ナタリー PowerPush - ハルカトミユキ

鋭く時代を切り開く23歳ユニットの素顔

ボーカル&ギターのハルカと、キーボード&コーラスのミユキからなる新星オルタナフォークデュオ、ハルカトミユキ。インディーズシーンのライブサーキットでその鋭角的な音と言葉が話題となっている彼女たちが、昨年11月のデビューミニアルバムに続く2ndミニアルバム「真夜中の言葉は青い毒になり、鈍る世界にヒヤリと刺さる。」をリリースする。

空気を読みすぎて何も言えなくなってしまった世代の彼女たちが、反旗を翻すかのように振り回す鋭いメロディと歌詞。23歳の2人が伝えようとしていることとは果たしてなんなのか、話を聞いた。

取材・文 / 小野田雄 インタビュー撮影 / 上山陽介

互いの“とがった感覚”に気づいて意気投合

ハルカ(写真左)、ミユキ(写真右)

──お2人は大学の音楽サークルで出会って、意気投合したんだとか?

ミユキ(Key, Cho) はい。いろんな人がいろんな音楽をやってるサークルがあって。私から見たハルカにはハルカトミユキの音楽から感じられるとがったものが大学時代から表に表れていて。それに対して私の場合、表面上はとがったものは見えないかもしれないけど、ハルカはそういうものが私の内側にあることに気づいてくれたんですね。

ハルカ(Vo, G) そうですね。周りも本人も自覚していないところで、ミユキには見た目にはわからない激しさがあったり、ふわっとした印象なんだけど実はとがった部分や変なところがあって。それが音を通じて見えてくるところが私にとっては面白いんですね。

──そのとがった感覚というのが2人の共通点だったわけですね。

ハルカ でも、音楽的には基本的に好みがあまり合わないんですよね(笑)。私はOASISとかARCTIC MONKEYSといったUKロックだったり、RADIOHEADのようなポストロック、あとは言葉の部分で惹かれる日本の男臭いロック、THE BACK HORNとかエレファントカシマシなんかを聴いてきたんです。

ミユキ 私はNIRVANAからロックを聴き始めましたね。カート・コバーンの歌声とか目にした映像から輝かしい何かを感じたんです。でも、大学時代は歪んだギターが好きだったのでメロコア、それとは別で電子音も好きだったので、テクノっぽい打ち込みものとか、そういう要素が含まれているFOALSとかPASSION PIT、それ以外ではSIGUR ROSのようなバンドを聴いてましたね。

ハルカ 微妙に被ってる部分もありつつ、2人ともそれぞれ違う音楽を聴いてきて。ただ、最初に会ったとき「どんな音楽が好きなの?」って聞いたら、私も好きだったNIRVANAのカート・コバーンの名前が挙がったんです。だから好きな音楽があれこれ一致するというよりは、その1つで「この子と合うかもしれない」っていう予感があったんです。

──NIRVANAを初めて聴いたときは、すでにカート・コバーンが亡くなってだいぶ経ってからだと思うんですけど、お2人にとってカート・コバーンはどんな存在ですか?

ミユキ 私は音楽から入ったんじゃくて、写真集兼伝記本の表紙を見た瞬間「何このカッコいい人! あ、音楽やってる人なんだ」って思って(笑)。そこからドキュメンタリー映画のDVDとCDを買いました。

ハルカ 中学生の頃って何かに憧れたりすると思うんですけど、カート・コバーンもそうだし、SEX PISTOLSのシド・ヴィシャスもそうなんですけど、2人とも伝説的な存在として憧れていましたね。その頃、周りでカート・コバーンのことを知ってるのはほんの一部だったし、知ってることそれ自体がカッコいい、みたいな。

初ワンマンライブ「ドライ・バニラアイス」

2013年3月28日(木)東京都 WWW
完全招待制

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ハルカトミユキ

立教大学の音楽サークルで知り合った1989年生まれのハルカ(Vo, G)とミユキ(Key, Cho)によるユニット。ライブを中心とした活動を展開し、2012年11月に初の全国流通音源となるミニアルバム「虚言者が夜明けを告げる。僕達が、いつまでも黙っていると思うな。」をリリース。静謐さと激しさをあわせ持つサウンド、刺激的な歌詞で大きな注目を集め、iTunes Storeが選ぶ2013年期待の新人アーティスト「ニューアーティスト2013」にも選ばれる。2013年3月、2ndミニアルバム「真夜中の言葉は青い毒になり、鈍る世界にヒヤリと刺さる。」をリリースする。