春ねむり「春と修羅」 PR

春ねむり|孤独であることを受け入れる覚悟と、怒り続けることへの決意

傷付くことを恐れなくてもいいくらいタフになってしまったから、もう救ってあげなくていい

──「ナインティーン」は一人称が“わたし”ですけど、この言葉を使うのは初めてですよね。

そうなんです。初めて気付いてもらえました!(笑) これまでは私の中の“ぼく”についての歌が多くて、その“ぼく”を救ってあげることをずっと考えて歌ってきたんですけど、いろいろあって私は永遠に救われてしまったって言うか、傷付くことを恐れなくてもいいくらいタフになってしまったんだなって思ったんです。だったらもう救ってあげなくていいなって。私は君と同じ人間で、私が今日ここで歌を歌うのと、君が1日働くのは同じことだって、わかってほしいんです。“わたし”の歌を書くことによって、そういうふうに少しでも感じてもらえたらいいなって思ってます。

  • 春ねむり
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──“わたし”が素だとしたら、“ぼく”はそこからはちょっと距離がある?

やっぱりステージに上がるだけでちょっと意識が飛んじゃうので、それを素のままの自分とは言えないなと思うんですよね。演じてるわけじゃないですけど、心ひとかけら分くらい違う人なのかなって。もちろんそれも含めて自分なんですけど、その微妙な違いを“ぼく”と“わたし”で使い分けてる感じはあります。

春ねむり

自分が何者かわからないから、とりあえず“ヒップホップ”って言ってただけ

──トラックはこれまでになくロックしていますよね。1枚目から順を追って聴き直してみると、だんだんと春ねむりというアーティストのイメージが固まってきた感じがします。

「さよなら、ユースフォビア」はライブで歌ったことがない状態で録ったので、自分が何者なのかよくわかってなかったなってすごく思います。こないだ聴き返して、かわい子ぶってるなって思いました(笑)。恥ずかしくてそれ以来聴いてないんですけど、作品としてはすごくいいし、今もライブで歌う曲ばっかりで、これはこれでありだなって思います。その頃と比べると、自分のトラックを作る力量もアップしているし、今回は初めてスタジオでエンジニアさんがいる状態で録っているので、だんだんと人間に近付いていってるのかなと。

──あと、これまでで一番叫んでいるな、とも思いました。

レコーディングのとき、コントロールルームが見えるじゃないですか。あれが気になっちゃうので、カーテンを閉じて見えないようにして、ヤバい顔して歌ってます(笑)。ライブでは観てくれるみんなにマジになってほしいと思いながら歌ってるからいいんですけど、エンジニアさんは「マイクにノイズが入ってないかな」とか、すごく神経質に聴いてるわけじゃないですか。でもこっちはめっちゃマジになってるから恥ずかしくて(笑)。違うベクトルで真剣みたいな。

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──ねむりさんの曲は、サビでも絶対に歌にならないのが特徴的ですね。

そうなんですよ……! そこは私がこだわってるところで、私はメロディのある曲も書けるんです。ただ自分にはボーカリストとしてメロディを表現できないから。

──東京女子流に提供した「ラストロマンス」は普通に歌モノですもんね。

あれは仮歌を自分で歌ったんですけど、信じられないぐらいヤバかったです(笑)。やっぱ歌は無理だなと思いました。表現者として適切でないことはやるべきでないと思うので、人前では絶対やらないことに決めてるんです。その分できることを徹底的に突き詰めて、メロディのないサビでもちゃんとキャッチーにできるっていうことをひたすら証明したい。「イエー」とか「エイヨウ」みたいなかけ声や合いの手も入れず、ひたすら言葉だけで隙間を埋めるやり方って、意外とやってる人いないんですよ。私が知らないだけでほかにもやってる人がいるのか、自然に作りすぎててみんな聴き流しちゃってるのかわからないけど、そこをあんまり褒められたことがないので(笑)、もっと褒めてほしい!

──デビュー当時のキャッチコピー「ジャンルはたぶんヒップホップで、こころはロックンロール。」を思い出すと、「こころ」のほうに比重がかかってきているなと。

自分が何者かわからないから、とりあえず既成のジャンルで“ヒップホップ”って言ってただけだったんだなって最近は思います。一応ポエトリーラップと呼ばれるジャンルの中にいるので、できる範囲でヒップホップの文化に還元することは大事だと思うんですけど、ルーツはロックだし、やり方もロックンロールなので、根本的にはヒップホップではないなと思います。ラップももちろん聴きますし、たまにヒップホップのイベントに出ることもありますけど、傍目には「全然韻を踏まない女がダボッとした服を着たやつと一緒に出てきたな」くらいに見えてるんだろうなって思います(笑)。

春ねむり「春と修羅」
2018年4月11日発売 / パーフェクトミュージック
春ねむり「春と修羅」初回限定盤

初回限定盤 [CD+DVD]
3240円 / PMFL-9001

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春ねむり「春と修羅」通常盤

通常盤 [CD]
2700円 / PMFL-0008

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CD収録曲
  1. MAKE MORE NOISE OF YOU
  2. 鳴らして
  3. アンダーグラウンド
  4. 春と修羅
  5. zzz
  6. ロストプラネット
  7. せかいをとりかえしておくれ
  8. 夜を泳いでた
  9. zzz
  1. ナインティーン
  2. ゆめをみよう
  3. zzz
  4. ロックンロールは死なない with 突然少年
  5. zzz
  6. 夜を泳いでた(Nemu remix)
  7. アンダーグラウンド feat. NERO IMAI(shnkuti remix)
  8. 鳴らして(長谷川白紙 remix)
初回限定盤DVD収録内容

2017.10.26 春ねむりワンマンライブ「ぼくを最終兵器にしたのはきみさ」@武蔵野公会堂ホール

  • Intro
  • 怪物
  • 東京
  • ぼくは最終兵器
  • ロストプラネット
  • アンダーグラウンド
  • ロックンロールは死なない
  • 「ロックンロールは死なない with 突然少年」レコーディングドキュメンタリー映像(ボーナストラック)
春ねむり(ハルネムリ)
春ねむり
神奈川・横浜出身、1995年生まれのポエトリーラッパー。17歳の頃に結成したバンドでシンセサイザーを担当し、21歳で春ねむりとしての活動を始める。その数カ月後にオールナイト野外ロックイベント「BAYCAMP2016」にオープニングアクトとして出演。2016年10月に1stミニアルバム「さよなら、ユースフォビア」を発表した。2017年6月には2枚目のミニアルバム「アトム・ハート・マザー」、9月には後藤まりことの共作シングル「はろー@にゅーわーるど / とりこぼされた街から愛をこめて」をリリース。2017年10月には東京・武蔵野公会堂で初のホールワンマンライブ「ぼくを最終兵器にしたのはきみさ」を成功させた。2018年4月に初のフルアルバム「春と修羅」をリリースする。