「判断基準がブレてきた」からハンブレッダーズ
──「スクールカースト」って、学生時代から口にしてたワードなんですか?
ムツムロ いや、当時は「イケてる」「イケてない」って言うてました。
でらし バンドで言い出したのは僕が入ってからやと思う。1年くらい前からかな。
ムツムロ 「スクールカーストの最底辺から青春を歌いに来ました」ってのは、お客さんにもらったコメントにそういうのがあったんよ。「這い上がってください!」みたいな。
吉野 え? 俺が考えたんやって、アレは!(笑)
ムツムロ そうやったっけ? どっちでもええわ!
でらし その前は「初期衝動を全面に」とかでしたね。的を射たキャッチフレーズができてから、ハンブレッダーズの音楽が広がっていった気がする。
ムツムロ とりあえず、サエないところは4人共似てますね。バンドマンなのにお酒はほぼ飲めないし、タバコは吸わないし、悪いことが全然できない(笑)。
吉野 メインで盛り上がってる集団に入っていけないタイプなんですよ。
──バンド名の由来も教えてください。
ムツムロ 寝屋川のマクドナルドに集まってバンド名を出し合ったんですけど、まとまらなくて話が散り散りになっちゃったんです。要は「判断基準がブレてきた」。その「ハン」と「ブレ」の語感だけでハンブレッダーズ。
吉野 「ターズ」ってめっちゃ間違えられるんで、できれば正しく覚えてほしい! 「逃飛行」って曲も「逃避行」と表記されがちです。
──ハンブレッダーズの音楽性が定まったのは?
ムツムロ 大学の途中、4年前くらいですね。全員で曲を作り始めてからかな。それまでは自分1人で曲を作ってたんですけど、木島が「この曲はCメロがあったほうがいいよ」って言ってくれたり、4人で構成を含めて話し合えるようになって。この頃から自分たちの音楽を認めてくれる人が増えました。
吉野 いろいろなコンテストに出演できたのも大きかったと思います。客観的に自分たちのことを観られるし。それこそキャッチコピーを考える中で、「何を歌ったらええんかな?」って話したりしたもんな。
ムツムロ 「口笛を吹くように」という曲でいい反応がもらえるようになってから、自分たちに合った音楽性が見つかった気がします。
目指すのは「語彙力」と「語の威力」
──ライブでも歌が聴き取りやすいし、コーラスもいいし、1人ひとりの音がガッと響いてきますね。
吉野 僕らムツムロの歌詞が大好きなので、まずはそこを届けたいっていうのはライブでも意識してます。
ムツムロ ロックンロールという音楽で戦う以上、言葉が伝わらないといけないと思ってます。僕らの楽曲は音像的にはギターロックなんだけど、そのフィールドで1つ抜きん出るためには歌詞が大事で。それをアンサンブルの3人がすごく理解してくれてるんです。あとは曲にしっかり気持ちが入るように、ウソのないライブにしたい。
でらし 僕は大学生のとき、ムツムロさんと同じサークルに入ってて、1コ下の後輩なんですよ。加入する前からハンブレッダーズのファンだったので、歌の魅力をしっかり届けたい思いは強くて。
ムツムロ 最近だと歌詞を書くのも楽しくなってきて、ライフワークと言うか、毎日書いては消してを繰り返してるんです。認めてもらえるとやっぱりうれしいですし。
吉野 たまに意見も言いますけどね。「フェイクファー」の「言葉はいつも 後出しだから 涙が出るのか」のところとか、最初は反対したしな(笑)。
ムツムロ この歌詞を書いた当時は俵万智さんの詩集をすごく読んでた時期で、余白を残す言葉を書きたかったんよ。
吉野 それまでムツムロの歌詞って、具体的な描写が強みやと思ってたから。本人から話を聞いて「あえて抽象的で行間のある、言いすぎないよさも大事なんやな」と考え直しましたね。あと、聴き手が入りやすいように、イントネーションとメロディの一致は大切にしてて。
ムツムロ メロディと歌詞の親和性が高いものが好きなんですよ。
木島 僕はギターのコードとかわからないんですけど、聴いてみてきれいに思わなかったら言いますね。最後のサビで一番感動したいので、納得できる流れにする。
ムツムロ 木島は自分とは違う観点で聴いて、そういうのを指摘してくれますね。おかげで、曲にちゃんとストーリーができる。
──硬さも混ぜたような言葉遣いも面白いです。「睡眠至上主義」で出てくる「明瞭度」とか「御免被りたい」とか。
ムツムロ 語彙力と“語威力”を意識してるんですよ。ちょっとひねった言葉を使う語彙力と、ひらがなとか簡単な表現を適切なメロディに乗せる語の威力。ありふれたJ-POPにならないようにはしたくて。
──「睡眠至上主義」の「正気の沙汰じゃない」というフレーズは一発で覚えちゃいましたね。明るいメロディでネガティブだったりする感じも絶妙で。
吉野 めちゃめちゃシニカルですからね、この曲は。
ムツムロ アルバムの流れを考えたとき、四つ打ちの曲が欲しくなって。それで踊れるビートとメロディを作ったのに「まったく踊りたくない」みたいな歌詞を乗せたり、途中からプログレっぽい不協和音も出てきたりして、結局トリッキーな曲になりました。
──ありふれた展開をあえて裏切るような姿勢は随所にありますよね。「ユーモアセンス」の冒頭の「流行りの漫画の実写化みたいな冷めた茶飯事の中」とか。
ムツムロ 1行目からひねくれようとするのは、わりとよくやるかもしれません(笑)。
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個性が爆発してるよな
- ハンブレッダーズ「純異性交遊」
- 2018年1月17日発売 / ハンブレコード
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[CD]
2000円 / HUMB-001
- 収録曲
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- DAY DREAM BEAT
- スクールマジシャンガール(純Mix)
- ユーモアセンス
- 常識の範疇
- フェイクファー(純Mix)
- 睡眠至上主義
- ファイナルボーイフレンド
- 付き合ってないけどお互いに
ハンブレッダーズ「純異性交遊」発売記念ツアー
- TOKYO DAY DREAMING NIGHT
- 2018年3月24日(土)東京都 TSUTAYA O-Crest
出演者ハンブレッダーズ / ナードマグネット - ライフイズユースフル
- 2018年3月31日(土)大阪府 Shangri-La
出演者ハンブレッダーズ
- ハンブレッダーズ
- 2009年、高校の文化祭に出演するため結成。大学進学後も活動を続け、2016年4月にムツムロアキラ(Vo, G)、吉野エクスプロージョン(G, Cho)、木島(Dr)、でらし(B, Cho)の現体制となった。2016年8月に現体制初のシングル「フェイクファー / コントレイルは空に溶けて」、翌2017年2月に2ndシングル「スクールマジシャンガール / 既読無視殺人未遂」を会場限定でリリース。同年8月にはオーディション企画「でれんの!? サマソニ!? 2017」を勝ち抜き、「SUMMER SONIC 2017」への出演を果たした。2018年1月17日に1stアルバム「純異性交遊」を発表。3月31日にはバンドにとって初となるワンマンライブ「ライフイズユースフル」を控えている。