音楽ナタリー Power Push - でんぱ組.inc

激動の2015年を総ざらい&全国ツアーの展望を語る

でんぱ組.incが1月9日より「GOGO DEMPA TOUR 2016 ~まだまだ夢で終わらんよっ!~」と銘打った全国ツアーを開催する。今年2月から5月にかけて彼女たちは全27公演にも及んだ全国ホールツアー「WWD 大冒険 TOUR 2015 ~この世界はまだ知らないことばかり~」を実施。今回のツアーで6人はそれをさらに上回る全30公演に挑戦し、再び全国のファンのもとへと訪れる。

音楽ナタリーではでんぱ組.incに2015年の活動を振り返るインタビューを行い、2016年の全国ツアーに対する意気込みを語ってもらった。

取材・文 / 古川朋久 撮影 / 塚原孝顕

やりたかったことがいろいろ叶った年でした

──今年はグループ史上でも、過去最多と言ってもいいくらいさまざまな活動をしていたんじゃないかなと。音楽ナタリーのニュースでも頻繁にでんぱ組.incの名前が登場しました。

でんぱ組.inc

夢眠ねむ そう言われると忙しかったのかもしれないけど、振り返るとそんなに忙しかったっけって感じで。体が忙しさに慣れちゃったのかな?

成瀬瑛美 確かに慌ただしかったけど、合間に好きなことや趣味を楽しむ時間はありましたね。きっと、みんな時間を捻出するのがうまくなったんだと思いますよ。

夢眠 全国ツアーやワールドツアーもやってたし、思い返すと家にはあまりいなかった気はします。言われてみると洗濯をして家を出る、みたいな慌ただしい日々が今年前半は多かったですね。

相沢梨紗 そうそう。上半期は家に引きこもれず、みんなお仕事やライブでバタバタしていたと思います。本当にこういう状況に感謝しなきゃですね。

藤咲彩音 私は時が経つのがすごく早く感じられました。昨年末に今年の抱負を言ったのが本当に昨日のような気がして。

最上もが 確かにもう年末かっていう感じはあるね。

──「今年はめちゃめちゃ大変でもう倒れそうでした!」って返答が来るのかと思ってたんですけど、実際はそんな感じでもないんですね。

成瀬 やっぱりこのスピード感でのお仕事に慣れたのかなっていうのと、みんな楽しんでお仕事をやれているのが大きいと思います。

相沢 あと、去年やりたいって言ってたことが今年になってだいぶ叶ったというのも大きいですね。アニソンを歌いたいっていうのも叶いましたし、音楽番組に出たいっていうのも「ミュージックステーション」出演で叶いました。それにずっとやりたかったワールドツアーもできましたし。確かにたくさんのことが決まって大変ではあったんですけど、お仕事の種類が全然違うからよかったんだと思います。私たち、同じことをずっとやり続けるのが苦手なんですよ。全部違うスイッチを押すようなお仕事だったから楽しんでやれたのかなって。

古川未鈴

古川未鈴 私としては特に今年の夏が印象深かったです。野外でライブをやらせていただくことが多かったんですけど、たくさんのお客さんの前で歌うことができて夏を満喫できました。

──でんぱ組.incは今年さまざまな夏フェスに参加されてましたよね。

藤咲 「マグロックフェスティバル2015」が楽しかった! 美味しいマグロの匂いを嗅ぎながらライブをするのってこんなに幸せなのかと(笑)。家でマグロックのタオルを使っているんですけど、タオルを見るとそのときの思い出が蘇ってきます。

夢眠 今年、ライブやフェスでもらったタオルの数がすごくて。もちろん活用させてもらってます!

相沢 「氣志團万博2015」でいただいたタオルが個人的には使い心地がめっちゃいいです(笑)。

──今年はタオルとTシャツがいっぱい増えた年でもあるんですね(笑)。

夢眠 それでいうと「ミュージックステーション」に出演したときにいただいた箱ティッシュはなかなか使えなかったです。振り付けの先生やお姉ちゃんに1箱ずつあげて、自分ではもったいないから使わないという(笑)。でも2回目の出演が決まって、使わせていただきましたよ。

──そんなにすごいティッシュなんですか?

