音楽ナタリー PowerPush - GARNiDELiA
現状最強の楽曲と制作環境、2人の矜持 すべてを詰め込むメジャー1stアルバム
2014年3月のメジャーデビュー以来「キルラキル」「魔法科高校の劣等生」「ガンダム Gのレコンギスタ」とビッグタイトルのテーマソングを立て続けに連発し、アニメソングシーン最注目のニューカマーの座を見事射止めてみせたGARNiDELiA。そんな彼らの1stアルバム「Linkage Ring」がこのたび到着した。
昨年の怒濤の勢いそのままに制作された「Linkage Ring」は、「ambiguous」「grilletto」「BLAZING」というシングル曲のほか、7曲の新曲を含む13曲構成。しかもその7曲は、使い古された常とう句的な意味ではなく、文字通りバラエティ豊かな色彩をたたえている。「去年はスケジュールがギュッと詰まりすぎていた」と苦笑するメイリア(Vo)とtoku(Key, Compose)がそれでも意欲作を作りたかったそのワケとは? そしてその意欲作に込めた思いとは? 2人に聞いた。
取材・文 / 成松哲
1stアルバムできるかな?
──デビューイヤーだった2014年ってどんな1年でした?
メイリア(Vo) ものすごいスピード感がありましたね。とにかく曲を生み出し続ける毎日みたいな(笑)。シングル3枚とアルバムを1枚作ってるのに、まだデビューから1年も経ってないわけですから。
toku(Key, Compose) ただ「ちょっと速すぎたかなあ」という気もしていて。ほかのアーティストさんの場合「1月21日にアルバム出そうね」っていう話を半年前から進めてると思うんですよ。なのにウチらは……。
メイリア 2カ月前くらいに発売日が決まる(笑)。
toku 2カ月前に「1月21日だから」って言われて「えっ!?」みたいな(笑)。
メイリア これまでのシングルもそうなんですけど、リリースが決まってから実際のリリースまでの間隔がものっすごい短いんですよ(笑)。
──GARNiDELiAの場合、シングル曲はすべてアニメのテーマソング。だからそのスケジュール感ってレーベルはもちろん、アニメの制作陣や、そしてファンから「もっともっと」と新曲を望まれていた証拠、「この人たちなら書けるだろ」と信頼されていた証拠でもあると思うんですけどね。
メイリア 確かにいろんな挑戦をさせていただけたのはホントにうれしかったですね。ただ「できるかなあ? 1stアルバム」って感じではありましたよね?(笑)
toku 「8割方、ムリじゃないかなあ?」って(笑)。
メイリア そういうことも含めて、すごくギュッとした1年だった気がします(笑)。
GARNiDELiAとは何かを改めて問う1枚
──これこそがGARNiDELiAが期待、信頼される理由だと思うんですけど「Linkage Ring」って真摯な1枚ですよね。既発のシングルが3枚あって、それぞれ3曲入りなんだから、それこそシングルの曲を全部アルバムに入れれば9曲埋まるのに……。
メイリア 新曲を7曲作っちゃって(笑)。
──たとえ厳しいスケジュールであっても、それだけ歌いたいことがあった、と。
メイリア 人と人とのつながりについて書いてみたいっていう思いはありました。だから歌詞についてはどの曲も一貫してそういうモチーフで書いてるんですけど、サウンドはまた別というか。ちょっと攻めてみたかったんですよね。
toku うん。
メイリア デビュー後にGARNiDELiAを知ってくださった方は去年出した3枚のシングル表題曲……激しいロックテイストの曲をやる2人だと思ってると思うんですよ。でもインディーズ時代の曲は速いロックだけじゃない。バラードやミディアムテンポの曲もあるし、むしろそっちをメインにやってきていて。あと一昨年くらいからダンスナンバーにも取り組んでいたから、それも改めてお聴かせしたいなっていう気持ちもありました。1曲目の「PRIDE」なんかがまさにそう。バッキバキに踊れるダンスナンバーですし、年末にPVを撮ったんですけど……。
──ホントにギュッとしたスケジュールで動いてますね(笑)。だってこれ、1月発売のアルバムですよ。
メイリア あはははは(笑)。でもギュッとしたスケジュールの中、ホントにハードに踊りまくるPVを撮っていたりして。だから「ガルニデとはこういうものなんですよ」って改めて知ってもらえる1枚になったかな?って思ってます。
1曲目から「おやっ?」ってなるアルバム
──ただ当然ながらシングルを買った人に向けたアルバムではないですよね?
