鳥肌の最上級は
──蓮さんのソロ曲で少し話が出ましたが、皆さんがプロフィール欄に書いている「好きな音楽」の項目についても聞かせてもらっていいですか? それぞれどんな音楽が好きなんでしょう?
勇仁 俺は「洋楽 / ROCK」と書いているんですけど、もともとバンドをやっていたこともあって、昔からONE OK ROCKさんのようなロックを聴いていました。ボーカルのTakaさんが洋楽好きで、英語の歌詞も多く歌っていることをきっかけに、俺も洋楽を聴くようになって。中でもLinkin Parkの「トランスフォーマー」の曲は、すごく好きでした。そこからジャスティン・ビーバーやショーン・メンデスのようなポップソングや、EDMも聴くようになったんです。
──そうやって広がっていったんですね。一方で将綺さんは「込み上げる音楽」と書いていますが、詳しく教えてもらえますか?
将綺 俺はライブパフォーマンスで、ダンスや表情も含めて音楽を聴くのが特に好きなタイプなんです。中でも好きなのはブルーノ・マーズさんとか、最近だとトロイ・シヴァンさんもそうですね。これは俺のソロ曲ともつながってくると思うんですけど、生楽器の音を入れながら、そこに最新の音も入れているような雰囲気で、でも聴かせているのは“歌”というものが好きです。聴いていて鳥肌が立つような、ゾクゾクするものが好きですね。
蓮 僕はクラシックと、雨の音や自然の音。クラシックはもともと小さい頃からピアノをやっていて、ショパンの曲が大好きでよく聴いていました。今の一番の憧れはX JAPANのYOSHIKIさんです。YOSHIKIさんもピアノが弾ける人で、ロックの人でもあって、もちろんドラムもうまい人なので、僕もいろんな音楽を聴くようになりました。
将綺 好きな音楽を聴かれて「自然の音」と答えるのは蓮ぐらいかもしれない。
蓮 (笑)。ジャンルにこだわっているわけではなくて、音が鳴っていて、それを楽しめていたら音楽だなと思っているんです。
優輝 俺はCreepy Nutsさんと、Dj Lean Rockさんを挙げました。俺はブレイクダンスが好きなんですが、そこでかかっている音楽も好きで。Dj Lean Rockさんは「Red Bull BC One」というブレイクダンスの大会でも、よく曲が流れたりする人ですね。それからCreepy Nutsさんは、実は俺がラップに興味を持つきっかけになったアーティストです。ブレイクダンスのバトルでもCreepy Nutsさんの曲がよく流れているので、そこからラップを好きになっていきました。
──陽介さんのMrs. GREEN APPLEについてはどうでしょう?
陽介 俺の場合は、この世界に入ったときに「自分はどういうものが武器になるんだろう?」と考えていて、そのときMrs. GREEN APPLEさんの音楽を聴いていたら、曲の中の情景がすごく浮かんでくるような感覚になって。「ああ、自分はこんなふうに、曲の中で物語を伝えられるような人間になりたい」と思ったんです。特に「僕のこと」は、起きたら毎朝聴いているぐらい好きで、特にライブバージョンがものすごいんです。鳥肌が立ちすぎて、取れちゃうんじゃないかというぐらいですね(笑)。
優輝 鳥肌の最上級は“取れ肌”だった(笑)。
2次元と3次元、どっちも愛してもらえるように
──アルバムに向けての新曲となった「Happy Ever After」と「スニーカー」についても教えてください。この2曲に皆さんが感じている魅力というと?
優輝 「Happy Ever After」は最初に曲をもらったときに、めちゃくちゃ好きな曲だと思いました。ちょっと昔の曲のテイストもあって、すごくいい曲で。
──マイケル・ジャクソンのような雰囲気もあるソウルテイストのポップソングですね。
全員 ああ! わかる!
