきた。それは、この4人でいるからそう思うことができたのかもしれないけど、別にずっと勝ってきたわけじゃないし。ましてやバンドじゃなくて個人としては、それぞれつらい思いとか悲しい思いとかもたくさんしてきた。確かに、バンドとしては順風満帆に見えるだろうし、ラッキーボーイ的な存在に見えるかもしれない。実際に、ラッキーな面もありましたけど。でも、やっぱりこの4人でいたからこそ、苦しいことも乗りきってくることができたんだと思うんです。

──現在を肯定できるようになったときに、ようやく過去も肯定できるというのはありますよね。でも、現在を否定しているときに、過去を肯定するのってすごく難しいじゃないですか。KANA-BOONのリスナーの中には、今生きてる自分の人生を肯定できないティーンの子とかもたくさんいると思うんですよ。そういうリスナーにこの曲で伝えたい思いはある?

KANA-BOON

谷口 今が肯定できないとしたら、無理やりにでも肯定できるものを作っていくしかないと思うんですよ。そうやって現状を変えていくこと、自分の未来を自分で作っていくことが、人生だと思うから。今が苦しくても、ずっと信念を持って続けていれば、いつかは笑える日がくるっていうのは、この曲のもう1つのテーマだと思うし。それこそ、さっきも言ったように、今の僕らが立っている場所でもあるから。

──さっきの「10年後に笑っていたい」ってことですね。

谷口 そうです。僕らはずっとそういう気持ちでやってきましたから。

──ただ今のKANA-BOONであっても「10年後に笑っていたい」って言っているのは少し意外です。はっきり言って4人はもう笑っていてもいいと思うんだけど(笑)。

谷口 でも「10年後の未来をアホみたいに信じていられる」っていうのが僕らの唯一の取り柄だから(笑)。

──1年前の1stアルバム「DOPPEL」のリリースタイミングでのインタビュー(参照:KANA-BOON「DOPPEL」インタビュー)で、「このアルバムを作って、ようやく一歩前に踏み出すことができたというか、一歩前に踏み出す前の、片足を上げることができた感じ」と言ってましたよね。そのときは「これだけの状況が生まれているのに、随分と慎重なことを言うんだな」って思ったんですけど、1年経って、今はそこからようやく地面を踏み込んだ感じですか?

谷口 ああ、そうでしたね。今はもう、踏み込んでゴールに向かって走り出した感じはあります。

──そっか。その言葉を聞いて、この1年がKANA-BOONにとってどれだけ大きな1年だったかよくわかりました。

ニューシングル「シルエット」 / 2014年11月26日発売 / Ki/oon Music
完全生産限定盤 [CD+DVD] / 3780円 / KSCL-2517~9
通常盤 [CD] / 1258円 / KSCL-2520
CD収録曲
  1. シルエット
  2. ワカラズヤ
  3. バカ
初回限定盤DVD(「KANA-BOON MOVIE 0.5 / KANA-BOONのご当地グルメワンマンツアー 2014 “究極の9曲”盤」)収録内容
  1. 1.2. step to you
  2. MUSiC
  3. ミミック
  4. 見たくないもの
  5. 東京
  6. 羽虫と自販機
  7. ウォーリーヒーロー
  8. 結晶星
  9. フルドライブ
ライブDVD「KANA-BOON MOVIE 01 / KANA-BOONのご当地グルメワンマンツアー 2014」 / 2014年11月26日発売 / Ki/oon Music
[DVD] / 4104円 / KSBL-6168
KANA-BOON(カナブーン)
KANA-BOON

谷口鮪(Vo, G)、古賀隼斗(G)、飯田祐馬(B)、小泉貴裕(Dr)からなる4人組バンド。高校の同級生だった谷口、古賀、小泉を中心に結成され、のちに飯田が合流して現在の編成となり、地元大阪を中心に活動を展開する。2012年に参加した「キューン20イヤーズオーディション」で4000組の中から見事優勝を射止め、ASIAN KUNG-FU GENERATIONのライブのオープニングアクトを務める。2013年4月には活動の拠点を東京に移し、バンド初の全国流通盤となる1stミニアルバム「僕がCDを出したら」をリリースし、夏には「ROCK IN JAPAN FES」「SUMMER SONIC」「SWEET LOVE SHOWER」など大型フェスに出演したことを機に知名度を全国区に拡大させる。2013年9月シングル「盛者必衰の理、お断り」でメジャーデビューを果たし、10月に1stフルアルバム「DOPPEL」を発表。2014年2月に2ndシングル「結晶星」、5月に3rdシングル「フルドライブ」、8月に4thシングル「生きてゆく」をリリース。8月30日に大阪・泉大津フェニックスで行ったキャリア最大規模のワンマンライブでは、約16320人を動員し大成功を収めた。11月にはテレビ東京系アニメ「NARUTO-ナルト-疾風伝」のオープニングテーマ「シルエット」をシングルリリース。また初の映像作品となるLIVE DVD「KANA-BOON MOVIE 01 / KANA-BOONのご当地グルメワンマンツアー 2014」を同時に発表した。