Eve×Sou|特別な2人による爽快コラボ

EveとSouが、Eve×Sou名義によるコラボアルバム「蒼」をリリースした。

2016年4月に「アンドロメダアンドロメダ」の歌唱動画を投稿してから、何度もコラボを重ねてきたEveとSou。今作「蒼」にはEveの代表曲「ナンセンス文学」をSouがカバーした音源や、EveがSouのために書き下ろした新曲「チョコレートタウン」、ナユタン星人の提供曲「明星ギャラクティカ」など、計13曲が収録されている。プライベートでも交流があり、音楽の趣味も近いと話す2人にコラボアルバム制作までの経緯や、今作の制作背景を聞いた。

取材・文 / 倉嶌孝彦

Eve×Sou「蒼」
2018年2月28日発売 / harapeco records
Eve×Sou「蒼」初回限定盤

初回限定盤
[CD+ブックレット]
2700円 / SNCL-10

Amazon.co.jp

Eve×Sou「蒼」通常盤

通常盤 [CD]
2160円 / SNCL-11

Amazon.co.jp

  1. 明星ギャラクティカ / Eve×Sou[作詞・作曲・編曲:ナユタン星人]
  2. ナンセンス文学 / Sou[作詞・作曲:Eve / 編曲:Numa]
  3. 雨とペトラ / Eve[作詞・作曲・編曲:バルーン]
  4. チョコレートタウン / Sou[作詞・作曲:Eve / 編曲:Numa]
  5. Dr. / Eve
  6. おどりゃんせ / Eve×Sou[作詞・作曲・編曲:MI8k]
  7. 帝国少女 / Sou[作詞・作曲・編曲:ユリイ・カノン]
  8. メーベル / Eve[作詞・作曲・編曲:R Sound Design]
  9. tig-hug / Sou[作詞・作曲・編曲:sasakure.UK]
  10. 命ばっかり / Eve[作詞・作曲・編曲:ぬゆり]
  11. フェイク / Eve×Sou[作詞・作曲:Eve / 編曲:Numa]
  12. はくしの春 / Sou[作詞・作曲・編曲:ぬゆり]
  13. ハイタ / Eve×Sou[作詞・作曲・編曲:ルワン]

音源にしたときに気持ちよく聴けるコラボ

──お二人が最初にコラボしたのは2016年4月に投稿された「アンドロメダアンドロメダ」の歌唱動画が最初ですよね。

Eve はい。SouくんとはコンピCDへの収録がきっかけで最初にコラボさせてもらったんです。もともと関わりはそれとなくあって、普通に話す仲でもあったんですけど、コラボ動画を作ったことはなくて。

Sou 最初に知り合ったときは、まだ僕が高校生のときでした。

Eve うん。最初にSouくんに会ったのが確か2016年の「EXIT TUNES ACADEMY」のホールツアーのときで、「若いのにすごいなー」っていうのが最初の印象だったんですよね。

Sou 初めて会ったときに、もうEveくんは「はらぺこ商店」ってアパレルブランドの店長をやってたりして、僕からすると「大人だなあ」って印象でした。

──ホールツアーではEveさんとSouさんのコラボも披露されたんですよね。

Sou はい。「ウミユリ海底譚」をツアーでは2人のコラボ曲として披露しました。

──お二人共いろんな方とコラボをしていますが、Eve×Souの組み合わせは特別なものですか?

Eve そうですね。Souくんとは遊ぶことも多いし、カラオケに行ったりしても好きな曲とか、好きなアーティストがけっこう被るんですよ。音楽の好みが似ていて、かつ歌いやすいキーとか得意とするジャンルもなんとなく近いような感覚。

Sou 音域が合うのもありますし、2人で一緒に歌った曲を聴き直してみると、すごい声質の組み合わせがいいと言うか。音源にしたときに気持ちよく聴けるコラボだなと思っています。

Eve ちょうどSouくんと接点を持ち始めた2015~16年頃の“歌ってみた”の界隈は、アニメ声っぽい歌声の方だったり、高音を得意とする方、アニソンシンガーのような力強い歌い方の方が注目を集める存在として活気にあふれていたような印象でした。その中でSouくんみたいな歌い方だったり声質っていうのは僕にとってすごく新鮮で、勝手に親近感も湧いていたと思います(笑)。

Eveのやりたいこと2つ

──そんなお二人が、どういうきっかけでアルバムを制作することに?

Sou お互いにコラボを重ねていく中で、わりと自然に「アルバムも作ろうか」って話になりました。

Eve うん。うん。それで僕はSouくんとアルバムを作るならやりたいことが2つあって。1つは「アンドロメダアンドロメダ」の作曲者でもあるナユタン星人さんに2人のコラボ曲を書き下ろしてもらいたかった。もう1つは僕が作った曲をSouくんに歌ってもらいたかったことです。無事、どちらも実現することができました。

──ナユタン星人さんにはどういうオーダーを?

