D'ERLANGERにとって2年ぶりとなるオリジナルアルバム「roneve」が5月22日にリリースされた。
2017年に再結成10周年を迎えたあとも、コンスタントにライブ活動を重ねてきた彼ら。「roneve」はそんな彼らの今のモードを凝縮し、バンド感に満ちた作品に仕上がっている。今回はメンバー4人に話を聞き、アルバム制作におけるエピソードや、D'ERLANGERの未来について語ってもらった。
取材・文 / 中野明子
メリーとcali≠gariはかわいい後輩
──4月にメリーとcali≠gariと共演されたイベント「ABSTINENCE'S DOOR」の話からお伺いしたいのですが、1年半ぶりの「ABSTINENCE'S DOOR」はいかがでしたか?
kyo(Vo) レコーディング明け一発目のライブだったので、気持ちを発散させたい思いがありましたね。会場(チームスマイル・豊洲PIT)の音響もよくて、対バンを含めて楽しんでできました。
Tetsu(Dr) cali≠gariは何年か前に一緒に競演してて、ライブに飛び入りもしたことあるし、飛び入りしてもらったこともあって。イベントが終わってから気付いたんですけど、メリーは「ABSTINENCE'S DOOR」の初回に出てきてもらっているので、先日の10回目に出演してもらってキリがよかったなと。2組共かわいい後輩ですね。
──cali≠gariとメリーはそれぞれD'ERLANGERの楽曲をカバーされていましたね。
kyo cali≠gariの「1999 ~Shyboy story~」もメリーの「So…」も“D'ERLANGER愛”を感じましたね。「1999」のほうは僕も加わっちゃったので客観的に見れてないんですけど(笑)。メリーはトリビュートアルバム(2017年9月リリースの「D'ERLANGER TRIBUTE ALBUM ~Stairway to Heaven~」)で「So…」をカバーしてくれたんですが、ライブでは初披露だったらしく、生で聴けてうれしかったです。
SEELA(B) 自分たちの曲をカバーしてもらえるなんてありがたいですよね。それぞれアプローチが違うから、聴いていて面白かったです。バンドの特性がわかるというか。
だって俺が作んないんですもん(笑)
──D'ERLANGERは再結成から12年が経ち、13年目に突入しましたが、2007年に再結成した際には今のように活動しているイメージやビジョンは思い描いていましたか?
kyo 4人でもう一度音を出したことが気持ちよかったので、その気持ちよさをそのまま演っていたら時間が経っていた感じです。もちろん2017年に再結成10周年を迎えて、この4人で10年進んできたことは感慨深いものはありましたけど。10周年のときはお祭りっぽくにぎやかに、皆さんに力を貸してもらってやってましたが、それを経て今は4人でD'ERLANGERをじっくり楽しんでいます。
──その“D'ERLANGERを楽しもう”という気持ちがアルバムに表現されていると感じました。「roneve」は「J'aime La Vie」以来2年ぶりのアルバムですが、制作にあたって皆さんで方向性やコンセプトを話し合ったんですか?
kyo 話し合いはしてないですね。「ここでアルバム作ろう」という目標値を立てて準備を始めて。
──制作はいつ頃スタートしたんですか?
CIPHER(G) 今年の2月ぐらいやな。だから最近です。だって俺が曲を作んないんですもん(笑)。
──いつもそんなに短い期間でアルバムを作ってるんですか?
kyo そうですね、わりと集中して作ってます。準備含めても制作期間は2カ月もかかってないんじゃないかな。
──それはかなり速いスピードですね。制作の流れはどんな形で?
SEELA 今まで通り、CIPHERのデモテープを聴いてからプリプロでアレンジを考えて、音を頭に思い浮かべながらレコーディングに臨みました。僕の場合はTetsuのドラムがどうくるかによってアレンジを変えたりもしますし。普段から全員で大枠を決めて、レコーディングで個々に詰めていってます。
kyo みんなで「せーの」で作ってる感じですね。
──近年だとコンポーザーがデモテープを細かく作って、個々にレコーディングをするスタイルなども多いと思うのですが、D'ERLANGERは全員で作っていくのが定番だと。
kyo そうですね。そういう意味では最近多い作り方とは真逆だと思います。でも、それがD'ERLANGERの音に表れているんじゃないかな。
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ワクワクした気持ちがあれば最高なものになる