──せいじさんが考える仮面女子の魅力とはなんでしょうか？ また仮面女子はなぜメジャーで活躍するグループ以上の結果を出すことができるのでしょうか？

仮面女子は言ってしまえば芸能界に居場所がなかった落ちこぼれたちです。大手の事務所オーディションに落ち、最終的にたどり着いた仮面女子という居場所で懸命にもがき、ひたむきにライブをし、成長していく姿に共感していただいていると思います。汚れたサナギがとびっきりの蝶に成長し羽ばたいていく姿をファンの皆さんは見たいのだと感じています。

合わせて今までのアイドルではあり得なかった命でもある顔を隠して個人の個性を消し、群れとしての個性を前面に押し出した戦略が功を奏しました。仮面で表情が隠れることによってメンバーにより繊細な表現力が求められ、磨かれ続けた結果、最強のライブアイドルと呼ばれるようになったことも魅力として大きいです。

──さいたまスーパーアリーナでのライブが決定してますが、これを成功させるために考えていることは？

「仮面女子は常に何か面白いことをやっているな！」と皆さんに思っていただくことを大切にしていますので、短い間隔での斬新な企画とプロモーションを考えています。これについては言いたくてウズウズしていますが楽しみにしていてください。日本中が驚くような仕掛けをします。もちろんメンバーにもサプライズです（笑）。

そして地下アイドルの枠を超えた戦略と作品をアイドルに興味がない層に積極的にアタックしていくことで、会場をたくさんの人でいっぱいにしたいです。チケット代3000円という挑戦も、より多くの方にご覧いただくために設定しました。確実に赤字になりますが、彼女たちの夢のためにできることをすべてやろうと思っています。

──アイドルのプロデューサーに必要なことはなんだと思いますか？

メンバーに徒労ではない、正しい努力の仕方を教えることです。芸能界はキレイごとだけではやっていけません。熱血だけでは通用しない、いくらがんばってもほとんどが夢半ばで消えていってしまう世界です。仮面女子だけに関わらずすべてのアイドルががんばっているんです。がんばっていないアイドルなんていないです。

その中で夢を掴むのはたった数十人。間違った方向の努力はただの徒労です。スタッフ、演者ともに徒労に終わらない努力を教えてあげてそこに向かって行けるような道創りが重要です。

──現在のアイドル業界を俯瞰して見て感じることがあればお答えください。

よくアイドルブームが来ていると言われていますが、あれは間違い。来ているのはAKB48グループ、ももいろクローバーZ率いるスターダストグループのアイドルなど一部のアイドルのブームなんです。実際のアイドルファンは驚くほどお客のパイが小さい、つまり総数が少ないです。そのパイを大量のアイドルたちが取り合っています。ナイフとフォークを持っている運営が少し多く取れるだけの状態です。これはブームとは言いません。

今後は大量の地下アイドル生産という現象が起こってきます。企業、町、著名人、一般の方が個人でこぞってアイドルを生み出していくでしょう。そうなればアイドルブームではなく地下アイドルマネジメントブームが起き、メディアが地下アイドル＝インディーズアイドルに注目し始めます。弊害としては簡単にお金を稼げると勘違いした腰掛け程度に少女たちをプロデュースしようとする大人たちがたくさん現れることがありますが……。

とにもかくにもここで新しいアイドルの側面を今までアイドルに興味がなかった人たちにも知らせることができ、結果的にパイを大きくすることが可能になると思っています。

真のアイドルブームはこれから来ます。仮面女子はこのブームを国内のみならず、世界に届くように牽引することができればと考えています。