toku それはそうですね。インディーズ時代からのファンや、シングルやアニメを通じて僕たちを知った人はもちろん、「アルバムが出るなら」って手にする人もいるでしょうし。そういういろんな人に向けて僕らがメジャー1枚目として何をお見せできるか?って考えた結果、この内容になったって感じですね。メイリアが言っているように「GARNiDELiAとはなんなのか」を改めて知ってもらいたくもあったし「初めて僕たちの曲を聴く人たちにいろんな音を楽しんでもらいたい」「1枚目だからこそ、いろいろやってみたい」っていう思いもありましたし。
──そしてギュッとしたスケジュールの中、7曲書き下ろした、と。
toku 実際にはアルバム用に新曲を7曲以上書いているんですが、BPMの速い曲はあえて外したりもしてます。ただ改めて聴き直してみると「ベスト盤っぽいなあ」「全部シングル曲っぽいなあ」って気がするんですよねえ。
──全部推し曲みたいなアルバムですよね(笑)。
メイリア 2月11日のライブ(東京・LIQUIDROOM公演)のことも視野に入れて作ったからかもしれないですね。ライブでこんな曲をやったらみんなと盛り上がれるかなっていうことをすごく意識していたから、バラードであってもちょっと派手な感じになったのかなっていう気はしています。あと私たちのことをまったく知らない人、シングルも聴いたことがないし、アニメをそんなに観るわけでもない人たちにも聴いてもらえるアルバムを、っていうことも意識しました。
──だからいわゆるアニソンアーティストのアルバムだと思って聴くと、いい意味でダマされますよね。
メイリア たぶん1曲目から「おやっ?」ってなると思います(笑)。今年はアニソン系のイベントに加えて、いわゆる音楽フェスに出ることもたぶん増えてくると思うので、ビックリしてもらえるとうれしいですね。
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- メジャー1stアルバム「Linkage Ring」2015年1月21日発売 / DefSTAR Records
- 初回限定盤A[CD+Blu-ray] 3980円 / DFCL-2110~1
- 初回限定盤B [CD+DVD] 3580円 / DFCL-2112~3
- 通常盤 [CD] 3100円 / DFCL-2114
CD収録曲
- PRIDE
- True High
- Gravity
- BLAZING
- フタリ座流星群
- Moon Landing
- march
- Steps
- Lamb.
- オオカミ少女
- grilletto
- ambiguous
- LiNKAGE
初回限定盤Blu-ray、DVD収録内容
- 「ambiguous」ミュージックビデオ
- 「grilletto」ミュージックビデオ
- 「BLAZING」ミュージックビデオ
ワンマンライブ「stellacage」ライブ映像
- Love or Game
- Lamb.
- grilletto
GARNiDELiA(ガルニデリア)
アニソンシンガーやモデルとしても活躍するメイリア(Vo)と、アンジェラ・アキ、LiSAらのアレンジャー、ボカロP「とく」などの横顔を持つtoku(Key, Compose)から成るユニット。2010年に別名でオリジナル曲「ARiA」を動画共有サイトに投稿し、同年アニメ「フリージング」オープニングテーマ「COLOR」を発表したのと前後して、ユニット結成を宣言する。以来ハードロック由来のヌケのいいギターロックから、ダンスミュージック、ピアノ1本で聴かせるバラードまで幅広い楽曲群をネットで発表する一方で、2010年末にはミニアルバム「ONE」をインディーズで発表。さらに翌年には東京・JCBホール(現・TOKYO DOME CITY HALL)での「ニコニコ大会議Final」や、中国・上海での「舞動漫櫻楽祭~ANIME ROCK CONVENTION~」など国内外でのイベントに招聘される。2014年3月、アニメ「キルラキル」の後期オープニングテーマ「ambiguous」でメジャーデビューすると7月には「魔法科高校の劣等生」後期オープニングテーマ「grilletto」、10月には「ガンダム Gのレコンギスタ」のオープニングテーマ「BLAZING」を立て続けに発表。そして2015年1月、メジャー1stアルバム「Linkage Ring」をリリースした。