音楽ナタリー PowerPush - 映画「日々ロック」
スクリーンからはみ出すロック愛 劇中バンド直撃インタビュー
参加全アーティストアンケート“「日々ロック」のここを聴け!”
数多くのアーティストが参加し、サウンドトラックや挿入歌も大きな魅力となっている映画「日々ロック」。ここでは、音楽プロデューサーを務めたいしわたり淳治をはじめ映画を音楽で彩ったアーティストたち全員にアンケートを実施した。
黒猫チェルシー【「日々ロック」劇伴担当】
Q1. 「日々ロック」の感想を教えてください。
観ている人とエネルギーをぶつけ合う、さながらライブのような作品だと思いました。
Q2. どういう音楽を制作しようと思いましたか?
多くを語らない日々沼から溢れ出す感情を音楽にしました。
Q3. 黒猫チェルシーにとって初めての映画音楽制作とのことですが、完成していかがですか?
普段の制作と違って映像や言葉がある上で曲を作っていく作業に最初は戸惑いましたが、良いものが出来たと思っています。レコーディングではセッションをするかのように映像を流しながら演奏しました。刺激的な制作でした。
Q4. これから映画を観ようとしている人へ、特に注目すべきポイントを教えてください。
僕らの作った音楽はどちらかといえば演出に近い所があるので、映像に集中していると気が付かないかもしれません。気にせず映画を楽しんでください。というか、気にしている余裕なんて無いです、日々ロック。
滝善充(9mm Parabellum Bullet)
【ザ・ロックンロールブラザーズ「スーパースター」提供】
Q1. 「日々ロック」の感想を教えてください。
ハイスピードかつハイテンションで、どんどん引き込まれます。原作のゴツゴツした男臭さもあいまって独特な空気になってて面白いです。
Q2. 今回はどういう楽曲を制作しようと思いましたか? また、いしわたりさんや入江監督から具体的なオーダーはありましたか?
今回は、普段自分がやってる音楽とはいろんな部分が真逆な空気感で作ったので、とてもフレッシュさがあって楽しかったです。いしわたりさんに何度も相談しながら、3回くらい作り直しました。最後に監督の要望でテンポ感を調整したり、しっかり作ることができたと思います。
Q3. 楽曲に込めたこだわりがあれば教えてください。
とにかくシンプルで簡単であること、往年の海外ロックンロールの空気感と日本のメロディの組み合わせ方、押入れの中から這い出してきたときの希望、前向きさが表現できると良いなと思っていました。
Q4. これから映画を観ようとしている人へ、特に注目すべきポイントを教えてください。
ライブシーンの狂ったテンションは皆さんの楽曲ともあいまってとても凄いです。まさにロックンロール!
DECO*27
【宇田川咲「SUNRISE」「ラブリーサマータイム」提供】
Q1. 「日々ロック」の感想を教えてください。
熱い思いを貫くことの大事さを感じました。傍から見ればバカに見えることでも、本人にとってはそれが世界のすべて。歳を重ねるごとにそんな自分を客観的に見ていたなと気付かされました。
Q2. 上の答えを踏まえて、今回どういう楽曲を制作しようと思いましたか? また、いしわたりさんや入江監督から具体的なオーダーはありましたか?
原作とは咲の設定が違うのですが、映画の中で咲が抱える葛藤を歌詞と曲に盛り込みました。映画を観ている時と観終わったあとで曲の感じ方が大きく変わってくるかと思います。歌声に関しては「人間味をなくしてほしい」とのオーダーがあったので、編曲のTeddyLoid君と相談しつつ今の形に仕上げました。
Q3. 楽曲に込めたこだわりを教えてください。
上の内容と重複してしまいますが、歌詞には特に拘りました。脚本を何度も何度も読んで咲の気持ちを汲み取ることになによりも時間をかけました。メロディーに乗せた時の耳当たりの良さにも力を入れたのでぜひそこも注目して欲しいです。
Q4. これから映画を観ようとしている人へ、特に注目すべきポイントを教えてください。
宇田川咲ちゃんのLIVEシーンです! シビれる演出とダンスが相まってとても素晴らしいです。
爆弾ジョニー
【主題歌「終わりなき午後の冒険者」担当、劇中歌提供】
Q1. 「日々ロック」の感想を教えてください。
映画のBPM200は超えてました。
リミッター外れてます。
Q2. 上の質問を踏まえて、どういう思いで劇中歌を制作しようとしましたか?
