雅哉が見せるタイムスリップ
──ちなみに、振りはすでに付いているんですか?
吉澤 入ってます!
長野 今回のダンスは雅哉がフィーチャーされているんです。1番では古典舞踊のような形式的な動きを取り入れて、2番では普段の僕らのような感じでガッツリ踊って……と、ダンスでも過去と現在を行き来するような感じなんですけど、そういった世界観の中を雅哉がタイムスリップしている感じで。僕ら6人は、世界観を作り上げる役というイメージなんです。
大倉 “昔パート”の動きは落ち着いていて、“現代パート”は筋トレくらい激しいんです。その差をしっかりつけることによって、雅哉の立っている場所の世界観がみんなの目にもちゃんと映ると思うので、そこは僕ら6人が表現しなきゃいけないポイントかなって思います。
──雅哉さんはメインのポジションに抜擢されてどう感じましたか?
桜木 やりきるしかないな、と。これまでに日本舞踊のような踊り方を経験したこともなかったので、練習の積み重ねと想像力で、しっかり表現できるようにしたいです。今と昔の行き来が、しっかりと見えるようにしたいなと。
長野 あと今回は、細かい手の動きや角度までピタッとそろえていて。“以呂波ポーズ”という手の象徴的な動きを作るんですけど、そのポーズはみんなでしっかり合わせていますね。
杢代 “以呂波ポーズ”、パッと見でわかるからきっとインパクトあるよね。
長野 そうだね。
──特にここに注目してほしい!といったポイントはありますか?
杢代 そこは雅哉さんに!
桜木 観てくれたらきっとわかると思うんですけど、イントロで僕が鳥居をくぐるような動きがあって。その鳥居をくぐる動きで、過去へのタイムスリップを表現しているんです。ダンスに物語があるので、皆さんに読み取ってほしいです。
小泉 ミュージカルみたいだよね。
僕らは常に新しい挑戦を続けていく
──先程の皆さんの言葉にもありましたけど、げんじぶは新曲を発表するごとに、歌やダンスがどんどん難しくなっていますよね。
小泉 歌詞も深いですよね。僕は理解力が追いつかないから大変……(笑)。でも、その分何回も聴きたくなるような曲なんです、どれも。
──メンバーの皆さんに求められている表現のレベルが上がっているのがわかります。
武藤 がんばらないといけないっす!
小泉 自分のダメな部分って、自分が一番よくわかるじゃないですか。完成された音源を聴くと、僕は反省点をすごく見つけてしまって……新曲が出るたび、「次はここをこうしよう」という気持ちになるから、今回も気づいたことは次に生かそうと思います。
杢代 ライブだったりでね。
──改めて、「以呂波」という曲が完成しての思いを聞かせてもらえますか?
大倉 7月7日は僕たちにとってはめちゃめちゃ大事な……人生がガラッと変わったきっかけの日なので。この日にリリースする「以呂波」には、グループにとって1つの節目という意味だったり、この難しい曲にチャレンジするという意味だったり、いろんな意味が込められていると思います。だからこそ大切にしていきたいし、こんなにすごい曲が完成したからこそ、めちゃめちゃ力入れて、7人で1つの作品を表現していきたいと思います。
長野 今回の曲も、僕らにとっては新しい挑戦ばかりでした。フィーチャリングも初めてだし、インストバンドさんに楽曲提供をお願いするボーイズグループは僕らくらいなんじゃないかとも自負しています。だから、結成記念日にリリースされるこの曲を通して、3周年も4周年も、僕らは常に新しい挑戦を続けていくぞという宣言ができればいいなと思っています。
2人とも、結局思いは一緒だった
──新曲のリリース日はBATTLE STREETとしてグループが始動した結成記念日ということで(その後「原因は自分にある。」に改名)、グループの2年間についても伺えればと思います。
小泉 このペースだといつの間にかおじいちゃんになってそう(笑)。いろんな出来事がありましたけど、時が流れるのは速いです。
大倉 コロナ禍の自粛期間中に、各々がグループについて考えていたんです。その思いを7人でぶつけ合うタイミングがあって、その結果、こうして取材を受けている今があるので……結果的にはいい時間だったのかなって。
──具体的にはどんなことを考えていたんですか?
