自分の人生が大好き
──「君が勝った」という曲は、有名人になった自分の人生と他人の人生を比較するような歌詞ですが、「君」というのは誰を指しているんですか?
いろんな人を指しています。お金もなくて音楽をまっすぐ追いかけていた自分だったり、普通の生活を送る人だったり。この歳になってくると……っていう歳でもないですけど、周りにも結婚して家庭を持つ人がいるんですよ。そういう人たちがうらやましくなってくることもあって。でも、実はそう思うのは1年に1回くらいで、本当にたまになんです。基本的に私は自分の人生が大好きで私が一番幸せだと思ってるんですけど、数%くらいはほかの人生がうらやましく感じることもあるので曲にして残そうと思いました。「君が勝った」というような相手を認める言葉を使うのはこの曲が初めてで、20歳になって成長した部分なのかもしれません。
──「GIRLS」は、そういうちょっとうらやましくもなるような地元の友達について歌った曲ですか?
地元っちゃ地元かな。中学生くらいの頃からの本当に仲いい友達グループの女の子たちに書いた曲です。
──ちゃんみなさんは、中学生の頃はけっこうヤンチャしていたという話も聞きましたが。
そうです、その頃の(笑)。全員がヤンチャだったわけじゃないんですけどね。高校に入ったタイミングで音楽に集中するために、ヤンチャな友達とは一旦縁を切って音楽に集中したんですよ。でも、みんなそれぞれ素敵な女性に育って、また巡り会えたんです。
──ちゃんみなさんのほうから連絡を取って、また会うようになったんですか?
いや、距離を置いていただけで喧嘩していたわけではないので、特に連絡を取ったとかではなく。離れていてもつながってる仲間っているじゃないですか。会わなくても何してるかわかるし、会わなくても気にかけてる友達。だから「本当にあのときはごめん!」とかそういう感じじゃなくて、「ひさしぶりー!」って自然に会うようになりましたね。
──ちゃんみなさんが有名になったことで、友達のちゃんみなさんに対する接し方が変わるようなことはなかったんでしょうか?
彼女たちもそれぞれ夢を叶えて料理人になったり、保育士になったり、空港で働いていたりして、立派な女性になっていて、関係性は昔のままなんですよ。本当に見た目も心もキレイな人たちばっかりで。Instagramに「クソかわいい」とか普通にコメントしてくるし、私のラジオ(InterFM897「Forever Young」)も聞いてくれるし、ライブにも来てくれるし、道を歩いていて変な人に絡まれたらかばってくれて。自信を持って友達だって言えるし、スタッフや知り合いのアーティストにも「ウチのGIRLSはマジかわいいから」って自慢してるくらいなんです。
──友人から影響を受けていることはありますか?
周りの状況がいろいろ変わっていく中でも友達は変わらないでいてくれることで、私も変わらずにいられているんだなと思います。「計算高い大人にはなりたくないよね」って昔から友達と話していたんですけど、みんなキレイなままでいてくれて安心してます。
──初心を思い出させてくれる存在。
一緒にいると若返ります(笑)。
──そういう人だけ友達として選んだというわけではなく、自然と集まった友達なんですか?
そうです、自然と。超恵まれてますね。
──「アーカイブに保存した曲」も地元についての曲ですね。
離れてから気付いた地元の素敵さを歌っています。今は引っ越して1人暮らししているんですけど、たまに地元に帰ったときに「ああ、この街でいろんなことあったな」って考えていたら曲にしたくなりました。
──地元に帰ることはあんまりないんですか?
少ないですね。
──友達と遊ぶときも地元ではないんですね。
私は超インドアなんで、友達の方から家に来てくれるんですよ。ウチのGIRLSで2人料理人をやっている子がいて、ごはんを作ってくれたり。
──「アーカイブに保存した曲」というタイトルが独特で、正しい曲名かどうか確認してしまったくらいなんですけど、どういう意味なんですか?
