超特急|“変革と革新”のアリーナツアーを終えて 5人が見つめる超特急のこれから

代々木で感じたホーム感

──では続いて、「Shine Bright New Year」というサブタイトルが付いた東京公演のお話を。単独公演で言うと2016年の「愛す。in Wonder Land」以来の代々木第一でしたね。

タカシ

タカシ 会場が新しくなったように、新しい超特急を見せたいという思いがありました。以前は代々木に立てること自体に新鮮さを感じていたけれど、今回は「ひさしぶりの代々木だから全力でいこう!」みたいな感覚もあって。前とは違う熱意がこみ上げてくる部分はありましたね。

タクヤ 代々木は個人的にも思い出深い会場だから、勝手ですがひさしぶりに立つとホーム感を感じられました。ほかの会場とは違う特別感があるんですよね。でも今回は初めての3DAYSでもあったから……今思うと「よくやったな」という感じです(笑)。

──東京公演は、タクヤさんが衣装をトータルプロデュースされたんですよね。

タクヤ

タクヤ そうですね。自分が衣装を担当するとき、踊りやすさとか似合う似合わないとかいろいろ考えるんですけど、最終的に行き着くのは“自分の好きなもの”という目線で。自分は普段から気分が高まるような衣装をステージ上で着ていたいし、それによってやっぱりテンションも左右されるものなので、すごく大切な部分なんです。だから今回の衣装はどれも、僕がホントに「好きだな」と思えるものに仕上がっていたと思います。あと、今まではかわいい雰囲気のものを着ることも多かったけど、今回はかわいくしたくなかったので、そこも考えていました。自分たちの年齢もありますし、あくまでカッコよく。踊りが映えるスタイリッシュさを意識していました。

──殺陣のパートなんかは和や刀とテーマのクセが強いですし、どうやって衣装を形にしていったのか気になりました。

タクヤ 殺陣パートは悩みましたね。オールインワンのスタイルもグレーという色も、自分の中では挑戦でした。激しく動くので余計なものが付いていたら邪魔だけど、動きのカッコよさを衣装からでも表現できる方法はないかな?と考えて、背中にフリンジのマントを付けてみたりしたんです。

殺陣殺陣しすぎない殺陣を

──殺陣のパートは東京公演のハイライトの1つだったと思いますが、なぜ今回挑戦することに?

ユーキ 正月の和のイメージからの連想で刀を使ったアクションというところに行き着いたんですが、自分の中では一度苦い思いというか「難しいな」と感じた経験があったので、提案を受けたとき、危ない橋になるかもしれないと思ったんです。なので“殺陣殺陣しすぎる”ものじゃない見せ方にしたい、エンタテインメント的な要素で楽しませるものにしたいというイメージは演出家さんに伝えました。

リョウガ

リョウガ いろいろ大変だった部分はあるんですけど、結果として8号車の皆さんが想像以上に喜んでくれたので、ホントにやってよかったなと思います。それぞれが目立つ場面もしっかりあったし、展開もこれまでにないものでしたし。“刀的な作品”が流行っている時期でもあったので、ウケがよかったんじゃないですかね?(笑)

──皆さんのヘアカラーもかなり派手だったから、異次元感がすごかったですよね。

ユーキ 2.5次元でしたよね!

タカシ 完全に乱舞してるやん(笑)。

──それと、けっこうなボリュームでしたよね。「こんなに盛りだくさんなんだ」と観ていて思いました。

タカシ それは、まったく同じ気持ちでした(笑)。

──立ち回りも細かいし、どれだけ練習したんだろうと……。

リョウガ そうなんですよ。最初、僕とタクヤが花道で殺陣をするんですけど、花道のアクションのリハーサルは想定でしかできなくて。ちゃんと動きを確認できたのは本番当日だけだったんです。変更もすごくあったし、相当気を張りながらやって……もう、いろんな意味で命を落としそうでした(笑)。

カイ 確かにね。

タカシ ちゃんと呼吸をしていた記憶がないもんな(笑)。

──殺陣の終わりからそのまま「Kura☆Kura」のパフォーマンスへつながりましたが、ここで「Kura☆Kura」を和風のアレンジで持ってくる選曲も新鮮だと思いました。

ユーキ 和のテイストに合う曲を探したんです。今までにそういったアレンジをしてこなかった曲の雰囲気を変えて、新しい曲の在り方を見せられたらと思って。

カイ

カイ 日本語のタイトルですしね、“くらくら”。そんなところもちょうどよくハマったんだと思います。

リョウガ 嘘だろ?(笑)

一同 あはははは!(笑)

リョウガ そう、「Kura☆Kura」のときですよ。僕らステージの上の段に上がって、“金ピラ”っていう……箱から(金の蛇腹を)出す演出をやったじゃないですか。滝のように落ちていく紙を受け取る方が下にいらっしゃるんですけど、僕の金ピラを受けてくれる人が、回収しながらめっちゃしゃべってるんですよ。「よし! よし、いいぞいいぞ! OKOK!」みたいな(笑)。

ユーキ 言ってたなあー!(笑)

リョウガ しかも、大げさに口をパクパクしながら! 1回気付いてしまったらそれしか気にならなくなってしまって、金ピラ中ずっと耐える……無表情でいるのがホントに大変でした(笑)。

カイ あそこ、カッコいいゾーンだからね。クールにしてないと。

リョウガ もう、なんなんだろうと思って(笑)。真相はわからずじまいです。

究極のフェロモンを感じてほしい

──そして、東京公演では「Body Rock」のパフォーマンス初披露というトピックもありました。

タクヤ

タクヤ 「Body Rock」は超特急の楽曲の中では大人な表現で。椅子を使ったセクシーな要素もありますし、昔から応援してくれる人なんかには成長を感じてもらえると思います。僕ら的には、年相応の表現でまた新たな顔を見せられているんじゃないかなと。

ユーキ 全英語詞で曲調にも大人なムードがあるからパフォーマンスを魅せることに徹したかったし、色気を存分に出すことを意識しています。超特急の過去の曲にはない究極のフェロモンを8号車のみんなに感じてもらえたら一番うれしいなという思いがあったので、そこに焦点を合わせて。「椅子を使ったらより一層8号車のみんなはゾクッっとするかな?」という考えと、椅子というアイテムを使うこと自体に自分が色気を感じたので、僕の狭い引き出しからではありますが、アイデアを(振付師の)DAIKIさんにお渡ししました。DAIKIさんが素晴らしい世界観のダンスを付けてくれて、いいものになったと思います。

──椅子を使うアイデアはユーキさん発案だったんですね。実際に披露したときの8号車さんのリアクションは、どう受け止めましたか?

タクヤ 最初に披露したときは歓声を聞く余裕がなかったんですけど(笑)、今ファンクラブツアーでやっていると、距離的に近いのもありますがすごく大きな反応をもらえますね。

──リョウガさん、この曲についてはいかがですか?

リョウガ 僕ですか?(笑) 今までにセクシーな表現の曲がなかったわけではないにせよ、やっとじゃないですけど……メンバーの年齢も20代中盤になりつつある今、“背伸びせずとも出せる色気”みたいなものを1つの武器として見せられるようになりたいという思いはあるので。さまざまなジャンルの曲を持っている超特急の、よりディープな一面を見せる曲として、「Body Rock」が定着していけばいいなと思っていますね。