FOMARE|楽しく笑って制作した新体制初の作品

わかりあって臨んだ楽曲制作

──FOMAREの楽曲は作詞がアマダさん、作曲がFOMAREというスタイルが定番ですよね。いつも曲作りはどのように行っていますか?

アマダ 先にメロディから作ります。たまに歌詞から作る曲もありますけど、今回の作品は全曲メロディから作りました。だいたい最初は俺が弾き語りで作ったデモをカマタに送ったり、スタジオに入ったときに「こういうのあるからやろ!」って言ったりします。そこで「これはボツだわ」「これはいいから形にしよう」みたいなやりとりがメンバー間であって、少しずつ形にしていく感じですね。柿ピーさんが加入してからも制作スタイルは変わらないけど、やりやすくなったのかな? 今回は楽しく笑って制作してたよね。いつもは焦って制作してた気がするけど。

カマタリョウガ(G, Cho)

カマタ うん。今回は楽しかったです。曲作りからレコーディングまで、ずっと。

アマダ 去年の10月くらいに「REMEMBER」のレコーディングをして、そこからバンドの雰囲気が変わったんです。初めて3人でレコーディングをして、バンドの空気がよくなったというか、お互いのことをさらにわかりあえた。そこから新木場公演を経て、ガッツリ制作期間に入れたのがよかったです。

オグラ 確かに「目を閉じれば」を3人で作ったことで、バンド力は上がったと思います。

アマダ 「FORCE」は制作期間がマジでタイトで、まあ今回も余裕があったわけではないんですけど、気持ちに余裕が持てていた。だから「FORCE」のときとは全然心境が違いましたね。お互いの悪い部分を47都道府県ツアーで吐き出して、わかりあって、いい状態で楽曲制作に臨めたと思います。今回の作品には、テンポが速い曲が今までよりも少なくて。今まではバラードやミドルテンポだった音源を、最終的にツービートにすることが多かったんです。でも今回はバラードのまま、ミドルテンポのままが今のモードにハマって。

──表題曲のイントロは、今までのFOMAREにはあまりない感じですよね。

カマタ あのイントロはスタジオでパッと思い付いて入れたよね。

アマダ そうそう。やってみて「いいんじゃない?」って。全曲そんな感じだよね。ノリとバイブス(笑)。

オグラ やっぱり感覚が一番信頼できるよね(笑)。

アマダ あとレコーディングのタイミングでいろいろ変えた曲でもあります。最初はもうちょっとサビがあったけど短くしたり、BPMを3くらい上げたり。

オグラ あとはギリギリで半音下げチューニングにしたよね。

アマダ そうだった。イントロもそうだし、この曲はFOMAREの曲の中では新しい位置にいるんだろうなと思います。

FOMARE

「スター・ウォーズ」愛を詰め込んだ

カマタ 今回の作品には、いろいろな音を入れてみたんです。俺、ハリウッドザコシショウが超好きで。「ハリウッドザコシショウのサブリミナル効果(EASY TYPE)」という動画を観てるときに「あ、この『ジューン』って効果音いいな」と思って、「目を閉じれば」にその効果音をまんま入れてます。あと「REMEMBER」では、バレないようにずっと“REMEMBER”ってモールス信号を入れてるんです。「気付く人いるかな?」と思いながらやりました。実は「REMEMBER」は、“#FOMAREの実験”のために作った音源と「目を閉じれば」に収録されている音源とではけっこう違うんですよ。

アマダ がっつり再録したよね。ハモ以外は全部録り直して。

オグラ そうそう、ノリもちょっと変えて。この曲もそうだし、ドラムの面で言うと全曲を通してベースとの絡みやノリ感はすごく意識しました。だからリズム隊が一緒に録ってる曲もあります。個別に録ってる曲もありますけど。

アマダシンスケ(B, Vo)

アマダ 柿ピーさんと一緒に録るときは、ガイドとしてカマタがギターを弾いてくれました。そのほうがグルーヴ感も出るでしょうってことで。全員で録ったのは「空」だっけ?

オグラ そう。「アルバ」。

アマダ もともと「アルバ」は仮タイトルが「空」だったんです。ちなみに「銀河」の仮タイトルは「スカピョン」。適当ですね(笑)。俺とカマタは「スター・ウォーズ」シリーズが大好きで、「銀河」には俺の「スター・ウォーズ」愛を全部詰め込みました。ファンの人で観たことがない人は、映画を観たあとにもまた聴いてほしいです。ちなみに柿ピーさんは観たことがなくて、俺とカマタは47都道府県ツアー中からずっと「『スター・ウォーズ』を観ろ! バンドのグルーヴが上がるから!」って言ってたんですけど、全然観てくれないんですよ。

オグラ いつか絶対に観ないととは思ってるんですけどね(笑)。

──アマダさんは「FORCE」のインタビューの際に(参照:FOMARE「FORCE」特集|アマダシンスケ(FOMARE)×キヨサク(MONGOL800)対談)「日記のような感覚で作詞をしている」と話していましたが、「長い髪」は女性視点の歌詞ですよね。

アマダ ちょっとそういう感じを意識したんですけど、でもやっぱりこの曲も俺目線の歌詞です。俺目線で、でも言い回しは女性っていう感じを出した歌詞というか。「stay with me」とか、3年くらい前までは“私”という一人称も使っていたんですけど、ちょっとくさいかなと思ってしばらく使ってなくて。でもこの曲にはそれがいい感じにハマってくれました。「長い髪」はメロディもたまらなく好きですね。同じコード進行だけど大サビで雰囲気がガラッと変わるところとか、今までのFOMAREにはなかったんですよ。そこがポイントです。今回は全体的にめちゃめちゃメロディにこだわっているんです。テンポが速い曲が少ないから、メロディで勝負したいという思いがあって。早くライブで演奏したいです。