GARNiDELiA|自分を貫け! 「魔法科」主題歌で高らかに歌う反骨精神と美学

3年間温めていた曲を満を持してリリース

──と、ついGARNiDELiAのワーカホリックぶりに話が逸れてしまいましたが、表題曲「SPEED STAR」は、アニメ映画「劇場版 魔法科高校の劣等生 星を呼ぶ少女」の主題歌ですね。お二人はデビューイヤーの2014年にテレビアニメ「魔法科高校の劣等生」の第2期オープニングテーマ「grilletto」を手がけられていますから、3年ぶりの「魔法科」とのコラボになります。

メイリア はい。でも、この曲の原型は、実は3年前にできてたんです。

──えっ、そうなんですか? てっきり映画のために書き下ろしたのだと思っていました。

toku 「grilletto」とほぼ同時期というか、むしろ「SPEED STAR」のほうが若干早かったかも。当時から漠然と「SFチックなバトルもの」みたいなイメージのアニメとコラボしたいなって思いがあって、そのとき作ったものの中でも特に思い入れの強かった1曲ではあります。

メイリア 自分たちもすごく気に入っていた曲だったので、いつか世に出したいと思って温めていたら、いつの間にか3年経っちゃったっていう。ただ、そのとき作ったデモはワンコーラスしかなかったので、そこから「grilletto」の進化版になるような方向にブラッシュアップして。

──おっしゃる通り、曲想は「grilletto」と相通じるものがありますね。簡単に言えばスピード感のあるギターロックということになりますが、「SPEED STAR」はよりヘビーになっていますね。

toku そうですね、ここ何年かの紆余曲折もあって(笑)。ハイレゾ環境での録音とかも経験して、当時よりも上下に広がる音像を意識するようになったかなと。あと、やっぱりこういうマイナーでアップテンポな曲はいろいろやってきているので、それらとの差別化もはからなきゃいけないなと思ったりして。

──そこで悩まれたりは?

toku いや、今回は劇場版の主題歌ということで、90秒のテレビサイズにとらわれなくてよかったり、Dメロとか全体の装飾とか、わりと自由に作り込めた気がしますね。あるいは、例えば「grilletto」のコード進行を移植してみたりしてるので、ちょっと違った楽しみ方もできるかも。

──そうおっしゃるtokuさんご自身がだいぶ楽しんでますよね?

toku はい、僕が一番楽しんでると思いますよ(笑)。

──「SPEED STAR」はギターとキーボードというコード楽器の2本柱があって、そこにストリングを噛ませているわけですが、その狭間でブレイクビーツやアコギ、流星を思わせるシンセのSEとか、いろんな音が鳴ってるなって。

toku そういうギミックをどうしようかっていうのをひたすら考えてて。すでに大枠はできていたので、「メイリアの歌が乗ったらこうなるなー」って思いながら、普通は入れないような音をどんどん入れていきましたね。

これは歌えたらカッコいいぞ

──そのメイリアさんのボーカルですが、だいぶテクニカルですよね?

メイリア

メイリア これ、Bメロからサビにかけての転調がすごくてですね、「うお!」ってなりました。サビなのに、その入りで一瞬落とすんですよね。なので、Bメロの「狙い定めたら 始まる」のほうが盛り上がって聞こえないように、「こっからがサビだぞ」感を出すのがちょっと難しかったかなって思います。

──tokuさんに対して、「こんなけったいなメロディ書きやがって」みたいになったりは?

メイリア 「よくこんな難しい曲を書かれますねえ」くらいですね。tokuさんも「ここ、よく入れるね」って言うんですけど、「いやいや、あなたが作ったんですから」みたいな。すごい他人事なんですけどね。自分は歌わないからねー(笑)。

toku いや、これは歌えたらカッコいいぞと思って。

メイリア うん、カッコいいと思います。ありがとうございます(笑)。

3年経って強くなった私たちが言う「自分を貫け!」

──「grilletto」リリース時のインタビューで、tokuさんはこの曲について「やりたいことをやる。貫き通す勇気って必要なんです」とおっしゃっていました(参照:GARNiDELiA「grilletto」インタビュー)。「SPEED STAR」も、ニュース用にいただいたメイリアさんのコメントに「誰に何を言われても自分の信念を貫くっ!という強い気持ちを込めた歌です」とあったように、歌詞のテーマも通底していますね(参照:GARNiDELiA、劇場版「魔法科」に自分の信念を貫く新曲提供)。

