HOWL BE QUIETがメジャー1stアルバム「Mr. HOLIC」を完成させた。

この作品にはデビュー曲「MONSTER WORLD」、テレビアニメ「DAYS」の主題歌である「Wake We Up」、彼女との別れを歌ったバラード「サネカズラ」といたシングル曲を含む全12曲を収録。タイトルの通り“依存”がテーマになっており、作品全体を通して竹縄航太（Vo, G, Piano）の恋愛観がさらけ出されている。

リリースを記念して実施された音楽ナタリーのインタビューで、竹縄は自身の恋愛観について深く言及。3人のメンバーとともに、この作品に投影させた思いを語った。

取材・文 / 真貝聡　撮影 / 後藤倫人

こういう愛の形を“依存”と呼ぶんだな

──HOWLの活動を見ていると、よくこんなにハイペースでリリースできるなと驚かされます。

竹縄航太（Vo, G, Piano）　だいぶ難航しながら作ってますよ。もともと曲を作るのが速いほうではないから「絶対にリリースするぞ！」って心構えで、なんとかアルバムになりました。

──竹縄さんは以前「お尻を叩かれないと曲を作れない」とおっしゃっていましたね。

竹縄　メジャーデビュー以降は意外と大丈夫だったんですよ。「ここまでに曲を書く」って目標が決まっていたし、シングルの収録曲は3曲だけなので。だから今までの壁は全然乗り越えられたんですけど……今回の1stアルバムは完全にナメてました（笑）。

──メジャーデビューをして、初のフルアルバムはどのような思いで作ったのでしょうか？

竹縄　昨年末に「サネカズラ」ってシングルを出したんですけど、その曲で初めて自分自身をさらけ出したんですよ。そしたら、それが自分の性に合っていたようで、すごく気持ちよかったんです。「こういうことを歌うのが好きなんだな」と自分の中で発見できたから、アルバムもその流れで作りました。

──なるほど。

竹縄　で、今回曲を書くたびに周りから言われたのが「これは依存だね」とか「中毒だね」って言葉だったんです。自分では気付かなかったんですけど、「ああ、こういう愛の形を“依存”と呼ぶんだな」ってビックリしましたね。「そう言われるならそうなのかな」って。

──それで、依存症＝HOLICという言葉がタイトルに使われたんですね。

竹縄　そうです。なので、完全に自己中なアルバムになりました（笑）。

「ふざけんな」って思いをそのまま

──その「依存」について、もう少し聞かせてもらえますか。

竹縄　俺の好きな人に対する嫉妬、束縛、愚痴、その他もろもろの恋愛観をひっくるめると、依存ってことになるみたいです。俺としては、突然病状を言い渡されたみたいな感じで自覚症状はないんですけど（笑）。

──いや、かなり屈折した恋愛観が炸裂していると思いますよ（笑）。「矛盾のおれ様」の「本当は僕のことなんか どうだっていいんだろ 興味があるのはその先で 打算で付き合っているんだろ」なんて、すごいこと言ってるなって。

竹縄　まあね（笑）。全曲聴いて「そんな竹縄さんが好き」って言ってくれる人がいたら、それはすごいことだと思います。でも本当に、「俺はこういう価値観をしています」ってだけで。恋愛観って人それぞれだから。

──昨年リリースされた「サネカズラ」は別れた彼女との実話を歌った曲でしたが、今作も竹縄さんの実体験がもとになっているのでしょうか？

竹縄　はい。全曲が実体験です。自分が食らってきたというか、これまでの恋愛でズタボロになった経験を歌にしてます。男子なら誰しも、女性に対して「ふざけんな」って思うことがあるじゃないですか？ そういう思いをそのまま曲に落とし込んだ作品ですね。

──その「ふざけんな」という思いは1人の女性に対して向けられているのか、それとも曲ごとにモチーフとなっている女性は違うのか、どちらなんでしょう？

竹縄　全部1人の女性に向けて書いてます。その人に対する愚痴を書いたらアルバムが完成してた、みたいな（笑）。