HOWL BE QUIET「Andante」 PR

HOWL BE QUIET|苦しみ抜いた失意の2年間と決別し、新しい仲間と手に入れた喜びのサウンド

昨年8月に前ベーシストが脱退したため、一時は3人になったHOWL BE QUIET。しかし彼らはその2カ月後に、スタジオミュージシャンとして活躍していた松本拓郎を新メンバーに迎え、再び4人組バンドとして動き出した。

そんなHOWL BE QUIETが前作「Mr. HOLIC」から約2年ぶりとなるアルバム「Andante」をリリースした。彼らはどのような苦難を乗り越えてこのアルバムを完成させたのか。音楽ナタリーでは今回、メンバー4人にインタビューを実施。新体制になったHOWL BE QUIETが、これからどう音楽と向き合っていくのかを尋ねた。

取材・文 / 真貝聡 撮影 / 梅原渉

朝焼けを見ながら「また1日延命できたな」って考えてた

──今回のアルバムもそうですし、4月21日の東京・渋谷CLUB QUATTROでのワンマンライブでも感じたことなんですけど、去年バンドが大きな危機に直面したからこそ、今は音楽を続けられる喜びが音にも表れているのかなと思いました。

竹縄航太(Vo, G, Piano) それはすごくありますね。前作の「Mr. HOLIC」から2年も空いてしまって、その間にバンドとしてもいろいろな紆余曲折がありました。それでもこうやって盤を出せるというのは、本当に幸せなことだと思うんです。その喜びだったり、うれしさだったり、まだ音楽を続けていられることへのありがたみだったりをひしひしと感じながら「Andante」を作っていたところはありました。

──この2年の間に、バンドを続けられるかどうかの大きな出来事がありましたよね。去年の夏に僕が岩野さんと会ったときは、その渦中だったと思うんです。

岩野亨(Dr) そうっすね。一番しんどい時期だったかもしれないです。

──その席で僕は「ベースが脱退するんです」と聞かされましたね。当時を振り返ると、バンドはどういう状況だったんですか?

竹縄 去年の8月に前のベースが脱退する旨を発表して、それでもHOWL BE QUIETを続けていくと公表をしたんですけど、あのときを振り返ると、本当に明日のこともわからないくらい何も見えない状態でした。マンガみたいですけど、朝焼けを見ながら「また1日延命できたな」って考えたり。本当にそのレベルで「ああ……俺らどうなるんだろう」と思ってました。そこでの葛藤だったり悩みだったりがあって、メンバーと何度も話し合って、という。なかなかカオスな時期ではあったよね。

岩野 うん、カオスだった。

竹縄 今思い返すと、去年は本当にしんどかったですね。

──一時は殴り合いにまで発展したそうですけど、そういうことってバンド内ではよくあるんですか。

黒木健志(G) 揉め事はずっとありました。それは音楽以外の悩みが大きくて、曲をどう作っていくか以前の問題。どちらかというと人間関係の話だったんです。それが音楽にも支障をきたし始めた。だから2年間も作品が出せなかったんですよ。今も悩みはあるんですが、それは音楽に対しての悩みなので、ようやく健康的な状態になったと思います。

タイプが違うからこそ、すっと受け入れられたのかな

──新メンバー・松本拓郎さんの加入というのは、3人にとって精神的にも大きな転機だったのでは。

黒木 めちゃくちゃ大きかったっすね。僕たち自身、ライブツアーを回っていても「どこに向かって走っているんだろう」というのがずっと見えてなくて。でも「これ大丈夫かな?」という不安を抱えている中、拓郎という人間に出会えたことで「もう1回やっていこう」と思わせてもらったんです。6歳離れているんですけど、僕らも彼と同じ22歳の頃は純粋に音楽が好きだった。それがいつの間にか、ねじ曲がっちゃってて。そういう忘れていた気持ちを思い出させてくれた存在ではあります。

──そもそも、どういう流れで加入することになったんですか。

黒木 僕は誰かの知り合いにお願いするとかオーディションをするとかじゃなくて、自らの足を使ってライブハウスに通ってベースを探したんです。そしたら、とあるライブハウスで拓郎が演奏している姿を見て、一発で惚れ込んだというか。「マジ!? こんなところにお宝が眠ってた!」みたいな感じでした。だから速攻でメンバーに連絡をして「めちゃくちゃいい人を見つけたからナンパします!」って。

黒木健志(G)

──それで声をかけたと。

黒木 のちのち、拓郎からは「あのときは挙動不審で怖かった」と言われましたけどね(笑)。だって俺、初めてライブハウスで出待ちしたもん。1時間半くらい経っても出てこなくて、待っている間に「ファンってこういう気持ちなんだな」と思った。

岩野 ふふふ(笑)、早く会いたいと。

黒木 そうそう! で、拓郎が出てきたらその場で僕から熱烈なオファーをしました。

──黒木さんに誘われたときはどう思いました?