優輝 MVでもその雰囲気がよく表れていますよね。
将綺 でも、この曲はレコーディングでかなり苦労したんですよ。
優輝 フェイク祭りだもんね。
将綺 そうそう。最初に曲を聴いたときに「フェイクすごいなあ。みんなでがんばろう!」と思っていたら、スーさんに「そこは全部将綺君です」と言われて……。
蓮 (笑)。僕は将綺と一緒に寮に帰ることが多いんですけど、「Happy Ever After」を録っていたときは、将綺はレッスンのあとも知り合いのレコーディングスタジオに練習しに行っていて、「本当にがんばってるな」と思っていました。
将綺 フェイクは“音で遊ぶ”という感覚だと思うので、メンバーが歌う後ろで俺は音で遊んでいて。でも、それはあくまでメンバーを引き立たせるためだと思っていたので、「ここは出すぎない」「ここは出す」とか、「陽介と蓮のサビを生かさなきゃ」「ここは勇仁が前に出ているから、支える感じでいこう」とか、パートごとに歌い方をすごく考えました。
優輝 自分の場合、ラップが多いから普段はそこまで歌のパートが多くはないんですけど、この曲では勇仁と一緒に歌うパートがあったのもすごく楽しかったですね。
勇仁 うん、すごく楽しかったよね。
──「Happy Ever After」は2次元と3次元、両方の皆さんが登場するMVもすごいですね。
陽介 2次元と3次元を行き来させていただきました!
勇仁 今までで一番、3次元の俺たちの顔が見えそうなものになっていますよね。
優輝 ライブハウスのステージを使って撮影したので、「もし俺たちが生身でパフォーマンスすることになったら、こんな景色になるのかな?」「ここにお客さんが入ったらどうなるんだろう?」といろいろ想像しながら撮影をしました。このMVを観てもらうと、俺たちの“2次元と3次元を行き来する”という部分が一番よく伝わるのかもしれないです。どっちの俺たちも愛してもらえるようになったらすごくうれしいです。
革靴だと走りにくい
──「スニーカー」はどうでしょう?
勇仁 この曲は学校生活が舞台なので、皆さんそれぞれ自分の学生生活を重ねながら聴いてもらえたらうれしいです。あと、サビで将綺が歌っている後ろで、俺がフェイクしていて、それがレコーディング中もすごく気持ちよかったです。早くライブでやりたいですね。
優輝 この曲を聴いていると、学生服を着た学生が、夏の晴れた日に走って学校に向かう姿を思い浮かべるというか。さわやかな疾走感もあるし、一日の始まりに聴きたい。
勇仁 わかる。
陽介 曲の疾走感が「スニーカー」というタイトルにも合ってるよね。
将綺 確かに! ローファーだと脱げちゃうし。
優輝 革靴だと走りにくい。やっぱりスニーカー!
将綺 (笑)。今回のアルバムには「俺らの1年はこんな感じでした」の意味で「HERE WE ARE !」というタイトルが付けられていますけど、この「スニーカー」は、「2年目は新しいものを出していきますよ」「こんな俺たちも見てください」という、決意表明の曲だと思っているんです。第2章に向けて駆け上がっていくような曲になっていると思います。
優輝 俺たちもそうですけど、夢を追いかけている人たちに向けて作った楽曲です。俺が歌っているラップの「すり減ったソールの分だけ 夢に近付くまた一歩」というリリックも、歌いながら自分でも背中を押されているような気持ちになるので。
もう俺らだけのライブではない
──11月には初めての有観客ライブ「WHO WE ARE ! Return!!」が開催されますね(参照:学芸大青春初ライブのリベンジ決定、2次元と3次元を行き来する「Happy Ever After」MV解禁)。どんな意気込みで臨みますか?
陽介 自分たちの中では、どういう気持ちが近いんだろう……? やっぱりリベンジという気持ちが強いライブだと思います。次こそが念願の1stライブですね。
── “1stライブ”という部分に皆さんの思いが現れていますね。
優輝 そうですね。もちろん配信ライブも本当に楽しかったんですけど、実際にお客さんの熱気を生で感じながらライブをするのは、11月の「WHO WE ARE ! Return!!」が初めてになりますし、それは俺らがずっとやりたかったことでもあるので。それぞれのソロ曲ができたことで、5人そろってだけじゃないパフォーマンスも見せられるかもしれないし、新しい曲がたくさん増えているので、この曲を早くライブでやりたいです。
勇仁 そうそう! そこも楽しみしていてほしいですね。
陽介 俺たちも前回のライブが配信のみになったことは超悔しかったんですけど、あのときライブを観てくれた人も、きっと同じ気持ちでいてくれたと思うんです。そんなみんなの思いも受け止めてがんばりたいので、もう俺らだけのライブではないと思っています!