Eve ナユタンさんに限らず書き下ろし曲について、基本的には作家さんの「EveやEve×Sou」に対するイメージでお任せして好きなように書いてもらうのが一番いいかなとそう伝えました。

Sou 「明星ギャラクティカ」はかけ合いが多くて「まさにコラボ曲」って感じなんですよね。こんなすてきな曲を書いていただいて、本当にうれしかったです。

Eve ナユタンさんらしさ、“ザ・歌謡曲”って感じもちゃんとあるし、すごくインパクトのある曲に仕上げてくれて。曲順を決めるとき、「明星ギャラクティカ」を1曲目に持ってくるのはすぐ決まりました。このアルバムのトップバッターにふさわしい、是が非でも聴いてほしいですね。

自分で歌うときよりも自由に作った「チョコレートタウン」

──Eveさんのもう1つの“やりたいこと”であるSouさんへの楽曲提供として「チョコレートタウン」という新曲が作られました。こちらの曲は、どういう取っ掛かりでできた曲なんですか?

Eve 僕、Souくんの“爽快に歌ってみた”シリーズも好きなんですけど、僕の曲を歌ってくれたときとかに聴かせてくれる、ちょっとダークな感じのSouくんの歌声も大好きなんですよね。だから書き下ろしをするときは「高い声も低い声も出してもらおう」って、まず思った。

Sou 「チョコレートタウン」は音域がすごくて(笑)。

Eve 僕、人に曲を書き下ろすのが初めてだったんですよ。もし今回歌ってくれるのが女性のシンガーさんだったら、キーとかいろいろ考えて曲を作らなきゃいけないんですけど、幸いSouくんは僕と音域が似てるし。なんなら僕よりも高い声が出るので、自分で歌うときよりも自由に曲作りができました。ラスサビの高い声、僕じゃ出せないですから(笑)。

Sou 出ないわけじゃないんですけど、音域が広すぎて難しかったですね。

──Souさんは「チョコレートタウン」という曲を受け取って、どう感じましたか?

Sou Eveくんとは音楽の趣味が近いから、もう「ドストライクな曲が来たな」っていうのが第一印象でした。あとデモとしてEveくんの歌が入っているんですけど、それがしっかりミックスまでしてあって、けっこう完成されたデモだったんです。デモそのままで歌ってしまったら、それは僕が歌う意味がなくなってしまいますから、自分のよさを入れつつどう歌うのか考えるのが大変でした。

Eve でもSouくんの歌は完璧でした。曲を作るとき、僕は自分の声で録ったデモを聴きまくるから、ほかの方にカバーしてもらったときとか新鮮さもあるけどちょっとした違和感をどうしても感じてしまうこともあるんです。でもSouくんに関してはそれを感じることなく毎回聴ける、「チョコレートタウン」はすごく自然に聴けたし、ちゃんと「自分のものにしてある」と思った。メチャクチャよかったよ。

──「チョコレートタウン」はミュージックビデオも公開されています。Eveさんにとっては提供曲のMVが公開されるのも初めての経験ですよね?

Eve はい。ただ今回のMVは本当に自分が歌った動画を公開したときと同じ感覚なんですよね。歌ってくれてるのはSouくんだし、動画を作ってくれた古論さんとは初めてのお仕事で新鮮な気持ちはありつつも、投稿前は自分の動画のようにドキドキしていました……(笑)。

Sou 古論さんの描く「チョコレートタウン」の世界がものすごくすてきなんです。

Eve 詞を書くときにそんなにガチガチにイメージを固めているわけではないので、どんな映像を作ってもらうかはある程度はお任せしているんですけど、「ナンセンス文学」にしろ、今回の「チョコレートタウン」にしろ、MVのおかげで楽曲をより深いところまで掘り下げてもらっている感覚があるんです。今回は”チョコレートタウン”をイメージした街を舞台に描いてもらったんですけど、色合いも少年の表情や出てくる動物たち、テンポ感、すごく好きな感じに仕上げて頂いて本当にうれしかったです。

ライブ情報 Eve×Sou「蒼」
  • 2018年5月5日(土・祝)神奈川県 Yokohama Bay Hall
Eve(イヴ)
シンガーソングライター、2009年10月にネットにカバー動画を投稿し、以降定期的に歌唱動画を公開している。2016年10月には初の全国流通盤「OFFICIAL NUMBER」をリリース。同年11月には自身がデザインを手がけたアイテムを販売するブランド「はらぺこ商店」を立ち上げた。2017年5月には作詞作曲を手がけたオリジナル曲「ナンセンス文学」を公開し、YouTubeで560万回以上(2018年2月現在)再生されるなど大きな話題を呼ぶ。同年12月、すべて自作曲で構成されたオリジナルアルバム「文化」を発表した。
Sou(ソウ)
2013年に動画共有サイトに歌唱動画を投稿し、シンガーとしての活動をスタートさせる。 2015年に投稿した動画「【爽快に】右に曲ガール 歌ってみた ver.Sou」は、ニコニコ動画内で170万回以上再生されるなど、大きな注目を集めた。同年12月にはデビューアルバム「水奏レグルス」をリリース。また2017年9月にはボカロP・ナユタン星人とのコラボアルバム「ナユタン星への爽快列車」を発表した。2018年2月、数々のコラボ動画を投稿してきたEveとのコラボアルバムとして「蒼」をリリースする。