事務所の先輩後輩として知り合い、現在もライブで共演するなど交流の深いkyo(D'ERLANGER)とHYDE(VAMPS、L'Arc-en-Ciel)。D'ERLANGERが「J'aime La Vie」、VAMPSが「UNDERWORLD」というアルバムをリリースしたことを記念して、音楽ナタリーでは彼らの対談を企画した。
それぞれ長いキャリアを誇り、艶のある圧倒的な歌声で多くのリスナーを魅了し続けている2人。旧知の仲である彼らに、出会ったときの印象や互いの新作、そして歌う理由について幅広く語り合ってもらった。
取材・文 / 中野明子 撮影 / 西槇太一
「金髪真似していいですか?」
kyo 今日はありがとう。忙しいのに。
HYDE いえいえ! kyoさんのためなら。
kyo こうやって対談するのは7年ぶりくらい? 僕がラジオ番組をやってたときにゲストに来てもらったりとか、そういう絡みはあったけど、こうやって話すのはひさしぶりだよね。DIE IN CRIES時代になるけど、HYDEは僕にとって初めてできた事務所の後輩で。
HYDE もうね、kyoさんは怖かったですよ(笑)。
kyo いやいやいや! そんなことないでしょ?
HYDE 話すと優しいんだけど、僕はD'ERLANGERの曲を聴きまくってたんで。出会ったときは雲の上の人だったし、ヘタにしゃべりかけられなくて。僕にとっても先輩らしい先輩ってkyoさんが初めてだったんで、どう接していいかわからなかった。
kyo そういう意味では僕も後輩慣れしてなかったもん。でも、知らぬ間に仲良くなったよね。僕が事務所にいた頃は、忘年会もわりとこじんまりしてて。だからHYDEとは忘年会で会って仲良くなっていった感じだったかな。でも、前より今のほうが会う機会が増えたね。
HYDE (VAMPS主宰の)「HALLOWEEN PARTY」に出演してもらったときにお会いしたり。そういうときに近況を報告して。
kyo 「最近どうよ?」とか。「あの曲聴いた?」みたいな音楽の話は、今も昔もしない。そもそもボーカリスト同士でそういう話ってする?
HYDE しないですねえ。kyoさんとは「なんでいつまでもそんなに細いんですか?」とか「体力作りどうしてますか?」とかそういう話をしてる気がします。あと「金髪真似していいですか?」とかお伺いしたり。前に金髪にしたのは、完全にkyoさんの真似でした。最近ひさしぶりに金髪にして。
kyo HYDEは金髪が似合うよね。しかもHYDEは律儀で、写真をわざわざ送ってきて「報告遅れましたが、金髪、真似してます」って連絡してくるの。
HYDE 今回は報告まだでしたが……。
kyo 別に報告しなきゃいけないものでもないから(笑)。
HYDE いや! kyoさんは金髪王子だからちゃんと連絡しないと。今回も真似させてもらってます。
kyo はははは(笑)。
天才肌のkyoと準備を怠らないHYDE
HYDE 25年くらい前にkyoさんに初めて会ったときは怖かったけど、話をするようになってからは印象は変わってないですね。すごく優しい先輩です。
kyo もっと言って(笑)。
HYDE ホントに優しくて、カッコよくて、絵に描いたような先輩です。作る音楽も素晴らしくていつも影響を受けてます。
kyo それは褒めすぎだよ。
HYDE はい、今ちょっと褒めすぎましたね(笑)。
kyo でもそういうふうに言ってもらえるのは素直にうれしいし、僕もHYDEと仲良くなってからは印象は変わらないね。HYDEの25年は僕の25年とは違って、大きな渦の中に入っていった25年だったと思うので、僕よりもたくさんの人間やいろんなシチュエーションを見てきたと思うけど、今も昔もしっかり自分があって根本が変わってない。それは、当時を知ってる人間にとってはうれしいこと。HYDEって根本が強いんだよね。ビジュアルに関してもそうだし、自分の歌に対してもそうだし、きちんと自信を持っていて自分と向き合ってる。あとこれは言っていいのかわからないけど、準備を怠らない。それは昔から感じてた。英語の勉強も随分前からしているのを横目で見てましたから。
HYDE ありがとうございます。努力かどうかはわからないですけど、準備はしてますね。そうしないとダメなんです。逆にkyoさんは根っからの天才だし、最初っからスタイルができてるじゃないですか。僕、いまだにkyoさんの真似してますからね。まず金髪に惹かれて……あとロックでクレイジーな部分がありつつ、狂気と反比例するかのように大人セクシーで。それがD'ERLANGERの独特の匂いなんですよね。20代の前半からそれを狙えたのはすごいですし、新しいアルバムを聴いてもそれを貫いているし見事だなと。やっぱり天才だし、一生このスタイルでいけるっていうのをD'ERLANGERに入ったタイミングでわかってたんだろうなって。
kyo いや、そんな大したことではなくて、僕たちの時代ってチョイスできるものがすごく少なかったからさ。音楽の情報も少ないし、その中で「これ」っていうものに飛び付いただけ。だから一番影響を受けやすい年代のときに、そんなに数多くの音楽を聴いていないんだよ。だからこそ、その影響が濃いんでしょうね。メンバーもそうで、今回のアルバムもCIPHER(G)が曲を作ってきて、日常会話の中で自分たちが憧れるアーティストの話をしていく中でアイデアが湧いたりしていく。曲を作っているときに例えばデヴィッド・ボウイの世界観の話をしながら、自分たちが憧れていたものの共通項を見つけて言葉を乗せたり、遊んだりしているところがあるよね。
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そうだ、バンドってこうだよな
- D'ERLANGER「J'aime La Vie」
- 2017年5月3日発売 / Warner Music Japan
-
初回限定盤 [CD+DVD]
5000円 / WPZL-31272~3 -
通常盤 [CD]
3240円 / WPCL-12535
- CD収録曲
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- Kilmister=Old NO.7
- Harlem Queen Complex
