音楽ナタリー Power Push - 超特急

7人で駆けるレール 国際フォーラムから代々木第一へ

幸せの瞬間

──全体を通して観させてもらって、プロジェクションマッピングがスタートすると速やかにペンライトの灯りを消したり、大きな声でコールを送ったりと、8号車さんが積極的にライブに参加して空間を作り上げている雰囲気がすごいなと感じたのですが、皆さんの目には8号車さんが一緒にライブを盛り上げる姿はどのように映っていましたか?

コーイチ

コーイチ 自分たちも「8号車は本当にちゃんとライブに参加してくれてるんだな」っていう印象をすごく受けました。超特急のライブは8号車参加型なんだっていうことを、この日は改めて実感できたというか。

──ちなみに国際フォーラムといえば、このワンマンのほぼ半年後の今年7月に「EBiDAN THE LIVE」が同じホールで開催されましたよね。そのときって、ステージに立つ心境に変化があったりしました?

カイ 「フォーラムでライブをするんだ」っていうことをあまり意識せず、出番がトップバッターだったこともあって「やってやるぜ」っていうテンションでステージに臨みました。そういう点で言うと、大きい舞台だからって気負わずに済んだというか、半年前よりは精神的に成長してたのかな? って思えますね。

──そうだったんですね。では、これは皆さんに聞きたいのですが、ライブをしていて一番大きな喜びを感じる瞬間ってどんなときですか?

コーイチ たくさんあるけど、僕は幕が開いた瞬間とアンコールのときにすごく喜びを感じます。ライブが始まるまでは、スタッフさんに例え「今日はソールドアウトだよ」って伝えられていてもどこか不安な気持ちがあるから、幕が開いた瞬間は客席を見て「ああよかった、ちゃんとみんないてくれてる。聴いてくれてる」って安心する喜びがある。アンコールのときは……僕、映画でもなんでもエンドロールが好きなんですよ。その感覚がライブでも同じようにあって、最後にその日のステージのいろんなことを振り返るんです。この2つがライブの中で最高潮に気分が上がるときですね。

カイ フォーラムのライブに限って言えば、最後僕らがはけたあとにエンドロールで「走れ!!!!超特急」が流れたんですけど、8号車がずっとこの曲を歌っていてくれたんです。その声が聞こえたときに「ああ、すごい幸せだな」って思いました。7人がステージ上にいなくても8号車は超特急のメンバーなんだなって再認識できた瞬間でした。

リョウガ

リョウガ 僕はライブが終わって「以上、僕たちは超特急でした!」と言って礼をしたときに、喜びがじわじわとこみ上げてきます。顔を上げると、毎回8号車がすごく幸せそうな顔をしてるのが見えるんですよ。そのときに「ああ、今日も自分は大切な時間を過ごせたんだな」って思えるというか。

タクヤ 僕は本番前ですね。本番前に楽屋からステージの袖に行くまでの間で「ついにこのときが来た」って思う瞬間。あと、フォーラムに関して言えば帰りの電車の中ですごく幸せを感じました。

──それはどうして?

タクヤ この1日のためにたくさんリハーサルを積んで来たけどあっという間に終わってしまった感覚があったので、帰りの電車でセットリスト順に並べた曲を聴いていたんです。そのときに、切なさと同時にすごく幸せを感じたんですよね。

──ユーキさんはどうでしょう。

ユーキ 僕はライブが終わりに近付いてきて「あと何曲で終わっちゃう」って踊りながら考えるとき、「まだ終わりたくない」っていう気持ちと同時に「みんな今日は来てくれてありがとう」っていう幸せな思いになります。あとはライブが終わってメンバーみんなで「お疲れ様」って言い合っているときに、その日のステージの光景がフラッシュバックしてきて、幸せを噛みしめていますね。

ユースケ 僕が一番幸せを感じるのはライブ前に円陣を組むときかな。タクヤと似ているけどすごく気合いが入るし、どの会場でも「このステージに立つことができるんだ」と思って感極まります。あと、最近のライブではダンサーはヘッドセットのマイクを着けてるけど、ヘッドセットをまだ着けていなかったとき、踊りながら声を出していたのも気持ちよかったです。「今僕はみんなとライブをしてるんだ、普通ではなかなか味わえないことを経験しているんだ」って実感できて。

タカシ フォーラムでは「Snow break」を歌ったときが、ボーカルとしての醍醐味を感じることができて幸せな瞬間でした。あの壮大な演出の中で歌えたことが、バックボーカルとしてうれしかったです。

夢に描いた代々木第一へ

──そして今年のクリスマスの12月23、24日にはさらに大きい会場である東京・国立代々木競技場第一体育館でワンマンライブが開催されます。代々木第一でのワンマン開催は皆さんが今年の目標に掲げていたものでしたが、この目標はいつ頃設定したんですか?

