音楽ナタリー Power Push - Crossfaith

新境地に挑む戦士たち

Crossfaithが7月27日にニューシングル「New Age Warriors」をリリースする。シングルには2000年代のニューメタルとダンスミュージックを巧みにミックスさせた「Rx Overdrive」をリード曲に、ダンサンブルな「Kill 'Em All」、SiMとのコラボシングル「GET iT OUT」に収録された「Revolution」の3曲が収められている。

今作の発売を記念して、音楽ナタリーではメンバー5人にインタビューを実施。国内外で精力的に活動し続けるCrossfaithに、シングルについてや昨年から現在までの活動について語ってもらった。

取材・文 / 田島諒 撮影 / 上山陽介

エンタテインメント性により重きを置いた「XENO」ツアー

──シングル「New Age Warriors」は、アルバム「XENO」以来の作品ですね。約10カ月ぶりの新作ですが、この期間、Crossfaithの活動は世界遺産である栃木・日光山輪王寺大猷院仁王門前でのライブ「第一回世界遺産巡業特別公演 ‘日光の編’」やワールドツアーと非常に活発でした。まずは「XENO」発売から現在に至るまでのツアーなどの活動について教えてください。

Terufumi Tamano(Program, Vision) 今回のシングル「New Age Warriors」の初回生産限定盤のDVDにも1曲「Devil’s Party」を収録していますが、日光山輪王寺でのライブや、その前に行ったワンマンツアー「Crossfaith Japan Tour 2015」は、Crossfaithにとって大きな出来事でした。

Hiroki Ikegawa(B) 2015年当時、ワンマンのロングセットでのライブはやっていなかったですし、そんなセットリストを組むのも初めてだったしね。

Teru ワンマンツアー「Crossfaith Japan Tour 2015」で初めてLEDのライティングとサウンドを同期させたステージを披露したんですけど、そうやってやりたかった演出を形にすることができたし、あのタイミングでギターのKazukiも帰ってきたし(参照:Crossfaith、Kazuki復帰の“最強の5人”で新たなスタート)。あのZeppのライブは撮影して映像として残しておきたかったですね。なんでカメラを入れなかったんだろう……って今でも悔やんでます。

Kenta Koie(Vo) ライブの規模感が大きくなれば、必然的に表現できる幅が広くなるので、オレたちが昔から重きを置いているエンタテインメント性を、より押し出したステージが作れるようになったんです。Kazukiのカムバックの演出も湿っぽい感じではなく「ターミネーターが戻ってきた!」くらいの雰囲気にしたいと思って。海外ツアーでさまざまなバンドの演出や景色を見てきたからこそ、そういう世界観を実現したいという思いがありましたし、もともとCrossfaithのサウンドに合っているのは、そういうサウンドスケープが広がるような演出だと思っているので。

Teru CDは音だけですけど、ライブは視覚でも表現できて、お客さんに体験してもらえる。あのZeppワンマンツアーでやりたかった演出をやってしまったので、次はどうしようかな?と考えて楽しんでます。

Tatsuya Amano(Dr) ドラムセットに関しても自分で世界観を考えて作り込んでいます。ドラムを光らせてみよう、とかめっちゃデカくしてみようとかいろいろ考えて、結果、今は柔らかい素材を周りに置いて“モフモフ”にしています。

Koie モフモフいいよね(笑)。

ヨーロッパが第2のホームに

──今年の3月には「XENO WORLD TOUR」でヨーロッパでのツアーを実施しましたね。海外での反応はどうでしたか?

Crossfaith

Koie 自分たちのツアーでヨーロッパを回るのは2回目なんですけど、各地のお客さんの反応が前回とは随分変わりました。Crossfaithのライブの楽しみ方をわかっているというか……ウエルカムな雰囲気を強く感じたんです。正直、1回目のヘッドライナーツアーはがむしゃらだった気がするんですよ。でも今回はMCから演出まで含め、余裕を持ってしっかりとCrossfaithを打ち出すことができた。それはヨーロッパがCrossfaithにとって第2のホームになってきているからなんじゃないかな。

Kazuki Takemura(G) 確かにね。僕の場合は休養期間があってひさしぶりのヨーロッパツアーになったんですけど、それまでヨーロッパのライブで見ていた光景と違ったんですよね。お客さんのバンドに対する期待値の大きさが見えて、Crossfaithが活動してきた成果を顕著に感じました。

Teru 今回は2度目ですから“いかにCrossfaithのショーをお客さんに提示できるか”を意識しました。死ぬ気で戦いに行くという意気込みは同じなんですけど、ちゃんとエンタテインメントとして見せる方法について、改めて考えさせられましたね。ヘッドライナーっていうのは、ステージだけじゃなくてライブハウス全体の空気感を支配するくらいの影響力があるもので。だからCrossfaithならではの雰囲気を、ショーだけじゃなく会場全体を使って作っていけたらと思っています。

ニューシングル「New Age Warriors」/ 2016年7月27日発売 / アリオラジャパン
「New Age Warriors」
初回限定盤 [CD+DVD] 1944円 / BVCL-742
通常盤 [CD] 1296円 / BVCL-744
CD収録曲
  1. Rx Overdrive
  2. Kill'Em All
  3. Revolution
初回限定盤DVD収録内容
"ENTER THE XENO" ~XENO WORLD TOUR 2016:JAPAN TOYOSU PIT~
  • Xeno
  • Raise Your Voice
  • Paint It Black
~LIVE AT NIKKO WORLD HERITAGE VOL.1~
  • Devil’s Party
Crossfaith(クロスフェイス)
Crossfaith

2006年11月にKenta Koie(Vo)、Terufumi Tamano(Programming, Vision)、Kazuki Takemura(G)、Hiroki Ikegawa(B)、Tatsuya Amano(Dr)により結成。2009年4月にリリースした1stアルバム「The Artifical theory for the Dramatic Beauty」が国内メタルコア、スクリーモシーンを活気付ける起爆剤に。その後「Warped Tour UK」「Sound Wave Festival 2013」「Download Festival 2014」「Reading / Leeds Festival 2014」など海外の大型フェスにも多数出演し、各国のメディアに取り上げられる。2014年10月にキャリア初となるシングル「MADNESS」をソニー・ミュージックレーベルズからリリースするが、2015年1月にKazukiが脳内出血の治療によりライブ活動を休止。サポートギタリストを迎えてライブ活動を行う一方で新曲レコーディングを実施し、9月にメジャー1stアルバム「XENO」をリリースした。同月のKazuki復帰後は世界遺産・日光山輪王寺でのライブや日本テレビ系「スッキリ!!」への出演など国内での活動も活発化させる。2016年7月にシングル「New Age Warriors」をリリース。アジアツアーを挟み、9月よりバンド最長ツアー「New Age Warriors Tour 2016」を開催する。