メイリア もともと「魔法科」自体が、理不尽な状況に置かれた主人公がそれを乗り越えて戦っていく物語なので、そこに自分たちを重ね合わせると、おのずとそういうテーマになっていくなと。

──GARNiDELiAも引き続き理不尽なあれやこれやと戦っているぞと。

メイリア まさにそうですね(笑)。「『素直に生きたい』 それも理不尽なの?」とか、けっこう本音を言っちゃってますから。でも、そんな中でも「僕は僕を生きる」と。だから「grilletto」より反骨精神みたいなものが色濃く出てるかもしれないですね。「おりゃあ!」って。

──メジャーデビューから3年経って、丸くなるのではなく。

メイリア ちょっと強くなった私たちだから言える「自分を貫け!」みたいな。例えば音楽面だけじゃなくて、ビジュアル面に関してもいろんな意見をいただくんですけど、それでも私たちはこういうのが好きだし、それを発信していくことでみんなに「好きにやっていいんだな」って思ってもらえたらうれしいし、誰かの背中を押すこともできるんじゃないかって。私自身、そうやって自分を貫いてきたからこそ出会えた人もたくさんいるし、だからみんなも迷ったら自分に正直になってほしいですね。

toku いろいろ経験してきた自分たちが、また改めて言えるのは「やっぱりこれでした」っていうことになったのかなと。

GARNiDELiA「SPEED STAR」
2017年6月14日発売 / SACRA MUSIC
GARNiDELiA「SPEED STAR」初回限定盤

初回限定盤 [CD+DVD]
1620円 / VVCL-1035~6

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GARNiDELiA「SPEED STAR」通常盤

通常盤 [CD]
1296円 / VVCL-1037

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GARNiDELiA「SPEED STAR」期間生産限定盤

期間生産限定盤 [CD+DVD]
1620円 / VVCL-1038~9

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©2016 佐島勤 / KADOKAWA アスキー・メディアワークス刊 / 劇場版魔法科高校製作委員会
CD収録曲
  1. SPEED STAR
  2. Diamond
  3. Angel's ladder
  4. SPEED STAR instrumental
初回限定盤DVD収録内容
  1. SPEED STAR
  2. 紫苑(stellacage vol.V@StellarBall)
  3. NEON NIGHT(stellacage vol.V@StellarBall)
  4. 極楽浄土(stellacage vol.V@StellarBall)
期間生産限定盤DVD収録内容
  • 「SPEED STAR」Music Video
GARNiDELiA stellacage Asia Tour 2017
  • 2017年10月1日(日)東京都 Zepp Tokyo
  • 2017年10月14日(土)台湾 台北 花漾Hana展演空間

and more

GARNiDELiA(ガルニデリア)
モデルとしても活躍するメイリア(Vo)と、アンジェラ・アキ、LiSAらのアレンジャー、ボカロP「とく」などの横顔を持つtoku(Key, Compose)からなるユニット。2010年に別名でオリジナル曲「ARiA」を動画共有サイトに投稿し、同年アニメ「フリージング」オープニングテーマ「COLOR」を発表したのと前後して、ユニット結成を宣言する。2014年3月、アニメ「キルラキル」の後期オープニングテーマ「ambiguous」でメジャーデビューする。その後も数多くのアニメソングのテーマ曲を手がけ、2015年1月にメジャー1stアルバム「Linkage Ring」を、8月にはインディーズ時代の楽曲を集めたベストアルバム「BiRTHiA」を発表した。2016年8月に表題曲がアニメ「クオリディア・コード」のエンディングテーマに採用されたシングル「約束 -Promise code-」、12月に2ndフルアルバム「Violet Cry」をリリース。2017年6月に映画「劇場版 魔法科高校の劣等生 星を呼ぶ少女」の主題歌「SPEED STAR」をシングルとして発表する。海外での活動も活発で、2017年5月には中国・上海で単独公演を行った。秋には「GARNiDELiA stellacage Asia Tour 2017」と題し、10月1日の東京・Zepp Tokyo公演を皮切りにアジアツアーを行う。