Devil ANTHEM.インタビュー|活動休止を経て早くもカムバック、新生デビアンが見せる“再構築”の面白さ (2/3)

新メンバー2人がDevil ANTHEM.に加入するまで

──塩崎さん、矢吹さん、お待たせしました。ここからは新メンバーであるお二人の話をじっくり聞かせてください。まず、どのような経緯でデビアンに加入することになったのか、1人ずつ教えてもらえますか?

塩崎めいさ 私は芸能活動がしたくて好きなタレントさんがいる芸能事務所に何件も履歴書を送っていたんですけど、何を思ったのか、オーディション用の履歴書に書いてある項目の「歌」に丸を付けていたみたいで。事務所から「歌ではないんだけど、アイドルをやってみない?」と電話がかかってきて驚きました。以前にアイドル活動を勧められたことがあったし「もしかして私、アイドルっぽいのかな。だったら1回やってみてもいいかも」と思い、お話を聞きに行って。芸能活動に専念したいという気持ちが強かったので「時間はいくらでもあります」と伝えたら、「じゃあ明日からボイトレやろう」と言われ、それから今に至ります。

塩崎めいさ

塩崎めいさ

──それまではステージで歌って踊ることについて、経験もなければ興味もあまりなかったんでしょうか?

めいさ 高校生のときはダンス部でしたし、ピアノの経験もあるので、音楽自体はすごく好きでした。ただ、自分がアイドルになるなんて全然考えたことがなかったです。アイドル業界のことも全然知らないですし、右も左も正面も、何もかもわからない状態で。

 正面はわかってほしい(笑)。

矢吹寧々 私はずっと山口県に住んでいて、中学2年生のときに旅行で東京に来たタイミングでスカウトされました。そのとき声をかけてくださった方と連絡を取っているうちに、佐藤さんを紹介していただいて。何度か話をしていたんですけど、芸能活動を始める覚悟を持てなくて、そのまま普通に生活していました。そんな中、高校2年生の秋ぐらいに父の転勤で東京に引っ越して、デビアンが出ているライブとかを観に行かせていただくようになり……。

 そうだったんだ!

 全然知らなかったね。それ、何年前くらいの話?

寧々 3、4年前だと思います。その後、大学1年生になった去年の夏頃にまた佐藤さんとお話しして、「そろそろレッスンを始めてみない?」と提案いただきました。私の返事は「うーん」という感じだったのですが「とりあえず一旦やってみようよ」「じゃあ、やってみます」と話が進んで、去年の8月くらいにレッスンが始まって。私としてはさらっとレッスンを始めた形だったし、実際に加入する展開になるとは思ってなかったんですよ。だからそういうお話をいただいたときは急に現実が目の前にやって来たというか、芸能活動の経験がまったくなかったからプレッシャーを感じたし、デビアンのライブを観ていたからこそ、その中に入る自信が本当になかったです。

矢吹寧々

矢吹寧々

くるみ だって、「とりあえずレッスンをやってみようよ」という話だったんだもんね。

寧々 はい。歌も踊りも苦手だし「できない」と思っちゃって1回加入を見送る形になったんですけど、そのあともう1回佐藤さんとお話しをして。「ここまでレッスンをがんばってきたし、アイドルなんて普通に生きてたら経験できないことだからやってみよう」と決意しました。

──もともとアイドルには興味はあったんですか?

寧々 アイドル自体は好きだったんですけど、自分がなるのは絶対に無理だろうなと思っていました。

先輩メンバーと初対面したときのファーストインプレッション

──塩崎さん、矢吹さんと先輩メンバー4人が初めて会ったのはいつ頃ですか?

 2月1日です。

──ついこの間なんですね(※取材は2月上旬に実施)。

くるみ はい。その日に新体制でのレッスンが始まりまして。その前に事務所に集合して、初対面しました。

──新メンバーが入ること自体は知っていたんですか?

 知っていましたが、何人入るのか、詳細は聞いていませんでした。

くるみ 初対面のときに2人のことを知ったんですけど、第一印象は「かわいい」でした。

 うん。すごくかわいい。

くるみ いったいどこから、どうやってこんなかわいい子を連れてきたんだろうと驚きました。今まで表に出てきてなかったのが信じられない。しかも2人とも19歳なんですよ。瞳ちゃんがデビアンに入ったときは中3、侑芽と楓に至っては中1で、その年齢でウブなのは当たり前じゃないですか。いい意味で、大学1年生くらいの年齢でこんなにピュアな子がいるんだと新鮮でした。2人からしてもやる仕事すべてが新鮮だろうし、何に対しても驚いているのがかわいいです。それと、歌やダンスのスキルを考慮しないで加入させるのが佐藤さんらしいなと思いました。

Devil ANTHEM.

