DATS「Digital Analog Translation System」 PR

DATS|この4人で歩んできた道のり、これからのビジョン

DATSが6月20日発売のアルバム「Digital Analog Translation System」で、SME Recordsからメジャーデビューを果たした。

音楽ナタリーではMONJOE(Vo, Syn)、伊原卓哉(B)、早川知輝(G)、大井一彌(Dr)にインタビューを実施。ライブ動員がふるわない時期もあったという彼らが2017年よりRALLYE LABELとタッグを組み、さまざまなライブへの出演を経て大きく成長し、メジャーデビューに至るまでの間にバンド内でどのような変化があったのか、そして今後のビジョンについて話を聞いた。

取材・文 / 清本千尋 撮影 / 山崎玲士

シティポップという括りに抱いた違和感

──まずはメジャーデビュー決定、おめでとうございます。私はUK.PROJECTからRALLYE LABELへ移籍する前からDATSのライブを観させてもらっていますが、レーベル移籍後、急激にバンドの認知度が増したように思っていて。話が1年半ほど前にさかのぼりますが、まずはレーベル移籍前後のお話を聞かせていただけますでしょうか。

DATSs

MONJOE(Vo, Syn) 2016年後半から2017年の3月まで、半年近くライブ活動を休んでいたんです。

伊原卓哉(B) そのあたりで一番大きいライブは2016年7月開催の「UKFC on the Road」かな。

──新曲をたくさん披露した日ですよね(参照:ファン垂涎コラボも!BIGMAMAら集結「UKFC」で17組熱演)。それまでのDATSはもう少しクールな印象だったんですが、この日のライブでは男らしさを感じたと言うか、すごく熱量があるパフォーマンスだったことを覚えています。

早川知輝(G) その頃のことを僕らはラウド期と呼んでいて(笑)。

大井一彌(Dr) 2015~6年のDATSはインディーポップ感があったと言うか、ロックの要素は薄かったと思います。UK.PROJECTはロックバンドが多く所属しているレーベルで、BIGMAMAとかPOLYSICS、TOTALFATみたいなビッグネームのバンドの後輩になったことで、バンドとしてちょっと変わりたいなという気持ちが芽生えてきたんです。その気持ちを表現した1つの形が“ラウド期”のDATSなんですよね。新しい試みの1つとして、ラウドさを出したと言うか。

──そうだったんですか。

MONJOE でも一番大きい理由は違うんです。ちょうどその頃って、東京のインディシーンで“シティポップ”が流行っていたんですよ。あれってシティポップって言葉を使っているけれど、昔のシティポップとは全然違うものでしたよね。当時のシティポップがルーツにある人たちが、それを咀嚼して現代的に昇華させた音楽がシティポップだと言われていたんだと思います。たまたまそういう音楽性の人たちが頭角を現してきた頃に音源を出したっていう理由だけで、自分たちもシティポップに括られていて。それに対して違和感を抱いていたんですよ。

伊原 Yogee New Wavesとかnever young beachはシティポップが背景にある音楽だと思うんです。でも彼らのやる音楽がシティポップって呼ばれ始めたのって、東京シティのインディーズポップを略してのシティポップだったんじゃないかな。だったらシティポップじゃなくて、東京インディーズでよかったのに。

早川 ちょうどいいパッケージネームだったんだろうね。

MONJOE(Vo, Syn)

MONJOE そうだと思う。自分たちは当時の音楽をまったく聴いていないわけではないけど、DATSの音楽的なルーツとしてあるのかと言われたらそうじゃないんですよね。じゃあDATSはオシャレをしてシティポップを聴きにきた男の子、女の子たちに汗をかかせるようなアツいライブをしようぜって(笑)。

伊原 その頃はモッシュを起こしたい、帽子を吹っ飛ばしたい、ダイバーを出したい、みたいなことを言っていたよね。「あのオシャレな服ぐしゃぐしゃにしてやろうぜ」って(笑)。

早川 トガッてるなー(笑)。

大井 あとアプローチしたいファン層を考えることもあって。当時のシティポップ……“都市型のインディーポップを聴く若い子”たちは今よりもっと少なくて、僕らはそのパイよりももっとマジョリティにアピールしたかった。

MONJOE そうだね。だからこそUK.PROJECTに所属したというところもあるし。あのとき僕らがUK.PROJECTを選んだことは間違いじゃなかったと思うし、あの時期はDATSに絶対必要だったと思う。

DATSとyahyelという2つの実験室

──その後2017年1月にRALLYE LABELへの移籍を発表して、3月にレーベル移籍第1弾音源「Mobile」をリリースしました。その頃はもうラウド期は過ぎていたように感じますが、どういう意識で音楽を作っていたのでしょうか。