- Harlem Queen Romance
- LOVE is GHOST
- バライロノセカイ-Le monde de la rose-
- Je t'aime
- Vanilla
- Mona Lisa
- Everlasting Rose
- 沈む
- Loveanymore -J'aime La Vie version- (※通常盤のみ収録)
- 初回限定盤DVD収録内容
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【after the elapse of 10years...History of 2007~2016】
- dummy blue(2007.12.24 SHIBUYA-AX)
- Sensual Dance(2008.12.24 SHIBUYA-AX)
- Angelic Poetry(2009.12.24 SHIBUYA-AX)
- ALONE(2010.12.24 SHIBUYA-AX)
- Singe et Insecte(2011.12.24 SHIBUYA-AX)
- MARIA(2012.12.24 SHIBUYA-AX)
- Beast in Me(2013.12.24 SHIBUYA-AX)
- Dance naked,
Under the moonlight.(2014.12.24 CLUB CITTA') - CRAZY4YOU(2015.12.24 TSUTAYA O-EAST)
- LA VIE EN ROSE(2016.12.24 TSUTAYA O-EAST)
【PHOTO SHOOTING 2017】
D'ERLANGER最新フォト・セッション映像
- VAMPS「UNDERWORLD」
- 2017年4月26日発売 / Virgin Music
-
初回限定盤A
[SHM-CD+Blu-ray Disc]
5400円 / UICV-9236 -
初回限定盤B
[SHM-CD+DVD]
4320円 / UICV-9237 -
初回限定盤C
[SHM-CD+Blu-ray+DVD+スカジャン]
18360円 / UICV-9238 -
通常盤 [CD]
3240円 / UICV-1082
- CD収録曲
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- UNDERWORLD
- CALLING
- BREAK FREE feat. KAMIKAZE BOY of MAN WITH A MISSION
- DON'T HOLD BACK
- BLEED FOR ME
- IN THIS HELL
- INSIDE OF ME feat. Chris Motionless of Motionless In White
- RISE OR DIE feat. Richard Z.Kruspe of Emigrate / Rammstein
- SIN IN JUSTICE feat. APOCALYPTICA
- B.Y.O.B. (BRING YOUR OWN BLOOD)
- RISE UP
- 初回限定盤A / 初回限定盤C Blu-ray収録内容
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- 2016年9月17日 ZEPP TOKYO公演ライブ映像
- 初回限定盤B / 初回限定盤C DVD収録内容
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- CALLING ミュージックビデオ
- CALLING ミュージックビデオ メイキング
- INSIDE OF ME ミュージックビデオ
- RISE OR DIE リリックビデオ
- SIN IN JUSTICE リリックビデオ
- VAMPS LIVE 2016 ツアードキュメンタリー
- D'ERLANGER(デランジェ)
- 1983年に結成。メンバーチェンジを経てkyo(Vo)、CIPHER(G)、SEELA(B)、Tetsu(Dr)という編成となり、1989年にデビューアルバム「LA VIE EN ROSE」をリリースする。1990年1月にシングル「DARLIN'」でメジャーデビューを果たすも同年末に解散。それぞれソロ活動を行っていたが、2007年に解散時のメンバーが集まり再始動する。同年3月にベストアルバムとオリジナルアルバム「LAZZARO」を発表し、2008年4月にはキャリア初となる日本武道館公演を開催する。以降もライブとリリースを重ね、2015年4月には初の海外レコーディング作品となるアルバム「Spectacular Nite -狂おしい夜について-」を発表した。2017年4月の再結成10周年記念ライブを東京・チームスマイル・豊洲PITにて実施。5月に2年ぶりとなるオリジナルアルバム「J'aime La Vie」を発表。
- VAMPS(バンプス)
- HYDE(Vo / L'Arc-en-Ciel)とK.A.Z(G / OBLIVION DUST)が2008年に結成したロックユニット。全国のZeppにて連続公演を行う“籠城型ツアー”をはじめ、アリーナ公演、夏季の野外ライブ、ハロウィンイベントなど、多彩なスタイルのライブを実施。海外でも精力的にライブを行っている。2013年にユニバーサル・ミュージックに移籍し、9月に全曲英語詞によるベストアルバム「SEX BLOOD ROCK N' ROLL」を世界各国で発表。同月末よりヨーロッパツアーを開催した。2014年にはイギリスの野外フェス「Download Festival 2014」に初出演を果たす。2015年2月には東京・日本武道館で企画ライブイベント「VAMPARK FEST」を行い、SIXX:A.M.、sads、[Alexandros]など国内外のアーティストと競演する。同年11月にApocalypticaとのコラボシングル「SIN IN JUSTICE」を発表したことを機に、海外アーティストやプロデューサーとのコラボレーションを展開。2017年4月に4作目となるオリジナルアルバム「UNDERWORLD」をリリースした。