ちゃんみなが8月7日に2ndフルアルバム「Never Grow Up」をリリースした。
昨年10月に20歳の誕生日を迎えたちゃんみなにとって、20代最初のアルバムとなる本作。「Never Grow Up」というタイトルには「ポジティブな意味で“大人にならない自分”であり続けたい」という思いが込められており、ちゃんみなは20歳になったタイミングでこのタイトルのアルバムを発表すると決めていたという。音楽ナタリーではちゃんみなにインタビューを行い、彼女がアルバムに込めたという大切な感情を詳しく語ってもらった。
取材・文 / 三浦良純 撮影 / 斎藤大嗣
今しか感じられない思いだけ
──まず「Never Grow Up」というタイトルに込めた思いを聞かせてください。
昔からこの言葉が大好きなんです。大好きなピーターパンに出てくる言葉でもあって、1stアルバムの「未成年」をリリースしたときから、このタイトルでレインボーのジャケ写で出したいと思ってたんですよね。ネガティブな意味にも取れる言葉ですけど、大人になるのを拒否しているんじゃなくて「子供心を忘れずにこれからも音楽をやっていきたい」って思いを込めています。
──「大人にならない」というタイトルだと聞いて攻撃的なナンバーがたくさん入ったアルバムかと思ったら、切ないラブソングが多くて意外だったのですが、収録曲も以前からこういう感じにしようと決めていたんですか?
いえ、どういう曲を入れるかは全然決めていなくて。これまでは10代前半の話だったり、なんで音楽を作っているのかという自分の過去を振り返る曲を作っていた部分もあるんですけど、アルバム収録曲の「I'm a Pop」を先行シングルとして出したときに「ここからが第2章の始まり」と宣言して、これからは20代になった今しか感じることができない気持ちだけを書いていこうと決めたんです。それで曲を作ったら自然とこういう内容になったんだと思いますね。今一番大事にしたい感情とか、人、景色に向けて書いた曲を詰め込んだアルバムになっています。
──なるほど。作っていたけど収録しなかった曲もあるんですか?
常に楽曲制作をしているので曲はたくさんあって。収録しなかった曲たちもすごくいい曲なんですけど、単純にアルバムに入れる曲数に限りがある中で、これは今大事な気持ちではないなとか、これは今じゃなくても書ける曲だなと選別していきました。
──アーティスト写真やジャケット写真で、レインボーカラーを基調としているのはどういう意味合いなんですか?
「CHOCOLATE」(2017年11月発売のミニアルバム)は、ミルクチョコレートっぽかったり、チョコレートボンボンみたいだったり、いろんな顔を見せるアルバムにしたいと思ってタイトルを付けたんですけど、それとちょっと似ているところもあって。今回のアルバムにはブルーっぽい曲もあるし、ピンクっぽい曲も入ってるんです。あとは私が“多様性”をすごく大事にしたいと思っていて。そういう意味合いですね。
強い女でいることへの迷い
──今回のアルバムは恋愛を歌った曲が多いですが、すべて実体験なんですか?
そうですね(笑)。やっぱりこの年齢だと恋愛もたくさんするし、恋愛はパワフルな感情を生み出すものなので必然的に多くなっちゃいましたね。でも恋愛の曲のように見えて、実はそうじゃない曲もあって、「Yesterday」は大事な友達に向けた曲です。
──そうなんですね。てっきり恋人とケンカしてしまったあとの思いを歌った曲かと思いました。1曲目の「Call」は最近の恋愛事情を歌った曲なんですよね。
思いっきり最近のですね(笑)。
──この曲はリード曲としてミュージックビデオも制作されていますが、フックの「付き合っちゃいなよ 浮気されろ」というラインが最高ですよね。Twitterでちゃんみなさんの名前を検索したら、この曲について「歌詞が共感できすぎてヤバい」みたいな感想をたくさん見かけました。
ハハハ(笑)。ありがとうございます。女性の中でも、私みたいなタイプと、黒髪で小さくてかわいい子でタイプが大きく分かれると思うんですけど、やっぱ男はそういう子が好きなんでしょ?って。私みたいなタイプはパンチ強すぎるから好きにはならないんでしょ?って、そういう気持ちを書いています。
──か弱いタイプの女性が男ウケするとわかっていても媚びたりせず、自分らしさを貫く姿勢がカッコいいなと思うんですが、「Can U Love Me」という曲では「神様ねぇねぇ神様 なんでこんなに強い女に作り上げたの?」という歌詞も出てきます。
本当に強すぎてモテないんですよね(笑)。自分の好きな自分でいたいけど、好かれたいと思う感情もやっぱりあって。「Can U Love Me」にはやっぱりモテに走ろうかな……という迷いを書いています。
──ちゃんみなさんの中にも迷いはあるんですね。
もちろんですよ! 迷いのない人間だと勝手に思われてるんですけど、別にそんなことないです。私もモテたい、黒髪にしたい、身長150cmがよかったなとか思うこともありますね。
──この曲の「何かの間違いで好きになってくれないかな」という歌詞のように、恋愛に関しては待ちの姿勢でいることが多いのかなと思って意外だったんですけど、「Like This」みたいに攻めることもあるんですか?
ないです。攻めることはホントにないです。「Like This」も「こんなふうにしたらどうする?」って言ってるだけじゃないですか。結局は相手の動きを待ってるんです。
──なるほど、そうなんですね。同じように「CAFE」は伝えられない気持ちを歌った曲ですか?
伝えられないというか、女友達止まりで全然気持ちに気付いてもらえないという曲です。「いい人紹介して」なんて言ってきて私のことを傷付けていることにも気付いてないという。
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もうあなたの曲は書かない