次世代ロック研究開発室「第二回研究発表会」 PR

次世代ロック研究開発室「第二回研究発表会」特集|「次ロッ研」ってなんだ? 柴那典による次ロッ研の手引きと関係者コメント

主催はソニー・ミュージックエンタテインメント内に発足したレーベル&マネジメント「次世代ロック研究開発室」。その名の通り、これからの時代を担うアーティストを世に送り出すためのプロジェクトだ。この次世代ロック研究開発室の狙いはどこにあるのか? この特集では音楽ジャーナリストの柴那典によるテキストで紐解く。また特集後半では「第二回研究発表会」に出演するハンブレッダーズ、Rude-α、The Songbards、バレーボウイズを支持する関係者たちからのコメントも掲載し、多角的に「次世代ロック研究開発室」の魅力を紹介する。

文 / 柴那典

柴那典による「次ロッ研」論

「ロック」という名を冠してはいるが、「次ロッ研」の特色はジャンルやスタイルにこだわらないメンツが集まっていることだ。昨年6月に行われたイベント「第一回研究発表会」には所属アーティストであるCHAI、Creepy Nuts、Survive Said The Prophetらが出演したのだが、この3組の並びを見てもそれは明らかだろう。

CHAI

特に“ニュー・エキサイト・オンナバンド”を標榜し、ガールズバンドの新たなスタンダードを確立しつつあるCHAIの躍進はめざましい。2017年10月に初のフルアルバム「PINK」をリリースした彼女たちは、3月に「SXSW」(毎年3月にアメリカ・テキサス州オースティンで行われる、音楽祭、映画祭、インタラクティブフェスティバルなどを組み合わせた大規模なイベント)出演を含む2度目の全米ツアーを実施。今年の10月にはイギリス・ロンドンを拠点に活動する多国籍バンドSuperorganismのワールドツアーにサポートアクトとして参加する予定だ。5月にリリースされた最新作「わがまマニア」も、自然体ながら旺盛に海外の新しい潮流を吸収している4人の音楽センスの成長を感じさせる作品だった。かねてから「目標はグラミー賞」と語っているCHAIだが、一歩一歩、そこに向けて歩みを進めていると言っていいだろう。

Creepy Nuts

Creepy Nutsも充実の日々を過ごしている。今年4月にリリースされた初のフルアルバム「クリープ・ショー」は、彼らのたどってきた足跡やユーモア、猥雑さ、熱いエモーション……そういった彼らならではの個性をストレートに打ち出した1枚。1MC+1DJというスタイルを守りつつ、バンドを招いての対バンツアーやフェスへの出演など他流試合の場を重ね、多様化が進む日本のヒップホップシーンの中で存在感を放っている。

Survive Said The Prophet

Survive Said The Prophetも飛躍のときを迎えつつある。すでにラウドロックのシーンでは頭角を現してきたバンドだが、5月にはアニメーション映画「コードギアス 反逆のルルーシュIII 皇道」主題歌のシングル「NE:ONE」、8月にはテレビアニメ「BANANA FISH」オープニングテーマのシングル「found & lost」をリリース。持ち前のヘビーなバンドサウンドとエモーショナルなメロディに加え、スタイリッシュなポップセンスも開花しつつある。

そして7月3日に東京・WWWにて開催される「第二回研究発表会」に出演するのは、彼らに続き音楽シーンに新たな波を起こすことが期待されるニューカマー4組だ。

ハンブレッダーズ

ハンブレッダーズ

ハンブレッダーズは、今年1月に初の全国流通盤となる1stアルバム「純異性交遊」をリリースした大阪発の4人組ロックバンド。ストレートなギターサウンドに乗せて思春期的なエモーションを歌い上げる彼らの魅力はリアルな生々しさを持った歌詞だろう。代表曲「DAY DREAM BEAT」の「自己啓発本みたいな歌に騙されんな」という一度聴いただけでハッとするような印象的なフレーズ、「人目につかない程度のヘッドバンギング ドラムも叩けないくせに刻むビート」のように情景がありありと浮かぶ言葉を、ムツムロアキラ(Vo, G)が歌う。

バレーボウイズ

バレーボウイズ

京都発のバレーボウイズは「懐かしさ」と「ユニークさ」が絶妙に同居するグループだ。男女混声の6人組で、メンバー全員がボーカルとコーラスを担当する“合唱”のスタイル。メロディは歌謡曲やGS、フォークを彷彿とさせるノスタルジックなテイストながら、それを単なる懐古趣味のリバイバルに終わらせない独自のセンスを持つ。7月4日には昨年夏にリリースした自主制作盤「なつやすみ」をバージョンアップした新作「なつやすみ'18 猛暑」を全国流通盤として発表。新曲「ミラーボウル」や代表曲「卒業」をはじめ、親しみやすさとサイケデリックな風合いが不思議に溶け合った楽曲の数々が収録されている。8月には初のワンマンツアーを東京と大阪で開催する予定で、さらに注目が集まりそうだ。

Rude-α

Rude-α

Rude-αは沖縄出身のラッパー。持ち味はカリスマ性を感じさせる声とルックス、歌とラップを自在に行き来するスタイル、そして熱を帯びた音楽性だろう。1997年生まれ、現在21歳の彼は一昨年に東京に拠点を移し、昨年からバンドスタイルでのライブを展開している。今年2月には最新作「20」をリリース。R&Bをベースに現行の海外シーンの潮流とリンクするポップセンスを感じさせる「Mirror Ball」、洗練されたトラックに乗せてフックの強いメロディを歌う「この夜を超えて」、敬愛するTHE BLUE HEARTSへのオマージュを込めた「Train」など幅広い曲調のナンバーを収録。かなりの成長速度を見せている。

The Songbards

The Songbards

The Songbardsは神戸を拠点に活動する4人組。ツインボーカルのロックンロールバンドだ。彷彿とさせるのはThe StrokesやThe Libertines、そしてOasisからThe Beatlesまで遡るUKロックの王道に連なるセンスを感じさせる。昨年には「ROCK IN JAPAN FESTIVAL」や「SUMMER SONIC」といったロックフェスのオーディションを勝ち抜き出演、今年初頭には初の全国流通盤「Cages in the Room」をリリース。疾走感あるビートと人懐っこいハーモニーにandymoriの後継者的なイメージを持つ人もいるかもしれないが、「春の香りに包まれて」のようなピュアなグッドメロディにも可能性を感じる。

他にもTOKYO HEALTH CLUB、ムノーノ=モーゼス、w.o.d.など、「次ロッ研」には個性派の面々がそろう。音楽の聴かれ方や届け方が変わり、多様化とボーダレス化が進む現在の音楽シーン。全体像が見えづらくなっている時代だからこそ、尖った個性の集う「次ロッ研」に注目が集まっているのかもしれない。