音楽ナタリー PowerPush - 仮面女子

打倒メジャー!“国民的地下アイドル”の野望

地下アイドルのまま紅白に出たい

新矢皐月(スチームガールズ)

──仮面女子はメンバーも多くなってきたので、グループの中で意思疎通を図るのが難しくないですか?

新矢 私たち、メンバー同士で連絡先を交換しちゃいけないんですよ。

 友達ではないですからね。なれ合いを禁止するためにお互いのプライベートをまったく知らないんです。

──LINEとかメールでやりとりもせず?

愛沢美奈(アーマーガールズ)

愛沢 LINEは禁止ですね。だからまったくLINEのシステムすら知らないメンバーもいます(笑)。

──急遽メンバーと連絡を取らなきゃいけないときはどうするんです?

 メンバーが書き込めるスタッフさん管理の掲示板があるんですよ。そこで書き込んで連絡を待つ、みたいな。

──すごく大変なシステムなんですね(笑)。

 LINEアプリもインストールしちゃいけないくらいストイックで。だから本当に孤独なんです……。

──そもそも皆さんは“地下アイドル”というキーワードを掲げて活動されてますが、地下とメジャーの違いってどういうところだと思いますか?

桜のどか(アリス十番)

 メジャーデビューをせずに小規模なライブハウスなどで活動するインディーズのライブアイドルさんのことを地下アイドルって言うんでしょうけど、お客さんとの距離感はやっぱりメジャーアイドルさんと比べてもすごく近いと思います。特に私たちはアイドルというよりも友達に近い感覚なのかもしれなくて、気軽にファンの方が会いに来てくださいます。

──メジャーじゃないから自由にやれているっていうのもあります?

 それはありますね。仮面をかぶって活動するということ自体、地下アイドルならではのことだと思いますし。

──対してメジャーに行けばある程度の活動資金もあって、もっとたくさんの人にグループをアピールできるんじゃないかと思いますが。

 やっぱり私たちは自分たちがやりたい方向性に対していろいろと制限をかけられたくないっていうのがあるんですよ。だったら地下のままこの世界観を極めていきたいって思いますね。メジャーデビューっていう目標は特になくて、むしろ地下アイドルのまま紅白歌合戦に出たいと思ってます。

いつまでも「仮面の子たち」って言われないように

──紅白出場というのもかなり大きな目標だと思いますが、2014年10月には日本最大級のメタルフェス「LOUD PARK 14」で仮面女子がオープニングアクトを務めました。メジャーとかインディーズとか以前の問題として、アイドルとして「LOUD PARK」に出演するのはすごく緊張したと思いますが。

 あのときは正直すごく怖かったです。出演するって情報が出たときから私たちに対する批判がたくさん起こってしまったので。ライブも最初は皆さんシラーッとしてたんですけど、だんだんとノッてきてくれて最後はものすごい拍手が巻き起こって。終了後の反応もすごくよくて、出演することができて本当によかったです。

──出演後、お客さんも増えてきたように思うんですけど。

新矢皐月(スチームガールズ)

 はい。「『LOUD PARK』観て来ました!」っていう方も多かったです。あとは女性のファンも多くなってきてて、ジャンル関係なく私たちのことを気になってくれている方が増えているんだなって実感してますね。

新矢 やっぱり最近は「仮面かぶってる子たちだよね?」って聞かれることが多くなってきてます。ちょっと前とは比べられないくらい認知されてるんだなって。

──そして2015年11月23日にはさいたまスーパーアリーナでのライブが決定しました。Zepp Tokyoでのライブではチケット完売には惜しくも届かなかったですが、もっと大きな会場を埋めるためのアイデアはありますか?