Devil ANTHEM.

──今のアイドルシーンではすでにアイドルの経歴、いわゆる“前世”がある人を即戦力として既存のグループに迎え入れることが多いですし、10年の歴史があるデビアンに未経験の新メンバー2人が加入するのは面白い展開ですよね。塩崎さんと矢吹さんは、先輩メンバー4人と初めて会ったときにどんな感想を抱きましたか?

めいさ メンバーの皆さんと会わずに2人だけでレッスンしていた期間が長かったので、まず不安な気持ちがありました。先輩たちが今まで積み上げてきたものが大きすぎて、そこに私が入っていっていいのだろうかという疑問があって。「なんか、ずるくない……?」と思っちゃったんですよ。メンバーの皆さんも同じように感じるんじゃないかと思いましたし、とにかく不安でした。でも2月1日、初対面のときに扉を開けたら、ずっと映像の中でしか観ていなかったメンバーの皆さんがそこに広がっていて……。

くるみ 広がっていて(笑)。まるで大勢いるみたい。

めいさ もうとにかくかわいすぎるっていうのが、ファーストインプレッションでした。そして最初に「これまで練習をがんばってきてくれてありがとう」と声をかけてくださって。

くるみ ……(小声で)それ私ですね。

 ここでドヤ顔すると、話が嘘っぽくなるから(笑)。

めいさ そのことにとても感動したし、それがひと言目に出てくる人間性が本当にすごいなって。心の芯から優しい方じゃないと言えない言葉だと思うんですよ。そのひと言で「ついていきます!」という気持ちになりました。

寧々 私も、本当にかわいくて優しい方たちだなと感じました。やっぱりすでにできあがってるグループに入るというのが不安でしかなくて、「受け入れてもらえないかも」と思っていたんです。だから、優しくしてもらえてうれしかったです。

めいさ 佐藤さんには「私、何もできないんです」とずっと伝えていて。「できなくていいから笑顔でがんばってればいいんだよ」と言っていただいたんですけど、できないにしても最低限のレベルがあるじゃないですか。実際、本当に何もできなくて迷惑をかけまくってるんですけど、先輩たちがすごく優しくて……。

くるみ 私たちは2人のことを大型新人って呼んでるんですよ。既存メンバー4人とキャラクターが被ってないし、2人もそれぞれ違うタイプだし、すごく楽しみな存在です。

 私たちは私たちで「まあ、私なんでもできるし」みたいなお高く止まった子が来たらどうしようと不安だったんですけど、2人の「はじめまして!」という幼い声を聞いた瞬間、「赤ちゃんだ!」と思って安心しました(笑)。私、妹がいるんですけど、2人とも妹っぽさが強くて、お姉ちゃんみたいに振る舞っちゃいます。

くるみ 今までは瞳ちゃんが最年少で、メンバーの中で一番の赤ちゃんだったんですよ。騒いじゃいけないときに騒いだり、言っちゃいけないことを言っちゃったり、「ここで泣く!?」っていうタイミングで急に泣き出したり。でも2月1日から急にお姉さん感が増し始めました(笑)。新メンバーの加入は既存メンバーの成長にもつながるんですよね。部下の成長は自分の成長でもあるというか。だから、本当にいいことしかないんですよ、新メンバーの加入って。2人にはゆっくりといろいろなことを教えて、ゆっくりと成長してもらおうかなと思っています。雛鳥を育てるみたいに。

──新メンバーの2人はいつ頃レッスンを始めたんですか?

めいさ 9月くらいから2人でレッスンしていました。性格は本当に正反対なんですけど、変なマイナス思考なところとかはすごく似ていて、レッスンの帰り道はもう共感の嵐です。最初に会ったときに、もう1人の新メンバーがこの子でよかったなと思いました。ラブリーすぎる“ザ・アイドル”な子だったらついていけないかもと思っていたんですけど、寧々ちゃんはわりとサバサバしていて「この子とだったら一緒にがんばれそう!」と感じて急速に心を開きました。

寧々 めいさちゃんと初めて会ったとき、まずかわいいなと思って。しかも、ボイトレのときにすごく声量が大きくてすごいなと驚きました。