超特急|「人生何があるかわからない。だから楽しいんだ」 “最大の挑戦”EUPHORIAツアーに見た景色

超特急が8回目の結成記念日を迎えた12月25日に、Blu-ray作品「BULLET TRAIN SPRING/SUMMER TOUR 2019 EUPHORIA ~Breakthrough, The Six Brave Stars~ at PACIFICO YOKOHAMA National Convention Hall」をリリースした。

今作は、4カ月全33公演というグループ史上最長最大の規模で実施された2019年の春夏ツアー「BULLET TRAIN SPRING/SUMMER TOUR 2019 EUPHORIA ~Breakthrough, The Six Brave Stars~」より、8月9日に神奈川・パシフィコ横浜 国立大ホールで行われたライブの模様をパッケージしたもの。8月8、9日の2DAYSは8号車の日の特別仕様のライブが用意され、ステージに立つカイ、リョウガ、タクヤ、ユーキ、タカシは8号車への思い、さらには休養中のユースケへの思いをパフォーマンスに乗せて届けた。

この8号車の日公演、さらには度重なる不測の事態の発生によって“最大の挑戦”とも言えるロングツアーとなった「EUPHORIA」ツアーに、メンバーはどのような思いで臨み、何を感じたのか。メンバーのコメントとともに、8号車の日公演とツアーを振り返る。

取材・文 / 三橋あずみ

6人分の気持ちを背負って

リョウガ

一年に一度のその日に、来てくださった8号車のみんなと特別な時間を過ごしたいという思いでライブに臨みました。

2号車から7号車までを担うメンバーに連結する車両としてファンを「8号車」と呼ぶ超特急にとって、8が並ぶ8月8日は大切な記念日。例年この「8号車の日」にはライブを行うなど、楽しい時間をファンと共有してきた彼らだが、2019年の8号車の日ライブはロングツアー「EUPHORIA」の佳境となるタイミングと重なり、ツアーの一環として2DAYSで行われた。

ユーキは8号車の日公演について「8号車の日は超特急が今までずっと大切にしてきた特別な日。超特急を知らない人には伝わらないような、僕らと8号車だけの思いを意識していました」と振り返る。タクヤは「いつも通りの素直な超特急を見せたい」、カイは「超特急としては8号車の日は大切な日ですが、自分はどこでやるときでも同じように大切」という思いでライブに臨んだというが、ライブのセットリストには通常のツアーにはない曲目が組み込まれるなど、演出面は特別仕様に。また今年の8号車の日は、ツアー中盤の6月に休養に入ったユースケの不在の中で迎えたこともあり、ステージに立つ5人の思いは8号車、さらにはユースケへと向けられていた。

カイ

8号車の日公演のために作ったピンク(8号車カラー)のセットアップには5着とも黄色が入っていますし、それは6人分の気持ちを背負って舞台に上がるという決意の表れでもあったかと思います。

カイ

リョウガ

ユースケがいない状態でのライブでしたが、ユースケ推しの8号車含め、全員がユースケが欠けた分のパフォーマンスの穴を埋めるというか……むしろ溢れんばかりのパワーを感じました。(ユースケのメンバーカラーである)黄色いペンライトだったり服だったりを身に着ける8号車がたくさんいらっしゃって、自分たちは幸せ者だと、本当にいいファンに支えられているなと感じました。

「need you」が伝えた思い

「1年に一度の8号車の日! 最高の記念日にしようぜ!」というユーキの叫びで幕を開けたライブ、1曲目の「Burn!」がスタートすると5人は最上層の3階席に姿を見せ、2階、1階と順に駆け巡って冒頭から8号車の驚きを誘った。客席通路を歩き、8号車のすぐそばでパフォーマンスを届ける演出は「EUPHORIA」ツアーの大きな見どころの1つだったが、この日の客席の様子について、カイは「近くへ行ったときの皆さんのうれしそうな顔が印象的で、近くで見ることができてよかったなと思いました」、タカシは「8号車の笑顔が大好きやなと改めて思えました。安心しました」と回想している。

ビーチボールや浮き輪を手に、5人がサマーソングや情熱的なナンバーでにぎやかに8号車を楽しませたメドレーパートは、ツアーの後半から組み込まれたセクション。4月から8月まで4カ月33公演にわたったツアーで、超特急はセットリストがまったく異なるライブ構成を何パターンも用意し、日ごと、季節ごとに異なるステージを提示していた。またこのツアーでは、グループ活動初期から“コール曲”として8号車の熱い支持を集めてきた「Secret Express」が新たなラップパートを入れた形でひさびさに披露されたが、このように持ち曲を新旧問わずに披露する意図について、ユーキは「できる曲を絞りたくないんです。8号車のみんなも聴きたい曲はたくさんあると思うし、自分たちの歴史は大事にしつつ、もっと可能性を広げていきたいなって」と語っている(参照:超特急 Blu-ray3タイトル同時発売記念特集)。1つのツアーの中で何パターンものセットリストを用意するためにはもちろんそれだけの労力が必要だが、そこには8号車に新鮮な驚きを与えたいという思いや、自分たちの歩みを投影する楽曲の数々を大切にするメンバーの情熱がにじんでいた。

リョウガ

そしてライブ中盤には、このツアーでは初めて「need you」が披露された。3rdアルバム「GOLDEN EPOCH」のリードトラックでユーキが振り付けを担当したこの曲には、ダンサーメンバーが自身の初センター曲の象徴的なポーズをつないで歴史をプレイバックする場面があり、ユースケが「ikki!!!!!i!!」のポーズを取るはずの瞬間には空白のセンターポジションを黄色いスポットライトが照らし出す。1stシングル「TRAIN」のミュージックビデオの中でシンボル的に登場する真紅のバラがユーキの足元に舞い落ちるというドラマチックな演出も聴衆の目を奪ったこの曲を8号車の日のために選び、パフォーマンスした理由について、ユーキはこのように明かした。

ユーキ

「代わりはたくさんいる」って言葉を耳にすることがあるけど、超特急にとっては代わりとなる存在はいないと思っているので、その思いが伝わるように曲を選び、踊りました。