羽とか背負ったらどうしよう？

──さて、ここからはHIP♡ATTACKについていろいろ聞いていきたいと思います。かなり個性的なユニット名ですよね。

大川　グループ名はプロレスラーの越中詩郎さんのヒップ・アタックっていう必殺技からいただいてるんです。実際番組にもゲストでお越しくださったんですよ。

橋本　そうなんです。

大川　最初、越中さんのこともヒップ・アタックのこともあんまり知らなかったんです。で、そのあとにユニット名が発表される番組収録で、升野さんが「キラリ鼻水流れ隊」とかちょっと変な名前を付けようとして。ゆりっぺが泣くときに、涙じゃなくて鼻水を流すからその名前にしようとしたらしくて。

橘　もう危なかったよね（笑）。

大川　いやいや、私とかえぴょんはまず関係ないし（笑）。で、せっかくデビューさせていただけるならちょっと恥ずかしい名前は嫌やなと思ってたら、HIP♡ATTACKに決まって。名前も表記もかわいいし、本当によかったです。

──今回のビジュアルイメージも、大川さんが率先して「こういうのを着たい」とアイデアを出していったそうですね。

大川　はい。「黄金蟲」っていう曲名を聞いたときに、「アイドリング!!!が『黄金蟲』……羽とか背負ったらどうしよう？」と思って。せめてカッコつけたいし、衣装くらいはかわいくしたいですってスタッフさんに直々お願いしたんです。そこで「じゃあ打ち合わせに参加してみる？」と言ってくれはって、初めて企画会議に3人で参加させてもらって。「私、衣装はこういうのがいいです」とそれぞれ希望を言って、1人ひとりの好みを忠実に再現していただきました。

橘　大満足ですね。

橋本　うん、本当に。

大川　PVもすごいキラキラでかわいい感じで、もしかしたら男性から見てカッコいいなと思ってもらえるかもしれないし、女性から見たらオシャレでかわいいと思ってもらえるかもしれないし。

黄金蟲 / HIP♡ATTACK from アイドリング!!! （Short Ver.）

──アイドリング!!!とはまた違いますもんね。

大川　全然ちゃいますね。

──すごく大人っぽい雰囲気が出てますし。

大川　今回4K（縦横がフルハイビジョンの約2倍、全体で約4倍の解像度を持つ映像の新規格）で撮っていただいてるんで、映りも鮮明だし。1人ひとりが映る時間もそりゃ長いしね。楓ちゃんなんかもう、すごい大人なんで。

橋本　いやいや（笑）。でもファンの方にも「大人っぽくなったね」って言ってもらえたので、いつもとは違った感じがちゃんと出せたんじゃないかと思います。

「これ大丈夫なん？ デビュー曲やのに」

──「黄金蟲」という曲名のインパクトもすごいですね。

大川　いやあ、最初聞いたとき……。

橘　「『黄金蟲』って……」と思いました（笑）。

橋本　ビックリしたよね、みんなで（笑）。

大川　ホンマに疑問しかなかったんですよ。まず虫やし。その中でもなんで黄金蟲？ 印象的にはカナブンみたいな、あんまりメジャーじゃない虫みたいな。

橘　3人で「え、どうする？」みたいな。

大川　「これ大丈夫なん？ デビュー曲やのに」って、最初は不安でしかなかったですね。でも実際に曲を聴いてみると、リズムもいい感じに刻まれてるし、普通にカッコいいし、1回聴いたらすぐに口ずさんでまうというか。ちょっと面白みもあるけどかわいく仕上がっていて、今までになかった感じだと思いました。しかも普通のアイドルソングとはちょっと違った印象なので、いろんな人に楽しんでもらえるんじゃないかなって。

──この曲もそうですけど、カップリング曲含めてどれも一緒に歌える、口ずさめるフレーズが散りばめられてますよね。ライブでお客さんと一緒に歌って盛り上がれる曲というか。

大川　いや、ホンマにそうだと思います。

私たちもこの曲に成長させてもらう

──今回はアイドリング!!!と比べて今までと違った楽しさ、大変さもあったかと思うんですが。

大川　そうですね。今回はハンドマイクじゃなくて、初めてヘッドセットマイクを付けて踊りながら歌うんです。普段のアイドリング!!!と比べたらガッツリ踊ってるし、3人キッチリそろえるパートもあるし。ホンマに新鮮さがたくさん詰まった1曲やと思いますね。

──お客さんから3人だけずっと見られっぱなしですから、意識も変わるかもしれないし。

橋本　そこはすごい変わりました。

橘　緊張しますよね。もとからダンスはそんなに得意じゃないんで、初披露のときはお客さんの目を見れないぐらい焦ってました。

──歌はどうですか？ それぞれ歌うパートがかなり増えたわけですが。

大川　大勢で歌ってるときは自分の声があまり聞こえへんから、ちゃんと歌えてんのかなと不安なんですけど、やっぱり3人だと自分の声もよく聞こえるし。もともとそんなうまくないんで、逆にこの曲で自信をもらえるというか、歌いながら自信を付けていこうと思いました。

橋本　私もアイドリング!!!で自分のソロがない曲と比べたら緊張しますね。でも練習期間も長かったし、3人でいるときも自主的に練習してたので、そこまで「どうしよう？」みたいな感じではなくて、ちょっと落ち着きつつも適度な緊張感を持ってやれてるかな。この夏は披露する機会が多いので、歌うたびにどんどんよくなっていければいいなって思います。

──そこでどんどん磨かれていくと。

大川　はい……そう……ですね。

橘　そこは自信持って答えよう（笑）。

──さっき皆さん、自分たちのことを「この3人は自信に満ちあふれてる人たちじゃない」と言ってましたが、もしかしたらHIP♡ATTACKって皆さんに自信を付けさせるために結成されたのかもしれないですね。

大川　ああ！ そうかもしれないですね。人に埋もれてるときは「まあ大丈夫かな」みたいな感じですけど、フィーチャーされることって相当プレッシャーがある反面、人から見られることが増えるぶん意識は高くなっていくと思うんです。

橋本　そうですね。この曲をきっかけに変わりたいです。

大川　うん。私たちもこの曲に成長させてもらうって感じですかね。