大倉 ファンの方と会える場所がなくなってしまうという状況で、僕らはどんなことをすればいいのかをすごく考えました。距離が離れると気持ちも離れてしまうと思ったから、ライブができるようになったときにまたみんなが会場に来てくれるためには、今何をしたらいいんだろう?って。
小泉 ステイホーム期間中は新曲の振り入れもリモートでやっていたんですけど、すごく大変だったんです。
大倉 そうなんだよね。
小泉 スキルを向上させるには、なかなか厳しい状況もあったりして。だけどコロナの状況はすぐには改善しなくて、「ホントにこれからどうしようか?」と、メンバー間の話し合いまでいったんです。
──話し合いの場では、どんなことを相談しあったんですか?
小泉 まずは目標を1点に合わせようっていう感じだったよね。
大倉 そうだね。当時はみんな、どこに向かって進んだらいいのかわからない感じになっていたんです。何十年後の未来を見ている人もいれば、今を見ている人もいたので、そこをそろえたいねって。
杢代 その中で、僕と凌大の意見がぶつかってしまって……。
大倉 熱くなって、言葉足らずになってしまったんだよね。もちろん平和主義組もいましたよ(笑)。
杢代 今となっては笑い話だけどね。
大倉 2人とも、結局思いは一緒だったんですよ。心の中心にはげんじぶがあって、夢も一緒なんだけど、そこに向かうためにどうすればいいかっていう考えが少し違ってた感じ。それに加えて、熱くなってるからうまく思いを伝え合えなくて(笑)。
長野 言って、言われて、言い返して……みたいな感じになっちゃいました。
杢代 あとから聞いた話なんだけど、潤くんはガチでヤバいと思ってたらしいよ(笑)。
武藤 「これはまずいぞ」と思ってパニックになりすぎて、光咲の誕生日プレゼントの話に話題を変えようとしました。
一同 あはははは!
長野 絶対に話題のチョイスミスでしょ!
大倉 で、雅哉と要人は、今と同じような状態(笑)。
杢代 あのとき、ホントはどう思ってた?
吉澤 正直、口を開かないほうが安全だなと思ってました。
一同 あはははは!
桜木 何か言っても「静かにして」って言われそうだし……。
吉澤 「僕たちが発言するのは今じゃない」ってね(笑)。
杢代 でも今思うと、正直僕が悪かったなって思います。当時って、自分の中ですべてがいっぱいいっぱいになっちゃっていたタイミングで……。
長野 そうだね。
大倉 和人的にはでかい壁があったよね、そのときね。
杢代 うん。だから、心の内をさらけ出せる人たちが周りにいてよかったって僕は思いました。メンバーにしか見せられないような姿だったと思うから。あのときはごめんね。
長野 いや、僕も悪かったから。僕も当時、めっちゃ悩んでいたんです。でも話せてよかった。
杢代 自粛期間や話し合いを経て一番強く思ったのは、今は今しかないんだなって。そのときしかできないことって絶対にあるから。この間、やっとファンのみんなの前でワンマンライブをすることができたけど、そのときも「また状況が変わったら、ライブができなくなってしまう」と思って……だから、1つひとつの活動にかける力がより大きくなりましたし、今僕ができることに全力を尽くそうと思って、自分たちの活動に向き合っています。さっき空人も言っていたけど、自粛期間がなかったら今の僕らはないと言えるくらい、いい時間でもあったと思います。
大倉 それぞれがたくさん考えても行動に移せないもどかしさがあったからこそ、やっと有観客ライブができて、皆さんの顔を見たときの感動は大きかったし……「もっとでかい場所でライブがしたい」という思いも強くなったよね。だから、今回の「以呂波」をきっかけにもっともっと飛躍したいって、めちゃくちゃ思うんです。
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僕らの空気を変えた言葉