音楽ナタリー PowerPush - KANA-BOON

インタビューと座談会で大いに語る!「NARUTO」が「シルエット」にもたらしたもの

「NARUTO」にはいらないエピソードが1つもない

──一方、KANA-BOONの皆さんは「NARUTO」が最終回を迎えたことについては……。

谷口 そんなのメッチャ寂しいに決まってるじゃないですか!

飯田祐馬(B)

古賀 うん。終わるって聞いたとき、衝撃やったもん。

小泉 ただ、終わってくれてすごいよかったというか、一番いいところで終わってくれるのがすごくうれしいし、ちゃんとスパッと終われるのはカッコいいなとは思った。

飯田 ズルズルにはなってないから。

小泉 いらないエピソードが1つもないのがメッチャカッコいいんですよね。

──ヘンな話、バトルものって「さらなる敵が現れた」って感じで強さのインフレを起こし続ければ延命できるんだけど「NARUTO」はそれをしなかった。

大槻 先生がキャラクターの感情の動きと同じくらい「NARUTO」っていう作品のテーマをすごく大切にされているので。ご自身の考えるテーマを語り尽くしたらそこで物語は終わり、っていう作り方をなさっているから、余分なエピソードのないマンガになったし、スパッと終われたんでしょうね。ただ僕もスパッと終われてよかったとは思ってるんですけど、今はまだコミックス最終巻の編集作業があったり、アニメや映画が続いてくれていたりするから終わった実感がないだけ。もうちょっと時間が経ったら、ふとしたときに寂しくなるのかな?っていう気もしています。

KANA-BOONが「NARUTO」を歌う必然

──そしてそのアニメ版「NARUTO -ナルト- 疾風伝」の新オープニングテーマをKANA-BOONの皆さんが担当している。大槻さんはもう「シルエット」はお聴きには……。

大槻 もちろん!

──いかがでした?

大槻 すごく当たり前のことを言ってもいいですか?

──はい。

大槻 メッチャ歌うめえな!って(笑)。

谷口 ありがとうございますっ!

大槻 しかも曲も演奏もそうだし、歌詞も「NARUTO」の世界観に合わせてくれていて。だからすごく好きだし、本当に素晴らしい曲だと思っているんですけど、皆さんには何か余計な気を遣わせてしまったんじゃないかという気もしてたんですね。でも、こうやってお話を伺っていると……。

谷口  思うがままに曲を作ったら「シルエット」ができあがってました(笑)。

古賀 ただの「NARUTO」ファンですから(笑)。これまで曲を作ってるときに「NARUTO」に直接インスパイアされた、みたいな経験があったわけではないんだけど、無意識のうちに影響されてはいたんでしょうね。

谷口 確かにそのことには気付かされましたね。

KANA-BOON

──じゃあ作詞や作曲の際、具体的に「NARUTO」のキャラクターやエピソードをモチーフにしたりはしなかった?

谷口 いや。例えば僕と同じようにナルトにも仲間がいたり、あと死んだ師匠がいたり……。

飯田 死んだ師匠?

谷口 ジライヤ、ジライヤ。

飯田 いや、ナルトの師匠がジライヤなのはわかってるんだけど、お前にも死んだ師匠が?

谷口 ごめん! 言い方が悪かった。確かにオレには死んだ師匠はおらんけど(笑)、でも地元のライブハウスでお世話になった人なんかはいるわけで。そういう人たちとの関係や思いを大切にしているところはナルトと一緒だろうし、「シルエット」っていうタイトルも……。あれ、何巻やったっけ?

小泉 29巻?

谷口 そうだ。29巻のナルトが我愛羅を助けに行くエピソードの中に、ナルトのうしろにはチヨバアみたいな行動をともにする仲間がいるんだけど、我愛羅は独りぼっちでだだっ広いところにポツンと立っているっていうシーンがあって。曲を作ったり、タイトルを考えたりしているとき、その2人のうしろに描かれたシルエットの対比のことをふと思い出したんです。なのでムリに曲のテーマを「NARUTO」に寄せたわけではないんですけど、ある種の必然というか。自分たちのことを歌っていたら「NARUTO」の曲になっていた感じなんです。

大槻 そういう気持ちで「NARUTO」と向き合っていただいていたかと思うと本当にうれしいです。で、すみません。荷物になっちゃうかもしれないんですけど「NARUTO」の最終回が載っている来週号の「ジャンプ」を4冊お持ちしていて……。

古賀飯田小泉 ありがとうございますっ!