古川 いやあ、もういい香りがね。

夢眠 香りはしないでしょ(笑)。あとタモリさんが優しかったよね。空き時間に話しかけてくださって。

古川 私たちのCDと一緒にカセットテープをお渡ししたときに、すごく興味を示してくださったのがうれしかったです。

夢眠 今年はレジェンドの方にお会いできたという意味でもいい年でしたね。

今まで感じたことのないプレッシャー

──それでは今年の最初から活動を振り返っていきましょう。2月には代々木第一体育館でワンマンライブ「でんぱーりーナイト de パーリー」を開催。2日間で延べ2万人を動員するという大規模なワンマンでしたが、振り返ってみていかがですか?(参照:でんぱ組.inc、最大規模代々木ワンマン大成功!初のワールドツアーも決定

相沢 あのときは正直埋まるかなっていう不安が大きかったです。

──2014年は日本武道館での単独ライブも成功させましたし、勢いもあったので代々木第一体育館もすぐに埋まるんじゃないかって思っていた人も多かったと思うんですけど、メンバーはあまり楽観的ではなかったと。

相沢梨紗

相沢 そうですね。前の年に初めての日本武道館単独ライブを開催して、それからしばらくは大規模会場でのライブをやっていなかったから不安はありました。それに、キャパが武道館の倍だという代々木第一体育館の規模感に緊張してしまいましたね。演出面でも、これまでのでんぱ組.incがやってこなかったことをやろうということになって、ライブ中にお芝居をやることになったんです。初めての会場ですし、それがとにかく緊張しました。今まで感じたことのないプレッシャーに押しつぶされそうになってました。このライブには、武道館以降で私たちのことを知って、初めて観に来るという人も多かったと思いますし。

藤咲 2日間あるので構成もどう変えていこうかって話し合ったよね。

夢眠 武道館までは規模感的にも今までやってきたことをある程度広げて対応することはできたんですよ。でも代々木クラスの会場になるとライブ中のパフォーマンスで間が持つのかとか、私たちのがむしゃらな姿を近くで観られない状況で、でんぱ組.incの持ち味をどう伝えるんだっていう壁にぶつかって。今まではファンのみんなもひっくるめて、その空間の中ででんぱ組.incのライブを見せていたんですけど、お芝居の要素を入れたことで観客とステージが完全に分かれてしまうという状況に対して、ファンの方はどう思うんだろうって。それでもできるだけ会場全体を使ってエンタテインメントを表現するっていうことに特化したライブにしました。私たちとしては、2015年はこのライブが成功するかしないかで運命が決まるって気持ちで挑みました。

──かなりの決意をもって臨まれたんですね。

古川 でもやっぱり、リハーサルをやったときにすごい不安になっちゃいました。でんぱ組.incのダンスってけっこうキッチリと決まっているんですけど、それを崩していろんな演出を取り込んだんです。代表的なところだとセンターステージがあったりトロッコに乗ったり、ね。

夢眠 私、リハのときにギャン泣きしたんですよ(笑)。トロッコに乗ってセンターステージへ行くときに、音が遅れて聴こえてくるんですよ。イヤモニからの音と反響して聴こえてくる音がどっちがどっちなのかわかんなくなっちゃって。自分から歌い出しの曲がズレちゃうとみんなを巻き添えにしちゃうので「私のせいでこの曲がダメになっちゃう!」って思ってしまって。パニックになって泣いてしまったときに、みりんちゃんの「ねむさん、メンタル、大丈夫!」って謎の片言で励まされました(笑)。

──2015年は最初からかなりの試練だったんですね。

でんぱ組.inc「でんぱーりーナイト de パーリー」の様子。

成瀬 大変でしたけど、個人的には武道館より代々木のほうが楽しかったです。武道館のときは振り付けが間に合わなかったり、すべてがギリギリの進行だったりしたのでまったく余裕がなかったんですよ。でも代々木はイベント自体がお祭りになっていて、自分の中でもとてもワクワクしました。だから準備をしながらも会場外の出店を全部見て回りたかったです!

