エビ中メンバーによる「金八」解説・前編

01. 私立恵比寿中学の日常（Prologue）：二乗の事情

［脚本：しりあがり寿］

──ではここから「金八」収録曲について1曲ずつ詳しくお話を。1曲目から歌ではなくコントですけど……。

星名　私たちのアルバムには欠かせない感じになってきました（笑）。

廣田　でもキンコンカンコンでアルバムが始まるのは新鮮で、ホントに学校にいる感じになる。

星名　レコーディングには1人ずつ入って、全部のセリフを1人で言ったんですよ。1人芝居みたいでめっちゃ恥ずかしくなかった？

松野　恥ずかしかったー。あと、莉子が……（笑）。

廣田　莉子は相対性理論を「そうたいせんりろん」、二乗を「にじょう」って読んでて、「早弁ラップ」では覚醒を「かくせん」って読んでて、あとで違うって教えられたって（笑）。

中山　誰にも注意されなかったから……。

02. 金八DANCE MUSIC

［作詞・作曲：前山田健一 / 編曲：さつき が てんこもり］

──かなりあからさまに1つの番組について歌ってますけど（笑）。

廣田　初めは隠す予定だったらしいんですけど、結果的にOKになって。前山田（健一）さんには「こんなブッ飛んだ歌詞は初めてなので、あとで内容がいっぱい変わるかもしれない」って言われてました（笑）。あとCMの部分が15秒なのがポイント！ 前山田さんらしいこだわりで。編曲のさつき（が てんこもり）さんは六本木感を意識してアレンジしたそうです。

小林　CMのところライブでやるときどうなるんだろうね。

中山　あ、魚肉ソーセージ。

星名　レコーディングのあとはメンバーの間で「ぽんぽんぽんぽん」が流行ってました。

松野　流行ってた！ みんな歌ってたよね。ギロッポーン！って。

──この曲に限らずアルバム全体に言えることですけど、皆さん歌い方や表現方法に変化が出てますよね。これって意識的に変えたんですか？

柏木　変えました。みんな少しずつ自分に合った歌い方でもっとうまく表現できるように。

廣田　みんなチャレンジしながらの「金八」のレコーディングだったので、けっこう変化が出てると思います。

──具体的にどんなアドバイスが？

柏木　私は年齢が上がるにつれ高音が出しにくくなったので、出しやすい歌い方と、もっと表現力を付けた歌い方を教わって、レコーディングでもライブでも意識して歌ってます。

──確かに柏木さんは顕著な声変わりというか、声質そのものが子供ではなくなりつつありますよね。

柏木　そうなんですよ。声変わりしてて。

安本　おお。大人になっているのかな……。

03. 未確認中学生X（金八ver.）

［作詞・作曲：IMAKISASA / 編曲：APAZZI、IMAKISASA］

──これは2013年秋のシングルで、以前の9人バージョンから小林さん中山さんが入った新しいバージョンへと変わっています。お2人もライブではずっと歌ってきましたが、ここで改めて正式な8人バージョンができあがったと。

小林　録るときは「3分で終わるからね」って言われました。「ライブと同じように歌えばいいから」って。ホントに一瞬で終わりました。

真山　でもライブで歌い込んでる分、私たちよりスムーズだよね。

中山　私は「（鈴木）裕乃ちゃんの元のやつはあまり意識しないで、自分らしく歌って」って言われました。

小林　「もしかしてー！」のところ（シングルバージョンでは杏野なつのパート）を歌うときは、ブースの中で1人だったんですけど、顔もちゃんとこうしました（ライブのときに見せる変顔で）。

真山　まあ重要だよねそこは（笑）。

04. テブラデスキー～青春リバティ～

［作詞・編曲：田村歩美（たむらぱん） / 作曲：池住祥平］

松野　たむらぱんさんの曲はいつもかわいいよね。でもサビは青春っぽい感じでグッとくる。

小林　全部投げ飛ばしたくなります。もし自分が今、ガーンってなってたら、全部ノンッ！って。ノンッ？ アハハハハハハ（笑）。

──えっ？

廣田　そのまま記事にしてください（笑）。ノンッ！って。

──小林さんのパンクス的なボーカルはエビ中の新しいアクセントになってると思いますよ。

小林　へっ？

──自由な感じがパンクみたいなんですよ。これからどんどん表現力が付いてくるんでしょうけど、このパンクな感じは損なわれないでほしいなと。

小林　パンク……ロックってことですか？ ほおー。

安本　私は芝生の上で風を浴びながら歌いたい、さわやかな曲だなって思いました。

──ずいぶん詩的なことを言いますね。

松野　彩花はいつも例え方が面白いから。なんだっけ、洗濯機……。

真山　「もっと走れっ!!」（2011年10月発売のインディーズシングル）だ。洗濯機を回しながら歌いたいって（笑）。

安本　自分なりの一番の表現だったんだけど。あの急げ！急げ！って感じが。

──今回のは皆さん納得ですか？

星名　納得ー。洗濯機はわかんないけど（笑）。

05. キングオブ学芸会のテーマ～Nu Skool Teenage Riot～

［作詞：仮屋一時 / 作曲：吉田哲人 / 編曲：吉田哲人、el poco maro、有木竜郎］

星名　これ好きー！

松野　私、一番好きかもしんない。

──エビ中とはなんなのか、エビ中が提唱する“キングオブ学芸会”とはなんなのかを表現した内容で。

松野　「ネバーエンディング進級」とかね。「人見知りだって言われてもしゃーない」とかエビ中あるあるだよね。

安本　あと「小学生以下はマイナス何年生？」のところが面白くて好き。

真山　確定されたね。小学生以下の呼び方が。この曲もライブでは絶対盛り上がると思う。ラップがカッコいいんだよね。

星名　「反抗!!!!!」のところを言えてよかったです。

柏木　あれ美怜だったの？ ずっと莉奈だと思ってた。

松野　私も自分かと思った（笑）。

安本　ガサガサ声だからわかりづらい。

柏木　ガサガサ（笑）。エフェクトかけてるから。

真山　ライブでは拡声器持ちたいよね。ロックな感じでやりたい。

安本　あと歌穂のセリフが聴きどころです。おじいちゃんキャラ。

小林　おじいちゃんが散歩しながらしゃべってるイメージで。道端でタンポポを見つけたり……。

廣田　かわいいー！

小林　おじいちゃんキャラを極めたいと思います。私はこれからおじいちゃんキャラになるのかなって。

柏木　なんで!?

小林　莉子ちゃんは「惚れた」（「ハイタテキ！」のフレーズ）とかかわいい感じだから。私はヘンな声だから……。

真山　ヘンな声じゃないよ！

小林　そう？ （野太い声で）ありがとーう。