 まずはニューシングル「元気種☆」で必ずオリコン週間シングルランキングで1位を獲得して注目度を上げて1年のスタートを切りたいです(編集部注:この取材はシングル発売前に実施)。それに1月から地上波で新番組も始まりますし、ほかにもいろいろな戦略があります。でもやっぱりライブを観に来てほしいですね。1回でも観てくれたら絶対に気になっていただけると思うんです。

愛沢美奈(アーマーガールズ)

愛沢 私的には個人のレベルをもっと上げていきたいですね。それに個人活動ももっとやっていきたいです。私はテレビの食レポとかやりたいです(笑)。そういうところで個々ががんばっていけば、自然と観てくれる人は増えるんじゃないかと思っていて。

──仮面を付けたまま食レポしてたらかなり面白いとは思います(笑)。

 あはははは(笑)。でもやっぱり仮面女子は仮面に助けられている部分がすごくあるので、いつまでも「仮面の子たち」って言われないように個人としてもどんどん露出していきたいですね。

“国民的地下アイドル”になることが目標

──「元気種☆」は目標枚数20万枚とプロデューサー兼代表のせいじさんはおっしゃってましたが、予約だけで10万枚を超えています。この数字は正直すごいとしか言いようがないんですけど、皆さんとしてはどんな心境ですか?

桜のどか(アリス十番)

 ファンの皆さんやCDショップの皆さんが私たちの思いをくんでくださって、ここまでがんばってくれた結果が数字として表れてきたので、本当に感謝しています。

──せいじさんといえば、東京オリンピックで仮面女子にパフォーマンスさせたいとかいろいろと大きな目標を口にしていますね。

新矢 社長がそういうことを言うと、私たちは魔法にかけられた気持ちになってしまって、心配というよりは自信が湧いてくるんですよ。

──勇気付けられる?

愛沢 社長自身も「俺はみんなに魔法をかけている」ってよく言ってますし。すごく勇気付けられますね。

 だから東京オリンピックの年には私は30歳くらいになっちゃうんですけど、がんばって出たいと思います(笑)。

左から新矢皐月(スチームガールズ)、桜のどか(アリス十番)、愛沢美奈(アーマーガールズ)。

──今年もいろいろと大きな活動があるかと思いますが、仮面女子メンバーとして意気込みをいただけますか。

 “国民的地下アイドル”になるってことが第一目標です。テレビを付けたら毎日誰かしら仮面女子のメンバーが出てるくらいになりたいですね。一気に飛躍する年にすることを目標に動いていきたいです。

Contents Index
仮面女子「元気種☆」インタビュー
プロデューサー・せいじ メールインタビュー
仮面女子ライブレポート@秋葉原P.A.R.M.S
ニューシングル「元気種☆」 / 2015年1月1日発売 / デストロイレコード / [CD] 各500円
Type-A / APKB-1
Type-B / APKB-2
Type-C / APKB-3
Type-D / APKB-4
Type-E / APKB-5
Type-F / APKB-6
Type-G / APKB-7
Type-H / APKB-8
Type-I / APKB-9
Type-J / APKB-10
Type-K / APKB-11
Type-L / APKB-12
収録曲
  1. 元気種☆
  2. マリン☆ロード
  3. あきばサンダルのうた~DO!!~
  4. アリス・イン・アンダーグラウンド(※Type-A収録曲)
  1. LOVE is ALL(※Type-B収録曲)
  1. FLY HIGH !!!!!!!(※Type-C収録曲)
  1. COSMIC LOVE(※Type-D収録曲)
  1. CLAP!(※Type-E収録曲)
  1. 最強☆サマー(※Type-F収録曲)
  1. シャイニーラブ(※Type-G収録曲)
  1. A!chu! A!chu!↑(※Type-H収録曲)
  1. 超・アドベンチャー(※Type-I収録曲)
  1. 真・アドベンチャー(※Type-J収録曲)
  1. 雷・アドベンチャー(※Type-K収録曲)
  1. 祭・アドベンチャー(※Type-L収録曲)
仮面女子(カメンジョシ)

アリス十番、スチームガールズ、アーマーガールズの3組の仮面ユニットからなるグループ。2013年にアリス十番とスチームガールズによって結成。シングル「仮面女子」をリリースし、2014年にアーマーガールズを加えて現在の形になる。同年5月と10月に東京・Zepp Tokyoにてワンマンライブを開催しチケットソールドアウトには届かないまでも熱狂的なライブを繰り広げた。さらに「LOUD PARK 14」ではオープニングアクトを務めてメタルファンを魅了した。2015年元日に最新作「元気種☆」をリリースしオリコン週間シングルランキングでインディーズレーベルの女性アーティスト史上初の1位を獲得。同年11月には埼玉・さいたまスーパーアリーナにて単独ライブが決定している。