D'ERLANGER|“4人が楽しむ”を根底に バンド感を凝縮した新作「roneve」

人が心の端に寄せてる感情をくすぐりたい

──歌詞についてもお伺いしたいのですが、kyoさんの歌詞は非常に艶のあると同時に、時代に左右されない言葉使いを意識されているのかなと感じていて。kyoさんが作詞にあたって意識していることはありますか?

kyo 常に文学的でありたいっていうのはどこか意識してるところはありますね。例えば「スマホ」という言葉を使わないのは、僕にとって歌う言葉ではないので、歌詞には出ない。あくまで日常会話の言葉なんです。それと、人が心の端に寄せてる感情をくすぐりたいというのはあります。

──具体的にはどういった感情でしょうか?

Tetsu(Dr)

kyo ホントは持っていることを意識してるけど、あまり表に出したくない感情というか。そういった感情をちょっとくすぐってあげたいというのはありますね。今回はアルバムタイトルが制作を始めた頃にすでに正式に近い状態で決まっていたので、歌詞を書く部分では「roneve(悪魔)」をイメージしながら書いていきました。それとサウンド全体にロックバンドとしての太さが出ていると感じたので、そういうところにストレートに向かい合って。バンドですから、4人の音が重なって形になったときの音……カッコいい言い方をすれば、サウンドに曲の世界に連れて行ってもらうようにして書いていきました。

──kyoさんの歌詞や歌によって、演奏が変化する部分はありますか?

SEELA 歌によってというか、ライブでやっていくとやっぱり自然と変わっていくところはあります。

Tetsu 今回のアルバムの曲もライブでは思いっきり変わるでしょうね。アルバムに収録されているのは完全にレコーディングモードだから、ライブになると演奏しているときに全然違う気持ちになる。

kyo やっぱりライブになるとその場の空気やお客さんのテンション、メンバーの気持ちとか、その瞬間瞬間によって変わっていきますから。いい意味で引っ張られて変化していくものがあります。だからとにかく生で演奏するのが楽しいんです。

まだD'ERLANGERを楽しみたい

──アルバムリリース直後からツアーが始まりますが、ファイナル以外は各会場2公演ずつ開催されます。

Tetsu 順当にいったらどちらかの日がアルバムメインで、もう1日が旧作を交えたセットリストという日になるでしょうけど、今回は曲をミックスしたい気持ちもあるんです。5月に入ってからリハーサルが始まるんですが、そのときまで決まらないでしょうね(取材は4月下旬に実施)。D'ERLANGERはいつもそんな感じです。

──そうなんですね。

Tetsu 前にアルバムを出して、各地で2公演ずつライブをするツアーを組んだんだけど、片方の日にだけ新曲だけ混ざるといい意味でも悪い意味でもすごい緊張感あったんですよ。緊張感があるツアーもいいんですけど、年々楽しい緊張感のほうがいいかなと思い始めて。

──選曲の話し合いはどうやって進めているんですか?

CIPHER 言ったもの勝ちやね。なんにも言わへん人もいるし。事前に決めても変わっていくし。だからそれこそ楽しく自由に変えていっているわけです。

──楽しむことが基本だと。

kyo そうですね。ライブは1回1回違うものだから、聴き逃さないようにしてほしいですね。僕たちもそうで、1曲1曲を聴き逃さないようにしながら演奏したい。

──ツアーを終えたあと、何か予定されていることはありますか?

kyo 特に計画していることはないですけど、D'ERLANGERでやりたいことはたくさんあります。例えば「Spectacular Nite -狂おしい夜について-」(2015年4月リリースのアルバム)のうち3曲をL.A.でレコーディングをしたときにいろんな経験をして、そこで見た景色が帰国してから作った曲に影響した部分があったんです。だから今度はアルバム1枚を海外で録ってみたい。あとは、D'ERLANGERとしてライブをしてない会場もあるし……。

──以前、インタビューで日本武道館でライブをしたいとお話しされていましたね。

kyo そうですね。また武道館でライブもしたいな。

──D'ERLANGERのメンバーの皆さんは、1990年に解散したあとそれぞれがバンド活動を続けて、2007年に再結成されてから休むことなく活動を続けています。そこには4人でいる心地よさであったり、今の状況が理想的であったりするところがあるんでしょうか?

kyo そうだね。僕は単純にボーカリストとして歌を歌えていればいいというものじゃないんです。そうやって考えるとおのずと答えが出てくる。D'ERLANGERの4人の間にある緊張感、作っているもの、作っていく過程、すべてが理想です……というと優等生の答えっぽいけど。活動している中で足りないものも見えてくるし、悔しくなる出来事もある。そうするとまだやりたいこと、やらなきゃいけないことが見つかるんです。それがバンドの進化につながればいいなと思っています。

CIPHER 俺は理想がどうという考えはなくて、至極真っ当にバンドに向き合っているんですね。よき方向に精進してるだけのことだから、これがベストだとは思ってやってない。ベストというかゴールが決められたら簡単なんでしょうけど、バンドをやるってそういうことではないから。それぞれほかにもやりたいことがあったらやればいいと思うし。ただ、先がどうなるかわからないですけど、こうやってアルバムが完成して、ツアーを控えている状況があると、まだD'ERLANGERを楽しみたいと思うんですよ。

ツアー情報

2019 D'ERLANGER TOUR
  • 2019年5月25日(土)大阪府 梅田CLUB QUATTRO
  • 2019年5月26日(日)大阪府 梅田CLUB QUATTRO
  • 2019年6月1日(土)福岡県 DRUM Be-1
  • 2019年6月2日(日)福岡県 DRUM Be-1
  • 2019年6月8日(土)石川県 金沢EIGHT HALL
  • 2019年6月9日(日)石川県 金沢EIGHT HALL
  • 2019年6月15日(土)愛知県 名古屋ReNY limited
  • 2019年6月16日(日)愛知県 名古屋ReNY limited
  • 2019年6月22日(土)北海道 cube garden
  • 2019年6月23日(日)北海道 cube garden
  • 2019年6月29日(土)岡山県 YEBISU YA PRO
  • 2019年6月30日(日)岡山県 YEBISU YA PRO
  • 2019年7月6日(土)宮城県 darwin
  • 2019年7月7日(日)宮城県 darwin
  • 2019年7月15日(月・祝)東京都 マイナビBLITZ赤坂