夢眠 会場にはもがちゃんのプリクラもあったよね。

最上 私のキャラクターのプリクラがあって、写真を撮るとでんぱ組.incのスタンプが押せるんですよ。ファンの皆さんが記念に撮影して楽しんでくれました。

──グループにとっては大きな試練ではありましたけど、イベント全体としてはすごく楽しいものになりましたね。

相沢 そうですね。2日間あって結果としてよかったなって思うことはあります。1日目で噛み合わないことがあったので改善点を2日目に反映したんですよ。ライブ当日になって曲を増やしたんです。

夢眠 あれヤバかったねえ。

相沢 まあ、新しいことに失敗は付きものだし、改善点があるならそれを試していかないといけないって2日間で得た気がしますね。

GOGO DEMPA TOUR 2016~まだまだ夢で終わらんよっ! ~

平日 OPEN 18:00 / START 19:00
土日祝 OPEN 16:00 / START 17:00

チケット(ZEPP公演以外)
指定席 ¥7560 / 学生席¥4320 / ファミリー席¥7560

チケット(ZEPP公演)
1Fスタンディング ¥6980 / 2F女性子供席 ¥6980(※ドリンク代別)

チケット一般発売
2015年12月6日(日)10:00開始
ローチケ.comほか、各プレイガイドにて発売

ツアー日程
2016年1月9日(土)東京都 オリンパスホール八王子
2016年1月11日(月・祝)香川県 サンポートホール高松
2016年1月13日(水)大阪府 オリックス劇場
2016年1月14日(木)愛知県 日本特殊陶業市民会館
2016年1月16日(土)岐阜県 飛騨市文化交流センター スピリットガーデンホール
2016年1月17日(日)石川県 本多の森ホール
2016年1月20日(水)東京都 江戸川区総合文化センター
2016年1月26日(火)栃木県 栃木県総合文化センター
2016年1月27日(水)宮城県 仙台サンプラザホール
2016年1月30日(土)静岡県 沼津市民文化センター
2016年1月31日(日)三重県 四日市市文化会館 第1ホール
2016年2月4日(木)滋賀県 滋賀県立芸術劇場 びわ湖ホール
2016年2月6日(土)岡山県 岡山市民会館
2016年2月7日(日)広島県 上野学園ホール
2016年2月9日(火)東京都 中野サンプラザホール
2016年2月12日(金)北海道 札幌市教育文化会館
2016年2月13日(土)北海道 Zepp Sapporo
2016年2月17日(水)東京都 Zepp Tokyo
2016年2月23日(火)愛知県 Zepp Nagoya
2016年2月24日(水)大阪府 Zepp Namba
2016年2月26日(金)福岡県 Zepp Fukuoka
2016年3月1日(火)千葉県 市川市文化会館
2016年3月3日(木)東京都 NHKホール
2016年3月12日(土)新潟県 新潟県民会館
2016年3月13日(日)埼玉県 本庄市民文化会館
2016年3月16日(水)埼玉県 さいたま市文化センター
2016年3月20日(日)熊本県 熊本市民会館崇城大学市民ホール
2016年3月21日(月・祝)福岡県 福岡市民会館
2016年3月24日(木)神奈川県 相模女子大学グリーンホール
2016年4月2日(土)沖縄県 沖縄市民会館 大ホール
でんぱ組.inc(デンパグミインク)
でんぱ組.inc

古川未鈴、相沢梨紗、夢眠ねむ、成瀬瑛美、最上もが、藤咲彩音からなる6人組ユニット。東京・秋葉原のライブバー「ディアステージ」をホームグラウンドに2008年から活動を開始。2011年12月に1stアルバム「ねぇきいて?宇宙を救うのは、きっとお寿司…ではなく、でんぱ組.inc!」をリリース。2013年1月にはいじめなど自己の暗い過去を歌ったシングル「W.W.D / 冬へと走りだすお!」でオリコン週間ランキング10位を獲得。主演映画「白魔女学園」の主題歌として同年10月にリリースした「W.W.D II」も話題を集め、同年12月に2ndアルバム「WORLD WIDE DEMPA」を発表。2014年5月に初の日本武道館単独ライブ、2015年2月に国立代々木競技場第一体育館での2DAYS公演をそれぞれ成功に収めた。同年2月に3rdアルバム「WWDD」、同年6月にはサマーチューン「おつかれサマー!」を発表。“萌えキュンソング”と呼ばれるアッパーな楽曲と情感豊かなライブパフォーマンスで国内のみならず海外からの支持も厚く、同年夏には初のワールドツアーも成功させた。2016年1月より全国ツアー「GOGO DEMPA TOUR 2016 ~まだまだ夢で終わらんよっ!~」がスタートする。メンバーはそれぞれアニメ、マンガ、ゲームなどの趣味に精通したコアなオタクとしても知られている。