ちゃんみなが求めるのは血が通った「本物」の個性、新曲「NG」とプロジェクト「No No Girls」への思い語る

ちゃんみなの新曲「NG」が配信リリースされた。

「NG」は、ちゃんみながBMSGとタッグを組み、プロデューサーを務めるガールズグループオーディションプロジェクト「No No Girls」のテーマソングとして書き下ろされた楽曲。JIGGがプロデュースを手がけたヒップホップナンバーで、ヒット作「美人」を超える鋭いメッセージが込められている。

音楽ナタリーでは、ASH ISLANDとの結婚および妊娠を発表したばかりのちゃんみなにインタビュー。新曲「NG」や10月から放送が始まる「No No Girls」に込める思いを聞いた。

取材・文 / 小松香里撮影 / 寺沢美遊スタイリスト / RiBBONメイクアップ / Yuko Nozakiヘアスタイリング / Yuta Kitamuraワンピース / EMILY YV

私の思っていることを全部はっきりと表現したい

──ASH ISLANDさんとのご結婚、ご懐妊おめでとうございます。

ありがとうございます。

──ASH ISLANDさんとは2曲目のコラボ曲である「20」を6月にリリースされていました。あの曲にはどんな思いを込めたのでしょう?

長い間一緒にいることになるけれど、20歳のときのようなフレッシュな気持ちを忘れないでおこうということが私たちの約束なんです。「一生一緒にいよう」っていうよりは「20歳の気持ちを忘れずに一緒にいよう」という。そういう思いを込めた曲です。

──新曲の「NG」はちゃんみなさんがプロデューサーを務めるオーディション番組「No No Girls」のテーマソングです。ちゃんみなさんの原点とも言えるヒップホップサウンドになっていますが、制作にあたってはどんなイメージがあったんでしょう?

「私の思っていることを全部はっきりと表現できる曲にしたい」とざっくり考えていて。作り出してみないとどういう曲になるかわからないなとも思いましたけど、結果的にちゃんと思いを表現した曲にできたなと思います。

──プロデュースはこれまでもちゃんみなさんの楽曲を数多く手がけてきたJIGGさんです。

実は「美人」を作り上げるまでに同時に10曲くらい作ったんですが、「NG」の原曲はそのうちの1つなんです。「細すぎる、太すぎる、デカすぎる、チビすぎる / 死ぬ死ぬ死ぬ、女が死ぬ」という歌詞までは当時からあって。それで「トラックは同じものを使い、歌詞を書き直したい」と伝えました。

──ちゃんみなさんがたくさんのNGを突き付けられた経験から書かれた曲だったんですね。

そうですね。

ちゃんみな

本当の声が聞こえてこないアイドルが増えている

──完成した歌詞は、「No No Girls」の応募要項に掲げられていた「ただ、あなたの声と人生を見せてください」というものを想起させる内容になっていますよね。

本来あきらめる理由じゃない理由でアーティストになることを断念してしまう人を少しでも減らしたかったんです。今は見えなくてはいけない本質の部分が見えづらくなっている時代だと思っていて。血が通っている人を見つけにくい。私としては、その人の本当の声が聞こえてこないアイドルが多くなっているという印象があります。本当の声をちゃんと聞かせられるような人たちと巡り合いたい。そういう思いも込めた歌詞にしました。

──「歩く高級芸術品」や「世界を回す私」、「私はライブで行ってる国外」というふうにちゃんみなさん自身をフレックスするラインもありますが、一番こだわった部分というと?

全体を通してすごくこだわったんですが、あえて挙げるとしたらFワードを使わないということですかね。

ちゃんみな

──確かに出てきてもおかしくない曲になっていますよね。

曲調としては出てきても全然おかしくないんですが、あえてそのワードを使わずに尖っている曲を作りたかったんです。

──「美人」もちゃんみなさんの核の1つであるNOを突き付けられた経験が描かれている曲ですが、そこから約3年が経って生まれた「NG」を通してどんな変化を感じますか?

より自分の核が揺るぎないものになっている感覚はあります。「美人」がちゃんと評価されたことが大きいのかもしれないですね。

──報道番組で取り上げられるような広がり方をしたことについて、予想外だと言っていましたよね。

ああいう広がり方をするとは思っていませんでした。もっと煙たがられる楽曲になるのかなと少し思っていたんですが、私が思っていたより世界は優しかったし、人間は優しいと思えるきっかけになりました。いまだに「美人」の反響は実感しますね。