カイ 年が明けてすぐですね。

タクヤ 2015年の活動についてのミーティングをやったときです。

カイ 元日のDISH//の武道館ワンマンに自分たちも出させてもらって(参照:DISH//夢を叶えた武道館ワンマンに盟友も、次なる目標は浜スタ)約1万人のお客さんの光景が目に焼き付いたままミーティングに入ったので、みんな自然と「1万人規模の会場でライブがしたい」って代々木第一に目標が向いた感じでした。2013年のクリスマスライブがZeppで約2000人、2014年が国際フォーラムでそのほぼ倍、とやってきたので、今年の年末は「さらに倍にしたいね」って……なんの異論もなく、不思議なくらいスムーズに「今年の目標は代々木第一だね」と決まりました。これまでは「全国開通」とか「東京ドームでワンマン」とかすごく大きな目標を掲げてきたけど、1年間の目標をしっかりと決めたのは今年が初めてだったので、7人の団結力もそこに向けて一層強くなったんじゃないかな。

──そういった経緯があったんですね。「どうして目標のライブ会場を代々木第一にしたんだろう?」と気になっていたんです。

ユーキ これまでにイベントで何度も代々木第一のステージに立たせていただいているっていうのもあるし、それこそ初めの頃はここで何度も悔しい思いをしているし……。イベントに出るときは、8号車さんじゃない人もたくさんいる、いわゆるアウェーじゃないですか。そういう光景を見ているうちに「いつの日か僕らのファンだけでここを埋めたい」っていう意識がみんなの中に出てきたんです。そういった思いを持って以降、いろんなアーティストさんの代々木第一でのライブを観に行かせてもらったし、たくさんの思いが重なって今年の目標の場所になったんだと思います。

──そう、過去のナタリーのインタビューを読み返していたら、リョウガさんが代々木第一について話していたんです。2013年の「Kiss Me Baby」のリリース時の記事なんですが……(参照:超特急「Kiss Me Baby」インタビュー)。

タクヤ ええ! リョウガ2年後に代々木第一に立つって言ってるの? 予言者か!

ユーキ なんて言ってたっけ?(笑)

──「いつかはこういうデカいところでも単独で埋められるようになりたい」とおっしゃっています。

一同 うえーい!(拍手)

タクヤ このとき、ユースケも「代々木第一体育館」ってスケッチブックに書いたよね?

ユースケ

ユースケ そう。僕、2013年の一番の思い出に「代々木第一体育館」って書いた。

カイ そうか。やっぱりみんなずっと、どこかに代々木第一への意識があったんだね。言霊だ。

──そうですね。リョウガさん、過去の自分の発言をどう思いますか?

リョウガ 当時は夢のような話として口にしていたけど……今は現実のこととして真剣に、しっかりと考えていかなきゃなっていう気持ちです。でも、まだ「夢が叶った」っていう充実感はまったくないです。やっぱり2日間のライブを大成功させた瞬間が、夢が叶うときだから。

タクヤ じゃあ、また2年後のインタビューで喜べる目標言っておこうか。

一同 あはははは。

1人ひとりにプレゼントをあげられるように

──今、準備はどれくらい進んでいるんですか?(※取材は11月上旬に実施)

カイ 今はステージ構成だったりセットリストだったりをざっくりと把握して、イメージを共有している段階ですね。

コーイチ イメトレは完璧やな(笑)。

──超特急にとって初めてのアリーナ公演ですから、舞台構成も今までとは変わってきますよね。

コーイチ そうですね。この前代々木第一でやったイベントに出させてもらったとき、センターステージで歌ったんです。そのときに「僕たちのライブでも、お客さんの声がこんなふうに聞こえたりするんだろうな」って思えたというか。自分たちがこの場所でワンマンをやるって決まった前提で舞台に立たせてもらうと一気に現実味が出て「こんなに気持ちいいんだ」って感じたので……きっと、自分たちのワンマンで360度を客席に囲まれたステージで歌うっていうのは今までとまったく違う感覚になるんだろうなって思いました。

ユーキ

ユーキ イベントと違ってライブのすべての時間を自分たちが作り上げるわけだから、本当に会場中を駆け巡りたいと思うしね。僕たちのライブ活動は路上から始まったし「超特急のライブは8号車との近い距離感が大事」って思ってこれまでやってきているから、代々木第一は広いけどその思いを大事にしたいです。「僕たちがサンタさんとなって、1人ひとりにプレゼントをあげられるようなパフォーマンスを約束しようね」ってみんなで話してますよ。

コーイチ サンタさんな。

カイ 赤いしね。(※ユーキのイメージカラーは赤)

ユーキ 「メリークリスマス!」ってね!