アーカイブってインスタにもあるじゃないですか。消さないけど、みんなには見えないところに保管しておく機能。それを消したら私じゃなくなってしまうような場所とか思い出を保管しておきたいなと思って、こういうタイトルにしました。最初はまったく違うタイトルで全然違う歌詞を乗せていたんですけど、曲調的にやっぱこのテーマだなと思って書き直したんです。アーカイブに保存したい曲なんだよなあって。
──歌詞にある「このステージでミスして」というのは、具体的にどういった話なんですか?
地元にでっかいステージがあるんですけど、そこは自分が初めて人前で歌った場所なんです。そのステージでめちゃくちゃミスして、そのあとに公園のベンチですごく泣いて。
──よくお話されている、いきものがかりの「じょいふる」を歌ったという場所のことですか?
そうです、そうです。
──ステージでミスして落ち込むみたいなことは最近はないですか?
お客さんが盛り上がってくれなかったとか、私目当てじゃない人が多いところでライブをしたときにがんばらないとって思いますけど、落ち込んだりはしないですね。自分を信じているので。
永遠ではない幸せ
──初回限定盤のみ収録されるボーナストラックの「SAD SONG」はちゃんみなさんとしては珍しいストレートなロックナンバーですね。
もともとバンドサウンドの曲を入れたかったんですけど、どうやって作ればいいのかわからなかったんですよね。そんなときに私にはバックバンドがいるじゃん!って気付いて、メンバーに相談したら「やろうよ!」って乗ってくれて。コードを探しながら歌って作ったハンドメイド感のある曲です。
──ボーナストラックにした理由はあるんですか?
外の人に届けるというよりは、もっと周辺の人に向けて作った曲なんですよ。ウチのスタッフやダンサーだったり、バンドメンバーやスタイリストやメイクさんとかって、今の私を作り上げているとても大事な存在じゃないですか。大切な人に向けて作ったアルバムの中に、その人たちの曲がなかったらおかしいと思って書きました。
──「SAD SONG」というタイトルとは裏腹に明るく元気をもらえそうな曲調ですが、タイトルはどういう意味なんですか?
幸せすぎて悲しいというか、この幸せがずっと続けばいいのにって意味です。一緒に仕事をする大切な人たちとの絆ってあるけど、それもいつか終わりが来ることはわかっていて。永遠に続くとは思わないけど、できるだけこうしていようよって思いで作りました。
唯一無二の存在に
──11月14日には大阪・NHK大阪ホール、11月22日には東京・LINE CUBE SHIBUYA(旧渋谷公会堂)で行う初のホールワンマンが控えています。ちゃんみなさんは毎回すごく作り込んだワンマンライブをされていますが、今回はどういうライブにしたいですか?
まだ何も話し合えていないんですけど、私の頭の中では完成しています。やっぱり人を驚かせたいですし、これまでのライブを超えたいと思っていますね。
──ライブは毎回緊張しますか?
ライブをしているときって、その世界に入り込んでハイになっちゃってるので、あんまり覚えてなかったりしますね。
──ちゃんみなさんが今後新しく始めようと思っていることはありますか?
プライベートでは乗馬ライセンスを取りたいなと思っています。
──馬に乗るんですか?
お父さんの実家に馬がいて、馬には昔から乗ってるんですよ(笑)。
──乗ってる姿を見てみたいです。アーティスト活動での目標も教えてください。
私に対して見た目で偏見を持っているような人たちから「曲を聴いて印象が変わった」と言ってもらえることがあって、もっとこっちから知らせに行かないとなって思うこともあるんですけど、無理して知ってもらおうというよりはとにかくカッコいいことをしてたいですね。あとは韓国をはじめとしたアジアを視野に入れていきたいなと思っていて、そのための取り組みも実はちょっとずつ始めています。グローバルに活動できる唯一無二の存在になりたいです。
ツアー情報
- ちゃんみな「PRINCESS PROJECT 4」
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- 2019年11月14日(木)大阪府 NHK大阪ホール
- 2019年11月22日(金)東京都 LINE CUBE SHIBUYA(旧渋谷公会堂)