松本拓郎(B) もともと、僕は17歳くらいからスタジオミュージシャンとしていろんなバンドのサポートをさせていただいてまして。正直、サポートの活動をしていると「今度弾いてください」と言われることってよくある話なんですよ。ただ……黒木さんはあまりにも熱量がすごくて。それで音源とバンド名を教えていただいて「僕でよければ」とお返事しました。

──音源を聴いたとき、どんな印象を持ちましたか?

松本 最初に聴いたのが「Mr. HOLIC」だったんですけど、まず思ったのが「歌詞の内容が自分もわかるな」でしたね。めちゃくちゃ女々しいというか、ここまで歌う人がいるんだ!と。

──岩野さんは、松本さんと出会ったときの印象を覚えてます?

岩野 音楽の楽しみ方は、バンドマンでも人それぞれ違うなと思っていて。音楽を感覚的に楽しむ人と、楽器とか演奏力とか音楽的に楽しむ人といるんですよね。俺らは前者で拓郎は後者の人だから、すごく新鮮でした。「亨さんの叩いた、その1打にはどういう意味があるんですか?」とすごくこだわる人なんですよ。

──自分と対照的なタイプだったわけですね。

岩野 そうです。だから最初の2カ月くらいは、2人でスタジオに入ったりしてずっと一緒に過ごしてたんです。お互いにどういう感覚で音楽を楽しんでいるのか、すり合わせていった結果「意外とそんなに変わらんな」と。細かい音の変化にグッときている拓郎のドキドキ感と、パッションで聴いている俺の聴き方とがあんまり変わらないなと気付いてから、お互いに寄り添うようになったし、いろんな会話ができるようになった。タイプが違うからこそ、すっと受け入れられたのかなって。逆に、俺らと同じタイプのやつだったら3人の中に入ってこれなかったと思うんですよね。そういう意味でも拓郎が入ってくれてよかったです。

HOWL BE QUIET「Andante」
2019年7月31日発売 / ポニーキャニオン
HOWL BE QUIET「Andante」

[CD] 2484円
PCCA-04805

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収録曲
  1. 覆水盆に返らず
  2. fantasia
  3. ヌレギヌ
  4. Reversi
  5. バーバラ
  6. 名脇役
  7. 幽霊に会えたら
  8. Dream End

公演情報

HOWL BE QUIET「HOWL BE QUIET 2019 album release ONE MAN LIVE」
  • 2019年9月1日(日)千葉県 千葉LOOK
  • 2019年9月8日(日)宮城県 enn 2nd
  • 2019年9月21日(土)福岡県 INSA
  • 2019年9月23日(月・祝)愛知県 伏見JAMMIN'
  • 2019年9月28日(土)広島県 Back Beat
  • 2019年9月29日(日)大阪府 Music Club JANUS
  • 2019年10月3日(木)東京都 LIQUIDROOM
HOWL BE QUIET(ハウルビークワイエット)
HOWL BE QUIET
2010年結成のピアノロックバンド。2013年12月に発表した1stアルバム「DECEMBER」が、タワーレコードのスタッフが選ぶ「タワレコメン」に選出される。2016年3月にシングル「MONSTER WORLD」でポニーキャニオンよりメジャーデビュー。8月にテレビアニメ「DAYS」のオープニングテーマを表題曲とするシングル「Wake We Up」を発表し、2017年5月にメジャー1stアルバム「Mr. HOLIC」をリリースした。2018年秋からは竹縄航太(Vo, G, Piano)、黒木健志(G)、松本拓郎(B)、岩野亨(Dr)の4人編成で活動。2019年7月に2年ぶりのアルバム「Andante」を発売した。