M!LK塩﨑太智が語る「ディズニー ベスト・オブ・ベスト」|これさえあれば完璧!ディズニーの今が詰まったベスト盤 (2/2)

「イイじゃん」の裏話

──「イイじゃん」のヒットでM!LKは大きく飛躍して、国民的な存在に一歩近付いたと思います。太智さん個人としても、つい最近SNSでバズりましたよね。ダンスがすごいと。

ありがたいことに……でも僕もなんでバズってるのか正直わからなくて。周りからめっちゃ ダンス動画がXで流れてくるって言われて初めて知ったんですよ。それを聞いたとき僕の周りではまだそんなことなかったんですが、次の日くらいから踊ってる動画がバーッと流れてきて「え?」って(笑)。ファンの方が載せてくれた動画がどんどん引用されてびっくりしました。

──広まっているのは“全力ダンス”を絶賛する内容ですから、大丈夫ではないですか?

いやー、そうですよね。嵐の二宮(和也)さんもポストしてくださったりして……うれしかったです。でもそれこそ「イイじゃん」がヒットしたときもこういう感じだったので、バズるってこういうことなんだなと思いました。

塩﨑太智

──そういう太智さんの全力さは、テーマパークのショーから影響を受けていたりするのかなとも思ったり。

よくお気付きになられました。あります、本当にあります。あとディズニーの何もかも徹底する姿勢からも僕は影響を受けていて。ミッキーはずっと完璧なスターだし、ダンサーの皆さんも本当に表情豊か。み!るきーず(M!LKファンの呼称)の皆さんが僕らに会いに来てくれたときに、自分もそういう姿を見せたいんです。自分がミッキーとグリーティングすると本当に幸せな気分になる。だから皆さんと特典会とかでお会いするときも、そんなふうであれたらなと思うんです。いつでも皆さんの期待に応えられる状態でいたいんですよね。

──み!るきーずの皆さんがM!LKの推し活に勤しむように、太智さんにとっての推し活はディズニーのパークに行くことなんですね。

そうなんです。その日のためにお金をかけていろいろ準備して、着ていく服や持って行くグッズを考えて……そうやって行ったパークで「残念だな」と思ったことが一度もなくて、毎回楽しかったなと思える。み!るきーずのみんなも美容院やネイルサロンに行ったりして、時間をかけて準備をしてきてくれるんだから、M!LKのライブでもそんなふうに思ってもらいたい。絶対に幸せな時間を過ごしてほしいんです。僕がディズニーのテーマパークに行って仕事をがんばれるように、み!るきーずの皆さんにはM!LKのライブに来て、また明日から仕事や学校をがんばろうと思ってもらいたいから。生きる糧になるような、そんな空間を作りたいと思うのは、完全に僕がディズニーから受けた影響ですね。

──M!LKでは太智さんが演出を手がけていますが、ディズニーのエンタテインメントを楽しむときは、演出家目線で見ることもありますか?

ありますね。いつかドーム規模でライブをやれるようになったらパレードに出てくるようなフロートを作りたいと思っています。

塩﨑太智

タクシーが早く来ていたら「イイじゃん」は生まれなかった?

──10周年イヤーの今年は「イイじゃん」が大ヒットして、M!LKにとって躍進の1年になりましたね。

本当にありがたいことですよ。10年M!LKの名を背負ってきましたけど、ここまで認知されることはなかったですし、幅広い年齢層に知ってもらえて本当にうれしい1年でした。テレビに出させてもらえるようになって、親世代にも小学生くらいの方たちにも知っていただいて。なおかつ僕たちが発信した音楽をすごく愛して面白おかしく、いろいろ使ってもらえて、なんだか不思議な1年でもあって。沖縄で働いている友達から「隣の学校の運動会で今日『イイじゃん』流れてたよ」って言われたときはびっくりしましたね。

──「イイじゃん」リリース後のインタビュー(参照:M!LK「アオノオト」佐野×曽野×山中インタビュー)で、メンバーの皆さんも反響に驚いてましたよね。今やM!LKと言えば「イイじゃん」を歌うアイドルとして全国区の人気になったと思います。

今まで僕、街ロケしたくなかったんですよ。「M!LKです」って挨拶したときに「誰?」ってなるから。今は「おー! M!LKじゃん!」と言ってもらえるので、堂々と街ロケに行けるようになりました(笑)。環境がいろいろ変わった一方で、目標のためにどれだけ忙しくなっても毎週火曜夜は絶対グループの会議を欠かさないとか、根本的に変わらない部分もあって。そういうところは客観的に見ても素敵だなって我ながら思います。

──「イイじゃん」は太智さんのひと言で今のような構成になったと過去のインタビューでメンバーの皆さんが明かしていました(参照:M!LK「M!X」佐野勇斗、曽野舜太、吉田仁人インタビュー)。言うなれば「イイじゃん」のフィクサーは太智さんではないですか?

全然ですよ(笑)。でも提案しておいてよかったなと思いました。最初「イイじゃん」はサビ以外もカッコいい感じだったんです。現場でタクシーを待っているときに「アルバムに入る曲です」と「イイじゃん」を聴かせてもらったんですが、僕らがやるにはカッコよすぎると思って、もっとJ-POPの要素を入れたほうがいいんじゃないかと意見させてもらったんですよね。「サビはカッコいいから残したい、じゃあ組み合わせたらどうだろうか」というところから始まってあの形になりました。

──タクシーが到着するまで時間がかかってよかったですね(笑)。

本当ですね(笑)。

塩﨑太智

プロフィール

M!LK(ミルク)

2014年11月結成のダンスボーカルグループ。メンバーは佐野勇斗、塩﨑太智、曽野舜太、山中柔太朗、吉田仁人の5人。2015年3月、「コーヒーが飲めません」でCDデビューを果たし、2021年11月、ビクターエンタテインメントよりメジャーデビューシングル「Ribbon」をリリースした。2023年10月にはグループ史上初となる神奈川・横浜アリーナでの単独公演を開催。2024年11月に結成10周年イヤーに突入し、初のアリーナツアー「10th Anniversary M!LK ARENA TOUR 2024『I CAN DRINK!』」を開催した。2025年3月にリリースしたメジャー2ndアルバム「M!X」のリード曲「イイじゃん」が、SNSでの総再生数20億回を突破する大ヒットを記録中。10月には「好きすぎて滅!」を配信リリースした。大みそかには「第76回NHK紅白歌合戦」に出場する。