Devil ANTHEM.インタビュー|活動休止を経て早くもカムバック、新生デビアンが見せる“再構築”の面白さ (3/3)

新メンバー2人はDevil ANTHEM.の「希望」

──現時点でのパフォーマンスの完成度は、どうしても前体制より劣ってしまうわけですが、くるみさんが「ゆっくり成長してほしい」と話していた通り、先輩メンバー4人としては焦らずにDevil ANTHEM.をしっかりと“再構築”していく、その工程を楽しんでいこうというスタンスなのでしょうか?

くるみ そうですね。私としては、前体制の5人がそのまま残って活動を再開するにしても、新メンバーは絶対に入れてほしかったんです。今までも新メンバーが加入して悪い方向に転がったことがないんですよね。客観的に見ても、新メンバーのスキルが追いついてないように感じるかもしれないけど、できない子ができないなりの100%のがんばりをステージにぶつけることが大事で。それがアイドルじゃないですか。その子ができないことはほかメンバーが補えるし、私たちとしては最初からできて当然、みたいな考えはまったくないです。

──結成11年目ということで、先輩メンバー4人の中に焦りもあるのではと思っていたのですが、心に余裕を持って新体制での活動に臨めているようで安心しました。

くるみ 今までは“5人”という形に甘えていた部分もあって。「この5人でいれば大丈夫」「この5人がデビアンだから」という思いが強かった分、あえてちょっと崩したいなと思っていたところもありました。先ほど「新メンバーの加入は既存メンバーの成長にもつながる」と言った通り、歌やデビアンの歴史をイチから教えていくことによって私たち4人のモチベーションももっと上がると思っています。例えば振りを教えている中で「ここ、私適当にやってたな」と再確認できたり、新メンバーの影響でデビアンの底力が上がっていく気がしますし、めいさちゃんと寧々ちゃんが入ってきてくれてよかったなと感じる瞬間がこの先もっとたくさん出てくると思います。ファンの方の中には「6人のデビアンは受け入れられない」と思っている人もいるかもしれないですが、この6人になったことを私たちが絶対に正解にしていくので、そのときまで見守っていてほしいです。

──そんな中、新体制初の楽曲として制作されたのが、“再構築”を意味するタイトルが付けられた「REBUILD」。作詞作曲を手がけたのはデビアンとゆかりの深い山下智輝さんです。

くるみ デビアンと言えば山下ソング、というイメージが私の中にあって。デビアンらしい曲を新体制一発目にリリースできるのがうれしいですね。今回もすごくカッコいい曲で、新メンバーにいきなりこの難易度が高い曲を歌わせるのも面白いですし、ライブで絶対に盛り上がると思います。

 歌詞が難解なんですけど、「行き止まりでももう大丈夫 君は歩ける」というフレーズはファンの方に対しても、私たち自身についても当てはまる言葉で。「再構築してもう一度歩き出そう」という思いが詰め込まれているように感じました。あと、Cメロの「芽吹く花アスファルトに希望という名前をつける」という歌詞の「芽吹く花」は、新メンバーのことを表しているのかなって。11年目のデビアンにしがみついてきてくれている2人を「希望」と表現するのは、自分の中ですごくしっくりきました。

竹越くるみ

竹越くるみ

水野瞳

水野瞳

くるみ めいさちゃんと寧々ちゃんは私たちの希望なんだね。

めいさ (目に涙を浮かべながら)泣いちゃう……。

 しばらくはこの曲をうまく歌って踊ることに必死になると思うんですけど、パフォーマンスに慣れていって、この曲のよさをファンの方にしっかりと伝えていけたらと思います。新メンバーへの期待や、「みんなで“再構築”をして、登っていけるとこまでいこうね」というメッセージが込められている気がして、大好きな曲です。

新生デビアンをぜひ楽しんでほしい

──2つ目の新曲「DCB」は、なんとヤマモトショウさんの提供ナンバー。ヤマモトショウさん節全開のサウンドワークで、デビアンの楽曲としてはかなり新鮮な印象があります。

侑芽 かわいさもありつつ、大人っぽさも感じられる楽曲だと思います。1回聴いただけで思わず口ずさみたくなるような曲ですね。

橋本侑芽

橋本侑芽

安藤楓

安藤楓

くるみ “今時感”がある曲だと思います。今までのデビアンは流行りに乗るというより、グループの核となる音楽性を貫いているイメージがあったんですよ。ファンの方からもデビアンの楽曲の歌詞について「デビアンって前と上ばっかり見てるよね」と言われて、「確かに!」と思ったことがあります(笑)。「DCB」は自分たちのかわいさを前面に出せる曲なので、初めて聴いたときはびっくりしました。

──「REBUILD」より「DCB」を先にレコーディングしたんですよね。塩崎さんと矢吹さんはこれが人生初レコーディング?

