レコーディング終わりのバーベキュー

U-TAN　ANDREWにレコーディングをやってもらうと、何よりライブのサウンドをそのまま詰め込めるっていうのが一番大きいかも。

ANDREW　自分の中でサウンドエンジニアは、ライブエンジニアでもありレコーディングエンジニアでもある。どっちもできないといけないって昔から思ってて。それが普通じゃないって徐々に気付くんだけど、まあ両方やっててよかったなって思う。この間もdustboxのSUGA（Vo, G）が「ANDREWが出すライブの外音ってCDのパッケージ通りだよね」って言ってくれて。

U-TAN　わかるわかる。

ANDREW　だからレコーディングが早いのも当たり前っちゃ当たり前なんだよね。普段やってることを録音してるだけだから。「こういう音を出したいんだったら、弦はこれを使って」とか「設定はこれで」とか普段からメンバーと話し合ってるし。特別なことはしてないんだけど、レコーディングしたら“入っちゃう”。

U-TAN　来来（キョンシーズ）のレコーディングから5作、ANDREWとやってるけど、どんどんテイクも少なくなっていってるよね。俺らはANDREWがOKやったらOKって思ってて。その信頼関係は回を重ねるごとに増してる。

ANDREW　信頼関係が増したっていうのはかなりデカいなあ。

MAKKIN　俺なんか、ANDREWに言われるがままだから。怒られたくないだけ（笑）。

ANDREW　とか言ってるけど、MAKKIN意外とちゃんとやってるからね（笑）。あとはレコーディング早く終わらせて早く遊びたいんだよね。だから集中しまくって。

MAKKIN　それやね。終わった人からビール飲んでバーベキューを始めるから。

ANDREW　レコーディングの時間が長引けば長引くほどバーベキューの時間がなくなって、下手すりゃバーベキューはカットになりかねない。でも絶対やりたいからとにかく集中して。

U-TAN　で、バーベキューの終盤に、録り終わってミックスまで完成した音を暗い部屋で聴く。あの瞬間が最高だよね。

連動シングル「DAY」「NIGHT」

U-TAN　バンドとしてアルバムを10枚出して。次の11枚目を出す前に、何か違うアプローチでやってみたいなと思って作ったのが「DAY」と「NIGHT」の連動作。これまでもアルバムには切ない曲を入れてるんだけど、それがMV曲とかリード曲になることってなかったから、あえてそれを押し出したら面白いんちゃうかなって思って、“明るい曲”と“切ない曲”っていう対比のコンセプトのシングルを2枚出すことにした。

MAKKIN　俺はアルバムに入ってる暗い曲が好きなんよね。メロディが渋くて。だからU-TANからその考えを聞いたとき、そういう曲をシングルと押し出すのに少し不安もあったけど、面白いなと思ったな。

U-TAN　これまでにあった面だけど、改めてこうやって押し出すっていうのは俺らの中では斬新だったよな。「LOVE SAVES ALL」は前アルバム「KIDS AT PLAY」用に作ったんだけど、ちょっとアルバムとは毛色が違うなと思って取っておいた曲で。

ANDREW　俺は「FIGHTING ME」が好き。今までのGOOD4NOTHINGにはなかった面が見えていいなあ。ちなみに音は意識的にはシングルごとに変えなかったよ。それぞれのよさは出そうとは思ったけど。あとカップリングで収録してるアコースティックバージョン、評判めちゃくちゃいいよね。いろんなバンドマンから「いいね」って言われる。

U-TAN　ここ数年アコースティックライブもやるようになって。「KIDS AT PLAY」のツアーで、アコースティックしかできない会場があって。そこでライブをやったときに「アコースティックも録音してみたいな」と。

ANDREW　アコースティックはGOOD4NOTHINGが普段使ってる練習スタジオで録ったんだよね。俺が大阪に機材を持って行って。

U-TAN　「せーの！」って一発録りで。

ANDREW　それも俺とメンバーで考えが一緒だったんだよね。「アコースティックで1人ひとり録っても意味なくない？」「一発録りのつもりだよ」って。

MAKKIN　その日もレコーディングさくっと終わらせて焼肉行ったよな（笑）。

ANDREW　よく機材車で話をしてるけど、アコースティックでツアー回るのいいよね。だから俺はアコースティックでライブができるように機材をそろえようかなとも思ってる。機材のセットがあれば、ツアーの合間に「この日空いてるから駅前でやってみようか」って言ってさっとライブができるし、面白いと思うんだよなあ。