──去年の国際フォーラムのライブを観ると、ほとんどの曲がこの日のためにアレンジされていて「超特急は1回の公演のためだけにここまで作り込んだものを見せるんだ」と思ったんです。なので、代々木第一で披露される歌だったりパフォーマンスも、この公演だけの特別なものが見られるんじゃないかな?って想像しているのですが……。

カイ それはもちろん! 今までの超特急のパフォーマンスを踏まえつつ、クリスマスらしさもありつつ、4周年に向けた僕らの新しい姿も見せられると思います。

ライブBlu-ray「BULLET TRAIN ONE MAN “CHRISTMAS” SHOW 3rd Anniversary Special!!!!!!!! ~聖なる一夜 at TOKYO INTERNATIONAL FORUM HALL A」
2015年12月2日発売 / SDR 通常盤 [Blu-ray Disc]7560円 / ZXRB-3004
Loppi・HMV限定盤 [Blu-ray Disc+PlugAir]9180円 / ZXRB-3005
タワーレコード限定盤 [Blu-ray Disc+PlugAir]9180円 / ZXRB-3006
収録内容
本編
  • 赤鼻のトナカイ
  • No.1
  • MC
  • Secret Express
  • STYLE
  • Christmas medley(Jingle Bells~タカシのWinter Wonderland~Deck The Hall~We Wish You A Merry Christmas~Joy To The World)
  • Bloody Night
  • One/O Signal
  • Believe×Believe
  • Star Gear
  • 荒野の果てに~Silent night
  • Santa Claus Is Coming to Town
  • Medley(SURVIVOR~ikki!!!!!i!!~Kiss Me Baby~Pretty Girl)
  • Gravitation
  • FLASHBACK -vocal edition-
  • Snow break
  • Billion Beats
  • MC
  • No More Cry(3rd Anniversary Special!!!!!!!!ver.)
  • refrain
  • EBiDAY EBiNAI
  • MC
  • Bye Bye Bye
特典映像
  • メイキング映像(約28分)
副音声
  • メンバーリアルタイムコメンタリー(2015.02.14. 帰ってきた“スペシャルフィルムコンサート2015”~全人類へ届けたい!ここから生中継~at品川インターシティーホールより)
ライブ情報
超特急 CHRISTMAS ONEMAN LIVE 2015 Fantasy Love Train~君の元までつながるRail~
超特急 CHRISTMAS ONEMAN LIVE 2015 Fantasy Love Train~君の元までつながるRail~
  • 2015年12月23日(水・祝)東京都 国立代々木競技場第一体育館
  • 2015年12月24日(木)東京都 国立代々木競技場第一体育館
超特急(チョウトッキュウ)
超特急

ボーカル2人の美しいハーモニー、奇抜で独特なダンスパフォーマンスで人気を集めている“史上初!! メインダンサー&バックボーカルグループ”。メンバーは1号車コーイチ(お父さん担当)、2号車カイ(神秘担当)、3号車リョウガ(ガリガリ担当)、4号車タクヤ(筋肉担当)、5号車ユーキ(ドジっ子担当)、6号車ユースケ(元気担当)、7号車タカシ(末っ子担当)の7人。2012年6月に1stシングル「TRAIN」でCDデビューし、「Shake body」「POLICEMEN」とシングルリリースを重ねる。2014年3月には6thシングル「ikki!!!!!i!!」をリリースし、ホールツアーを実施。6月にアニメ「遊☆戯☆王 ARC-V」のオープニング曲「Believe×Believe」、12月に1stフルアルバム「RING」を発表した。2015年6月にはデビュー3周年記念の9thシングル「スターダスト LOVE TRAIN / バッタマン」を発表。さらにインドネシア・ジャカルタでのライブイベントに出演し、海外“初開通”を果たす。9月にフジテレビ系「探偵の探偵」の主題歌を表題曲とする10thシングル「Beautiful Chaser」をリリース。12月23、24日には東京・国立代々木競技場第一体育館でのワンマンライブが控えている。