目を合わせるシーンがこっ恥ずかしい
──MVの撮影で苦労したことなどはありますか?
長屋 けっこう寒かったです(笑)。コンクリート打ちっぱなしの建物だったので。
小林 長屋と目を合わせるシーンがあったんですけど、それが苦手で(笑)。どういう表情をしたらいいのかわからないんですよ。こっ恥ずかしくて、人に見られてると思うと本気でできないんです。でも長屋とpeppeはうまくこなすし、真吾も器用でセンスがあるので負けてられないなと。ナチュラルにやろうと思っていつもから回っちゃうんですけど、今回は一発OKをいただきました。
──長屋さんから見て、小林さんの表情はどうでした?
長屋 いつもと違って面白かったです。
peppe あのシーン撮るとき面白かったよね。
長屋 みんなそれぞれ目を合わせていくシーンで。壱誓の表現の仕方も日々変わってきてて。どんどんナチュラルになってきてるのがいいなと思います。自然体になってきてますね。
──穴見さんは撮影で印象的だったことはありますか?
穴見 とにかく松井さんのダンスが素敵すぎて、それだけを見ていたいなという気持ちでした。
長屋 ダンスシーンは撮影の終わりのほうで、松井さんはずっとウオーミングアップされてたんですよ。窓から差し込む夕焼けの明かりに照らされてる姿が本当にカッコよくて、思わず盗撮しちゃいました(笑)。普通に練習してるだけでも絵になるんですよ。
──そうなんですね。映像を手がけたかとうみさとさんとは、何かクリエイティブのことでやり取りをしましたか?
長屋 松井さんの手を握って立ち上がらせるシーンを入れたくて、私たちから提案しました。
──それは曲やコラボのテーマに合わせて?
長屋 そうですね。ある程度できあがったシナリオをいただいてから考えて提案しました。
これが緑黄色社会だよと言える10曲
──3月14日には「Re」がオープニングナンバーとして収められる初のフルアルバム「緑黄色社会」が発売されます。セルフタイトル作になっていますが、そもそも緑黄色社会というバンド名の由来はなんなんでしょう?
長屋 もともと英語表記じゃなく、日本語表記のバンド名にしたいという思いはあって。この名前になったのは私がたまたま野菜ジュースを飲んでたときに、メンバーが「緑黄色野菜」と言ったのを「緑黄色社会」と聞き間違えたのがきっかけです。絶対にほかのバンドと名前がかぶらないし、インパクトがあるし、すぐに決まりました。何か意味を込めたわけではないですけど、すごく気に入ってます。
──響きや直感で決めたんですね。
長屋 そうですね。略し方も自分たちで決めて。「リョクシャカって略せるし、いいんじゃない?」みたいに(笑)。
小林 決めたあとに、バンド名のいいところを発掘していきました(笑)。
──そのバンド名を冠したアルバムには「Re」のほかに「始まりの歌」「Alice」「またね」といった既発曲や、新曲「大人ごっこ」「君が望む世界」「真夜中ドライブ」などが収録されていて。「緑黄色社会はこういうバンドだ」と主張するような作品になっているように思います。
長屋 私たちのことをあまり知らない人からしたら、最初に手に取りやすいCDはフルアルバムなのかなと思っていて。去年初めてCDをリリースして、そこからの1年でけっこう環境が変わったんですよ。激動の1年で、やっと自分たちの目指すところが見えてきたなというときに集まった10曲をまとめました。これが緑黄色社会だよと言える10曲ですね。
小林 これまでの僕らの集大成と言うか、この曲たちを聴いてくれたら僕らのことがだいたいわかるっていう、いい名刺ができあがった感じですね。
曲にとって主人公は大切な要素
──アルバムを制作するうえで、新しく挑戦したことなどはありましたか?
長屋 1つは穴見作曲の曲が初めて収録されていることですね。新しい私たちの一面を見せられるんじゃないかな。あとグランドピアノを使ってる曲が多いし、サウンド的にも広がりがあると思います。レコーディングしながらその場でアイデアを付け足してくこともありました。
──穴見さんが作曲されたのは「君が望む世界」ですね。
穴見 この曲では僕が書いたメロディに長屋が歌詞を付けてくれました。雨上がりの朝っていうさわやかなイメージを表現した音源を長屋に渡したんです。
長屋 peppeが曲を書いた「恋って」などは女性が主人公の曲に自然と仕上がったんですけど、「君が望む世界」は男性目線の曲になっていて。真吾は好奇心が強くてチャレンジ精神が旺盛で、わくわくすることが好きなんですよ。そんな彼らしい曲に仕上がったと思います。
──メンバー全員が作曲に関わることで、曲によって目線が変わってくるんですね。
長屋 そうですね。「君が望む世界」では“僕”を主人公にすることによって、多くの人に聴いてもらえる曲になったと思うんですよ。その一方で「大人ごっこ」のような1人の女性にスポットを当てた曲も大事だと思っていて。ふとしたときに聴きたくなる音楽も、そのときの感情に合わせて聴きたくなる音楽もどっちも作っていきたいですね。
──「大人ごっこ」では、1人の女性の悩みや思いが歌われているように感じました。
長屋 「大人ごっこ」は友達の話を聞いて作ったので、ピンポイントに1人の女性のことを歌った曲になってるんですよ。曲にとって主人公は大切な要素なので、将来的には一人称が“俺”の曲とかも書いてみたいなと思います。
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お客さんがライブの仕方を教えてくれた
2018年3月29日更新