やるからには本物を目指したい

──そして、いつもライブで歌っているカバーが2曲。「Got My Mojo Working」と「Route 66」。これはCHABOさん（仲井戸“CHABO”麗市）がギターで参加された2012年12月の赤坂BLITZ公演のライブテイクですが、これをここに入れた理由は？

本当は映像として「SHOUT of SOUL」に入れたかったんだけど、権利処理の問題で見送ることになったんです。でも音源だけであればOKということだったので、今回のに入れたという。素晴らしかったんですよ、CHABOさんを含めた皆さんのプレイが。すごいグルーヴがあってね。

──確かにどちらも名演ですね。

僕の中では、より本質的なものをもってやっていきたいんです。それは俳優業もそうだし、音楽もそうですけど。映画も音楽も欧米からの借り物のままっていうところがあるじゃないですか。でも借り物のままで終わりたくないんですよ。やっぱりオリジナルに昇華させたいし、向こうのミュージシャンと同等に勝負したい。で、僕はこの2曲の映像を観た限り、“あ、これは負けてない”って思ったんです。プレイとしても、グルーヴ的にもね。

──そうですね。

だから、いつ本物になれるのかわからないけど、やるからには本物を目指したいんですよね。

──僕は今の凌さんの歌がこれからもっともっと広い場所、広い世代に届くようになればいいなと思ってるんですよ。例えばですけど、「NHK紅白歌合戦」で歌う凌さんを観たいし、ロック好きだけじゃない、いろんな年代の人に聴いてもらいたいという思いがあって。

そうですね、紅白は出していただけるならお願いしたいですけど（笑）。でもまだその段階まではいってないと思うんですよ。なかなか自分の思うようには進まないものだなという気持ちもある。ただ、そこでまたいちいちイライラしたくはないんですね。前にも言いましたけど、ソロをやると決めたときに、今後は音楽を楽しんでやりたいと。楽しく豊かな気持ちで音楽を作っていきたいと決めましたし、余計なプレッシャーやストレスを感じたくない。正直言うと今回もかなり過密なスケジュールの中で作ったわけなんですが、それは自分がやりたくてやってることだし、好きだからやってるわけだから、とにかく体が動く限りはやるしかないと思ってます。楽しんで続けていきますよ。