超特急|“8号車の日”に贈る3タイトル!2つのライブと「ギラギラ超特急」を大いに語る

「need you」メドレーの裏側

──「BULLET TRAIN Arena Tour 2018 GOLDEN EPOCH」のファイナルとなった大阪公演も「Sweetest Battlefield」と同様、関東での前公演とは違った内容で届けられました。さいたまスーパーアリーナでは1曲目が「No. 1」でしたが、大阪はなぜ「Beasty Spider」を1曲目に?

ユーキ

ユーキ 大阪ではポップアップを使って登場するつもりだったので、この演出で一番カッコよくステージに出られる曲はどれだろうな、と考えました。「Beasty Spider」って、イントロに「3、2、1」というカウントダウンが入っているので、飛び出す演出がハマると思ったんです。

タクヤ 着地してから踊り出しまで、少し間があるのがいいんですよね。

カイ あの無音の時間、いいよね。

──確か以前、「need you」につながるセンター曲メドレーも内容が変わるかもしれなかったという話をされていましたよね?

ユーキ そう、変わるかもしれなかったんです。「(埼玉公演と)内容を変える」と公言してたから、「このメドレーはどうする? ここもいじる?」という話になって。埼玉では「ikki!!!!!i!」から「need you」へつながる流れでしたけど、この順番を逆にしようとしてたんです。でも、タクヤが「俺はこのままのほうがいいと思う」と意見を言ってくれて。

タクヤ 俺だっけ?

ユーキ そうだよ。

超特急

タクヤ ああ、思い出した。いや、今考えても変えなくてよかったと思いますね。もともとの流れがすごくきれいだったから。

カイ ホント、きれいに「need you」につながる流れができたもんね。

タクヤ あと、このパートのいいところは、メドレーとはいえ8号車がひさしぶりにやる曲を観られたじゃないですか。「Bloody Night」だったり。

──しかも、ちゃんとマントなどのアイテムも使って。

タクヤ そうそう。当時使っていた小道具もちゃんと使ってるんですよ。そこをこだわってやれたのがよかったですよね。

歴史は大事にしつつ、可能性を広げていきたい

──ひさびさに披露した曲だと、5曲目の「COMP!!COMP!!COMP!!」もそうですよね?

カイ そうですね、これはすごくひさびさにやりました。

タカシ これまでは、すごくスタミナを使う曲っていうイメージだったんですよ。僕らの中で。

カイ

カイ でもひさしぶりにやったら意外とそんなでもなかったよね。前は俺らの体力がなかっただけっていう(笑)。正式な形で見せるのは「RING」ツアー(2015年)以来とかじゃないかな?

──現在行っている全国ツアーを観させてもらっても感じたのですが、あまり披露していなかった曲をまんべんなくやるということを、皆さん意識的にされているのかな?と思って。

ユーキ それはそうですね。なんというか、できる曲を絞りたくないなと思って。

カイ 選択肢をね。

ユーキ そう、狭くしたくないんです。8号車のみんなも聴きたい曲はたくさんあると思うし、自分たちの歴史は大事にしつつ、もっと可能性を広げていきたいなって意味で。例えば懐かしい曲を聴いたら、当時の思い出がよみがえったりする方もいると思うし、そういう記憶も大切にしてもらえたらなと。逆にこれまで聴いたことがなかったっていう方は「こんな曲もあったんだ」と発見してくれると思うし。そんな思いは確かにあったりしますね。

「霖雨」の緻密な表現

──中盤に入ると冬のライブの定番曲である「Snow Break」が披露されて、この曲では6人が大きなスロープを降りてくる演出がありました。

「Snow Break」のパフォーマンスの様子。

ユーキ 埼玉ではスロープの演出をド頭でやっているから「違うところでやりたい」と思って使い道を考えました。今までの「Snow Break」って、けっこうしっかり踊ってるんですよ。だからあえて踊らず、1番をまるまる使ってゆっくりと降りてくるパターンはどうだろう?と。「Snow Break」、きっと8号車は楽しみにしているじゃないですか。

カイ 年末といえば!感はあるよね。

タカシ ボーカルとしても、しっかり聴かせたい曲やな。

ユーキ その期待をいい意味で裏切りたかったですし、みんな驚いてくれるんじゃないかなという。あとはスロープを降りながら曲への感情を限界まで溜めて溜めて……ステージでそれを思い切り爆発させるっていう表現が美しいかなと思って。

──その「Snow Break」から始まるバラードパートでは「Full moon」が初披露されたり、「霖雨」が埼玉公演とは違うパフォーマンスになっていたりしましたね(埼玉公演の「霖雨」ではリョウガがピアノ伴奏を披露し、ダンサーはソロを踊った)。

タクヤ

タクヤ 僕の中では、この日のバラードパートは気を張るゾーンでした。霖雨は埼玉でやっていたけど、既存の振り付けはこの日が初披露だし、「Full moon」はリハから苦戦した難しい曲だったから。「霖雨」……なんでバラードなのにこんなに動くんだろう、と思いながらいつもやっています(笑)。

ユーキ 確かに!

タクヤ サビに動き詰め込みすぎでしょ!(笑)

──ペアなど少ない人数で見せる場面も多いから、それだけ注目も集まりますしね。

タクヤ そう、特に2番のサビのペアとか。

タカシ あそこすごいよな。

ユーキ ペアが、1人の人とその影の動きになってるんですよ。

カイ 鏡だったら、お互いに逆の動きをすればいいじゃないですか。

リョウガ 左右反転のね。

カイ じゃなくて影だから、例えば相手が足を引いたら、影の自分は前に出さなきゃいけない。オリジナルの動きとはまったく違うことをやっていることになるんです。左右反転だけじゃなくて、前後も逆になる。

タカシ みんなすごい練習してた記憶あるな。

リョウガ で、その間に僕はピアノの練習をしてたわけですよ。

カイ 影のダンスパートはリョウガはあまり関係ない部分だったからね。

──なるほど。

ユーキ あと個人的には、このあたりの新曲に関して振付師さんにすごく自分の思いを伝えさせてもらった記憶がありますね。えんどぅさんも、振りを作るうえで普段はそれほどコンタクトを取らないんですけど、「霖雨」についてはすごく思いを語りましたし、「Full moon」を作ってくれたakihic☆彡さんともコミュニケーションをしっかり取りました。そういう意味では「Fashion」もそうで、s**t kingzのkazukiさんともよく話し合って、自分がサビだけ振りを付けさせてもらったりして。

──そうだったんですね。振付師の皆さんとは、具体的にどういうやりとりを?

ユーキ 例えば「Fashion」はクールな曲調でスローテンポじゃないですか。超特急ってガツガツ踊る曲が多いから、この曲はあえて振り数を少なくして見せたい、抜いて踊る大人のカッコよさ、セクシーさを出したいと思いました。でも、後半では畳みかけるように、異性に対して激しく求めるような感じを表したいから、そういったイメージを事前に伝えて話し合って、「じゃあこうしてみようか」と。実際に動きを作る段階でも携わらせてもらいましたし、なかなかない貴重な経験をさせてもらえたなと思っています。