寧々 はい!

めいさ すごく緊張しました。まず、ブースの中にある機械がなんなのかよくわからなくて、ヘッドフォンの着け方から教わったのですが、「私、アイドルやっちゃってる!」と実感しました。その空間に自分がいるのがなんだか不思議で。

寧々 緊張しちゃって、手も足も声も震えちゃいました。

くるみ がんばったよね。私たちは新メンバーと初対面する前に、2人の声が入った「DCB」の音源を先にもらっていたんですよ。その歌声を聴いて、すごく大人っぽい子だなという印象を持ちました。

侑芽 初レコーディングなのに、すごく上手でした。

 ね! 歌うまいなと思った。

くるみ 2人は「皆さんに全然追いつけないです!」と言うんですけど、そんなことないです。最初からできあがっているなと思いました。「DCB」はこの6人で初めて完成させた楽曲なので大切に歌っていきたいし、注目される曲になってくれたらうれしいですね。

──サビの「かわいい悪魔がかえってくるよ」という歌詞が特にキャッチーですね。

 「かわいい悪魔」はもちろん私たちのことです! めいさちゃんは「DCB」というタイトルの意味に気付いたんだよね。

めいさ はい。「Devil Come Back」です。

くるみ これが正解かわからないんですけど(笑)、めいさちゃんが急に「私思いついちゃって!」と言い出して。

めいさ 読み解いちゃいました(笑)。

矢吹寧々

矢吹寧々

塩崎めいさ

塩崎めいさ

くるみ (笑)。この初々しさをキープし続けてほしいです。

 大人に成長したら寂しくなっちゃう。

──そして3月23日に東京・Spotify O-WESTでDevil ANTHEM.の再始動ライブが開催されます。新メンバーの2人にとってはこれが人生初のステージですね。

くるみ 私たち先輩メンバーもドキドキしています。フォーメーションの立ち位置が5人から6人バージョンに変わって混乱しているので、ファンの方たちに「先輩メンバーのほうが仕上がってないじゃん」と思われないようにがんばります。

めいさ 初めての緊張感、表情をファンの方たちも共有できると思うので、その状態を楽しんでいただければと思います。私たちの成長を見守ってくださったらうれしいです。

寧々 緊張でいっぱいですが、今までのデビアンファンの方に認めていただけるようにがんばります。

──アイドルファンは基本的に新しいもの好きですし、2人のことを温かく受け入れてくれると思います。悩みながらも“続ける”ことを選択した4人と、そこにまっさらな状態で加わった新メンバー2人。これからのデビアンが非常に楽しみになりました。

くるみ 私たち自身、今すごく楽しいので、新生デビアンをぜひ楽しんでほしいです。いっぱい推し変してもらって大丈夫なので!(笑)

Devil ANTHEM.

Devil ANTHEM.

公演情報

Devil ANTHEM. 再始動単独公演「Rebuilders vol.1」

2025年3月23日(日)東京都 Spotify O-WEST


Devil ANTHEM. 再始動単独追加公演「Rebuilders vol.2」

2025年4月1日(火)東京都 WWW X

プロフィール

Devil ANTHEM.(デビルアンセム)

2014年に結成され、「Make Some Noise」「沸ける正統派アイドル」をキャッチコピーに活動しているアイドルグループ。“楽しく沸けるライブ”を追求し、ステージ上から放つエネルギーとフロアの熱量で独自の世界観を構築している。2023年5月にビクターエンタテインメントからシングル「ar」をリリースしてメジャーデビューを果たした。同年12月に東京・TOKYO DOME CITY HALLで結成9周年記念ワンマンライブを開催。2024年10月に結成10周年を記念したベストアルバム「The Best Miraculous Trajectory」を発表した。12月には結成10周年記念ワンマンとして再びTOKYO DOME CITY HALL公演を行い、このライブをもって一時活動を休止。新メンバーの塩崎めいさと矢吹寧々を迎え、2025年3月に活動を再開させる。