DIR EN GREY|緊迫感を保ち、重厚な世界を描く大作シングル

想像させる音が多い時代

Die(G)
Toshiya(B)

──TOOLの新譜って聴きましたか?

聴きましたよ。

──ちょっと共通するものがあるなと思って。ドラマチックにメリハリのついた展開があるわけでもないけど、ピンと張りつめた緊張感がずっと漂っている、というところが。

そう言われるとそうですね。その感じは意識しましたね。淡々としていても、なんかこう、揺さぶられるような感じが出ればと。

──そういう曲にしようと思ったのは、歌詞の世界観があったから?

いや、それは個人的にこの曲はその歌詞を表現した感じにしたいなと思いました。

──あれだけ淡々とやってるわりに、10分間全然飽きさせないで緊張感を持続させて最後まで引っ張るのはすごい。

(腕をペチペチと叩く動作)

──腕が違うと(笑)。

いやいや(笑)。まあ考えましたね、それは。

──やはりこれは、ご自分たちとしても新しいチャレンジでしたか?

新しくなってるかは正直わからないですけど、この長さで1つの曲として成立させるという意味ではチャレンジでしたね。自分たちの基盤はだいたいもうあるんで、そのときの見せ方をどうするか。自分たちがやれることって、たかが知れてると思うんです。趣向を変えるというよりも、ちょっとずつ見せ方をズラしていくみたいな。そういったのが面白いかなと思う。

──それは回りの状況とか、今流行ってる音楽とか、そういうことは関係してきますか?

まったく関係ないことはないですね。

──例えば誰かのレコードを聴いて、インスピレーションが湧いたりとか、そういうこともあるんですか?

ありますね。まあ、でもバンド系はあんまりないですけどね。直接具体的にというよりは、最近の音はこういう音なんだなとか、バンドに置き換えたらこのへんをもっと太くしていこうとか、今の時代はこんな感じかな、みたいな。

──今の時代というのは、どういう時代ですか?

今は想像させる音のほうが多いですね。なんかこう、すべてが説明されてる音でなくて、隙間を聴かせるというか。なんとなく雰囲気で聴かせる。この音だと一部しか見えないけど、これとこれがあるとなんとなく“間”が感じられるような。そういう音のほうが最近は多いと思うんです。例えば、これは青で、こっちが赤だったら、なんとなく真ん中の色が想像つくみたいな。あんまりいろんな楽器で説明させない感じ。

──紫色をそのまま描くんじゃなくて、青と赤を見せて、その中間の色は何か想像させる。直接的に耳に聞こえるわけではないけれども。

そんな感じですね。こんな音を聴かせたいというのを直接入れ込むのではなくて、なんとなくそこを感じさせる音作り。なんかイメージできるっていう感じの音のほうが、今はいいのかなと思って。

──今回の曲だとアンビエントな部分がすごく効果的で。

聞こえてないような音もけっこういっぱい入ってるんで。周波数を変えてたりする。いろいろいじれば、実はこんな音が入ってるとわかるかもしれない。

──それは面白い話ですね。聞こえてる音だけが音楽じゃないと。

うん。その人がそこに音をイメージできるようなものがある。

終わっちゃえばもう次

Shinya(Dr)

──このシングルを作ったことによって、次の展開とか、そういうのは見えてきました?

ちょっとずつあります。終わっちゃえばもう次、なんで。

──もう次の構想とかあるんですか?

構想というか、制作はやってますけどね。

──おお。制作は常にやってるものなんですか?

常にやってる感じになっちゃいましたね。

──作品の重厚感というか、密度に比べて作品を出すペースが早いような気がいつもしているんですけど。ご自分でそういう自覚はありますか?

もっと言ってください。スタッフにつつかれてばっかなんで(笑)。まあ、しょうがないですよね。

──今はこのシングルのツアーのリハーサル中ということですが、どんな感じのツアーになりそうですか?(取材は9月上旬に実施)

「The Insulated World」の決定版な感じになりつつも、この曲も入ってくるんで、観応え、聴き応えはあるんじゃないですかね。自分でも楽しみですよ。

──ライブはお好きですか? 人によってはスタジオにこもってるほうが好きだという人もいますが。

スタジオにこもってるほうが好きです、自分は。どっちかって言うと。でもライブも好きですよ。やっぱりステージに上がりたいですから。

ライブ情報

TOUR19 This Way to Self-Destruction
  • 2019年9月15日(日)京都府 KBSホール
  • 2019年9月16日(月・祝)京都府 KBSホール
  • 2019年9月19日(木)兵庫県 Harbor Studio
  • 2019年9月20日(金)兵庫県 Harbor Studio
  • 2019年9月22日(日)香川県 高松festhalle
  • 2019年9月23日(月・祝)香川県 高松festhalle
  • 2019年9月28日(土)北海道 小樽GOLDSTONE
  • 2019年9月29日(日)北海道 小樽GOLDSTONE
  • 2019年10月5日(土)千葉県 市原市市民会館 大ホール
  • 2019年10月9日(水)埼玉県 大宮ソニックシティ 大ホール
  • 2019年10月11日(金)石川県 金沢市文化ホール
  • 2019年10月16日(水)福岡県 Zepp Fukuoka
  • 2019年10月19日(土)沖縄県 ミュージックタウン音市場
  • 2019年10月20日(日)沖縄県 ミュージックタウン音市場
  • 2019年10月27日(日)岩手県 盛岡市民文化ホール
  • 2019年11月5日(火)大阪府 なんばHatch
  • 2019年11月6日(水)大阪府 なんばHatch
  • 2019年11月13日(水)愛知県 Zepp Nagoya
  • 2019年11月15日(金)三重県 NTNシティホール(桑名市民会館)
  • 2019年11月19日(火)東京都 新木場STUDIO COAST
  • 2019年11月20日(水)東京都 新木場STUDIO COAST
OVERSEAS (EUROPE) TOUR20 This Way to Self-Destruction
  • 2020年1月25日(土)ロシア モスクワ・Glavclub
  • 2020年1月26日(日)ロシア サンクトペテルブルク・Aurora Club
  • 2020年1月28日(火)フィンランド ヘルシンキ・The Circus
  • 2020年1月29日(水)ドイツ ミュンヘン・Technikum
  • 2020年1月31日(金)ドイツ ドルトムント・FZW
  • 2020年2月1日(土)ドイツ ベルリン・Astra Kulturhaus
  • 2020年2月3日(月)ポーランド ヴロツワフ・Concert Center A2
  • 2020年2月5日(水)イギリス ロンドン・Islington Assembly Hall
  • 2020年2月7日(金)フランス ボルドー・Le Rocher de Palmer
  • 2020年2月8日(土)フランス パリ・Elysee Montmartre
※日程はすべて現地時間