谷口 また見たらアカンやつや……。

飯田 朗読してやろうか?(笑)

小泉 “音読”じゃなくて“朗読”な。感情を込めて読み上げて(笑)。

谷口 絶対にやめろっ! ひとまず「ONE PIECE」や「こち亀」を楽しませてもらいますっ!

大槻 あとこれはお渡しできないんですけど、岸本先生の完成原稿も……。

谷口 (チラ見しながら)あっ、それはもうコミックスにも入ってる回だ。

──心置きなく読める(笑)。でもさっきの大槻さんの「歌うめえ」の話じゃないけど、ホントに「メッチャ絵うめえな」って感じですよね。

谷口 ホントですよね(笑)。

飯田 スゲーなあ……。

──で、KANA-BOONの皆さんからも渡しておきたいものがあるんですよね。

谷口 そうだった! ホントにただのファンレターなんですけど、岸本先生に手紙を書いてみたんですけど……。

大槻 ありがとうございます。確かに届けさせてもらいます!

左から大槻譲、谷口鮪。
ニューシングル「シルエット」 / 2014年11月26日発売 / Ki/oon Music
完全生産限定盤 [CD+DVD] / 3780円 / KSCL-2517~9
通常盤 [CD] / 1258円 / KSCL-2520
CD収録曲
  1. シルエット
  2. ワカラズヤ
  3. バカ
初回限定盤DVD(「KANA-BOON MOVIE 0.5 / KANA-BOONのご当地グルメワンマンツアー 2014 “究極の9曲”盤」)収録内容
  1. 1.2. step to you
  2. MUSiC
  3. ミミック
  4. 見たくないもの
  5. 東京
  6. 羽虫と自販機
  7. ウォーリーヒーロー
  8. 結晶星
  9. フルドライブ
ライブDVD「KANA-BOON MOVIE 01 / KANA-BOONのご当地グルメワンマンツアー 2014」 / 2014年11月26日発売 / Ki/oon Music
[DVD] / 4104円 / KSBL-6168
KANA-BOON(カナブーン)
KANA-BOON

谷口鮪(Vo, G)、古賀隼斗(G)、飯田祐馬(B)、小泉貴裕(Dr)からなる4人組バンド。高校の同級生だった谷口、古賀、小泉を中心に結成され、のちに飯田が合流して現在の編成となり、地元大阪を中心に活動を展開する。2012年に参加した「キューン20イヤーズオーディション」で4000組の中から見事優勝を射止め、ASIAN KUNG-FU GENERATIONのライブのオープニングアクトを務める。2013年4月には活動の拠点を東京に移し、バンド初の全国流通盤となる1stミニアルバム「僕がCDを出したら」をリリースし、夏には「ROCK IN JAPAN FES」「SUMMER SONIC」「SWEET LOVE SHOWER」など大型フェスに出演したことを機に知名度を全国区に拡大させる。2013年9月シングル「盛者必衰の理、お断り」でメジャーデビューを果たし、10月に1stフルアルバム「DOPPEL」を発表。2014年2月に2ndシングル「結晶星」、5月に3rdシングル「フルドライブ」、8月に4thシングル「生きてゆく」をリリース。8月30日に大阪・泉大津フェニックスで行ったキャリア最大規模のワンマンライブでは、約16320人を動員し大成功を収めた。11月にはテレビ東京系アニメ「NARUTO-ナルト-疾風伝」のオープニングテーマ「シルエット」をシングルリリース。また初の映像作品となるLIVE DVD「KANA-BOON MOVIE 01 / KANA-BOONのご当地グルメワンマンツアー 2014」を同時に発表した。