伊原 「Mobile」の曲で言うと、MONJOEの中から自然と出てきたものだったんじゃないかな。

大井 うん、確か自然とやりたいように作ってきたのがあの曲だったんだよね。

──砂原良徳さんは「Mobile」リリースに際して「本人達は無意識なのかもしれませんが、時代の空気感を体現しているところが良いと思いました」とコメントを寄せています。

MONJOE 実際無意識だったと思いますね。

早川 振り返れば……という感じだよね。で、その次に出した「Application」も時代を切り取った内容になって。

──なぜそのようになっていったんでしょうか?

DATS

MONJOE うーん、なんか自分の中で気付きがあったんですよね。UK.PROJECTにいた頃はアウトプットすることに対しての意識がすごく低かったんです。あるとき、ただ好きな音楽をやるんじゃなくて、自分が出す作品が世の中に与える影響について考えるようになったんですよね。そうやって考えるようになって、いざ作品を作ろうと思ったときにリリースに賛同してくれたのがRALLYE LABELだったんです。

──なるほど。そういう考えに至った理由の1つにMONJOEさんと大井さんが所属するyahyelの活動もあるのではと思います。2016年はyahyelの活動が活発でしたし。

MONJOE 確実に影響していますね。当時のDATSはなんと言うか、先があまり見えない活動の仕方だったんです。その一方でyahyelでは自分たちがカッコいいと思うものを作品として出したら、いろんなところで評価された。それならDATSでも「どうしたら売れるのか」みたいなくだらないことを考えずに、ストーリーさえ作れれば好きな音楽だけをやっていけるんだと思えたんですよね。

──yahyelよりDATSのほうが開けた音楽と言いますか、とっつきやすい音楽性だと思うんです。どちらもMONJOEさんが曲を作られていますが、どのように棲み分けているんでしょうか。

MONJOE 自分の中に実験室を2つ持って、それぞれの部屋で実験を繰り返している感覚なんですよね。yahyelではDATSではできないことをやりたいし、逆にDATSではyahyelではできないことをやりたいと思っていて。yahyelはリスナーを突き放すような音楽をやっていて、それでもどんどんファンが増えていったので、その感覚を楽しんでいるし、DATSでは「人をどうやったら巻き込んでいけるのか」をテーマに、音作りやコード進行を考えて、研究しているんです。自分の中ではアウトプットをする場が2つあるというだけなんですよね。その2つが日本の音楽シーンにとってプラスになって、シーン自体が盛り上がったらいいなと思っています。共通しているのはとにかく面白いものを作りたいという気持ちです。

DATS「Digital Analog Translation System」
2018年6月20日発売 / SME Records
DATS「Digital Analog Translation System」

[2CD]
3456円 / SECL-2296~7

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DISC 1
  1. Memory
  2. 404
  3. Dice
  4. Interlude
  5. Cool Wind
  6. JAM
  7. Alexa
  8. TOKYO
  9. Pin
  10. Heart
DISC 2
  1. Memory(MIRU SHINODA Rework)
  2. 404(Licaxxx Remix)
  3. Dice(Dos Dub Remix)
  4. Interlude feat. Pecori & SunBalkan(踊Foot Works)
  5. Cool Wind(Yoshinori Sunahara Remix)
  6. JAM(starRo Remix)
  7. Alexa(GARDEN CITY MOVEMENT Remix)
  8. TOKYO(Kai Takahashi Remix)
  9. Pin(WONK Pin-Funk Remix)
  10. Heart(Hidefumi Kenmochi Remix
DATS(ダッツ)
DATS
MONJOE(Vo, Syn)、早川知輝(G)、伊原卓哉(B)、大井一彌(Dr)からなる4人組バンド。2013年に結成された。2015年に「DIVE」でUK.PROJECTよりデビュー。2017年にRALLYE LABELに移籍し、3月にタワーレコード限定シングル「Mobile」を発表した。同年は「FUJI ROKC FESTIVAL」、「SWEET LOVE SHOWER」、「RUSH BALL」などさまざまな音楽フェスに出演したほか、6月にはアルバム「Application」をリリースし、初めてのワンマンライブを東京・TSUTAYA O-nestにて実施。11月にはツアーファイナルとして、東京・WWWにてワンマンライブを行い、チケットをソールドアウトさせるほどの盛況っぷりを見せた。2018年2月にはCD「Message」をリリースし、6月にアルバム「Digital Analog Translation System」でSME Recordsからメジャーデビュー。