人の心を忘れろと言われたので、野猿の気持ちで演奏しました。
Q3. 映画の主題歌「終わりなき午後の冒険者」はどういった楽曲を目指して作りましたか?
JUSTICEなロックンロールを目指しました。
Q4. これから映画を観ようとしている人へ、特に注目すべきポイントを教えてください。
キーワードは「干物」(^_^)V
- 映画「日々ロック」11月22日(土)より全国ロードショー
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「彼女と出会ってから僕の世界は変わった!!」
金なし風呂なし彼女なし。ヘタレロッカー・日々沼拓郎が友人とともに結成したバンド“ザ・ロックンロールブラザーズ”。ある晩、ライブをしていた拓郎達の前に1人の女が台風のごとく現れた! 女の名前は、宇田川咲(二階堂ふみ)。斬新なスタイルでカリスマ的な人気を誇るデジタル系トップアイドルだ。売れないがロックを愛する心は誰にも負けない“自由”な拓郎と、トップアイドルとして活躍しながらも本当は自分のやりたい音楽が出来ずに苦しんでいる咲。二人はお互いに自分にないものを持っていた。そしてある日、咲は拓郎にこう頼む。「お願い、曲書いて。私にはもう時間がないの。」
果たして史上最強のロックバカと超凶暴なトップアイドルの運命は……!?
監督:入江悠
原作:榎屋克優「日々ロック」(集英社「週刊ヤングジャンプ」連載中。コミックス1~5巻、「日々ロック BOOTLEG」発売中)
脚本:入江悠 / 吹原幸太(劇団ポップンマッシュルームチキン野郎・主宰)
音楽プロデューサー:いしわたり淳治
キャスト:野村周平 / 二階堂ふみ / 前野朋哉 / 落合モトキ / 岡本啓佑 / 古館佑太朗 / 喜多陽子 / 毬谷友子 / 蛭子能収 / 竹中直人 / and more
劇中曲提供:黒猫チェルシー / The SALOVERS / 滝善充(9mm Parabellum Bullet) / DECO*27 / 爆弾ジョニー / 細身のシャイボーイ / ミサルカ / 忘れらんねえよ
制作・配給:松竹
- 映画「日々ロック」主題歌 爆弾ジョニー ニューシングル「終わりなき午後の冒険者」 / 2014年10月22日発売 / Ki/oon Music
- 初回限定盤 [CD+DVD] 1620円 / KSCL-2486~7
- 通常盤 [CD] 1258円 / KSCL-2488
(c)2014「日々ロック」製作委員会
(c)榎屋克優 / 集英社
2014年11月10日更新
いしわたり淳治【「日々ロック」音楽プロデューサー】
Q1. 「日々ロック」の感想を教えてください。
最高でした。現実には世の中こんなバンドマンばかりじゃないですけど、こんなバンドマンも本当にいたりするから、まったくロックの世界って馬鹿馬鹿しくて美しくて最高だなと改めて思いました。
Q2. 「日々ロック」の映画音楽をどういうものにしようと考えましたか?
とにかく曲として、いい曲であること。それをテーマに作りました。いい曲の定義は人それぞれに色々あると思いますが、今回この映画においての良い曲は、分かりやすい曲であること、キャッチーであること、だったのかなと思います。各シーンの中で音楽がちゃんと機能するには、曲に分かりにくさがあってはいけないと思ったので。
Q3. 入江監督から何か具体的なオーダーはありましたか?
原作に歌詞が出ている曲が多かったので、既に読者の心の中には何となくイメージが出来上がっているだろうし、それを壊さないよう、かつじゃあ実際どんな曲をつけるべきだろうかという話を何度もしました。
また、この映画はザ・ロックンロール・ブラザーズというバンドの成長物語でもあるので、曲のクオリティにグラデーションをつけて、後半に向けて徐々にバンドの曲がスキルアップしていくようにも気を配りました。
その他の楽曲に関しては、ザ・ロックンロールブラザーズの音楽性との対比を明確にするために、原作とは音楽性を変えて宇田川咲はアイドル的なEDMに、犬レイプはアングラフォークに、ランゴリアーズはヴィジュアル系に、変更しました。
Q4. これから映画を観ようとしている人へ、特に注目すべきポイントを教えてください。
東京名菓ひよこ。意外とこれが涙腺の鍵を握っている気がします。