音楽ナタリー Power Push - BLUE ENCOUNT

「あなたと俺は同じ」メジャー1stアルバムに託した思い

「≒」は自分でもずっと聴いているアルバム

──「≒」というタイトルについても聞かせてください。これはバンドとオーディエンスの関係を示しているんですよね?

田邊 それがすべてですね。最初は「≧」にしようと思ったんですよ。俺たちよりあなたのほうがすごいんだよ、っていう。でも、俺がライブで常に言ってるのは「あなたと俺は同じだ」ということですからね。俺らはステージにいて、あなたはフロアにいるけど、根底ではつながっているし、一緒なんだっていう。そのときにこの記号(「≒」)が浮かんできたんです。アルバムの歌詞も、(オーディエンスと)限りなく近いところで書けたなっていう手応えもあったし、ライブでもそれを感じていましたからね。自分が背負ってきたつらさもすべてライブでぶちまけて、お客さんが涙ぐんだり、頷いたりしてくれて。泣きながらモッシュやダイブしてる光景は、ほかのバンドでは見れないと思うんですよね。“共感型”なんて言ってますけど、俺らが共感させるネタを用意しているわけではなくて、お客さんのおかげなんですよ、やっぱり。

「BLUE ENCOUNT TOUR 2015 GRAB THE LIGHT」Zepp DiverCity TOKYO公演の模様。

──今のブルエンのライブは“共感”という言葉だけでは捉え切れないと思いますけどね。もっと強い一体感があるというか。

田邊 うん、ひとつ飛び越えた感じはありますね。Zepp Tokyoでは今まで以上に自分をえぐって話をしましたけど、最初は「お客さんに引かれるかもな」と思ってたんです。でも、そんなことは全然なかったし、気付いたらメンバーも大泣きしていて。お膳立てされた空気がなかったのも、すごくよかったんですよね。

──そう、予定調和なところがまったくなくて。それにしてもよかったですよね、いいアルバムができて。

田邊 ずっと聴いてますからね、俺。今日ここに来るとき、最初は他のアーティストの曲を聴いてたんですよ。でも、しばらくするとこのアルバムが聴きたくなって。

江口 わかる! 俺もまったく同じ(笑)。

田邊 今まで以上に聴きたくなるんですよ。それくらいよいものができたんじゃないかなって。3月くらいは「アルバム出したくない」って思ってましたからね……。よかったです、ホントに。

──アルバムを聴いていて「大変だった」とか「きつかった」って思い出したりしないんですか?

田邊 いや、それがないんですよね。ちょっとバカなのかもしれないですけど(笑)、そういう時期を抜けると、忘れちゃうんですよ。

辻村 そうだね(笑)。「このときは、こんなことがあって……」みたいな感情にはならないから。

江口 リスナーと同じ感じで楽しんでるよね(笑)。

田邊 苦しかったことを覚えていたほうがいいのかもしれないけど、こういう性格だからこそ、4人で曲を作り続けることができるんだと思いますね。

11月から始まるワンマンツアーをいかに戦うか

──「≒」の曲はどんどんライブのセットリストにも入ってくるだろうし、それによってライブの雰囲気も変わりそうですね。

辻村 うん、そうですね。

田邊 アルバムに入っている11曲は、すべてスタメンだと思ってるんですよ。これまでレギュラーだった過去曲が補欠になることも増えるだろうし、このアルバムを作ったことによって、また新しいBLUE ENCOUNTのライブが見せられるんじゃないかなって。11月から始まるワンマンツアーをいかに戦うか、ですよね。6月のZepp DiverCityでぶつかった壁から逃げたくないし、絶対に戦えるアルバムができたと思っているので。ホントね、早く歌いたいんですよ、アルバムの曲を。

高村佳秀(Dr)

高村 うん、早くやりたいよね。

田邊 「KICKASS」はこの前のライブでもやりましたけど、フェスでも1曲目にやろうと思っていて。

高村 ツアーが始まるまでに、また何回もヘコんで、悔しい思いもすると思うんです。それを引きずらないで、ツアーまでにしっかりアゲていきたいですね。

田邊 いいこと言った! ホントね、ポイズン田邊のままでツアーに行ったらヤバいから……。なんだよ、ポイズン田邊って(笑)。

江口辻村高村 ハハハハハ(笑)。

田邊 不器用だし、1つのことを考えてると、そこに留まっちゃうところがあるんで。不安の種を撒くんじゃなくて、ツアーまでにしっかり準備したいですね。

──11月から始まるツアーのファイナルは、来年1月のZepp Tokyoでの2DAYS公演。これを成功させれば、目標の日本武道館ライブも見えてくるんじゃないですか?

田邊 いやいやいや……。1日Zeppやっただけで、肉離れになっちゃうくらいなんで。

江口 そうね(笑)。

田邊 そんな状態では武道館はやれないですから。まだまだこれからですよ、ホントに。

「BLUE ENCOUNT TOUR 2015 GRAB THE LIGHT」Zepp DiverCity TOKYO公演の模様。
ニューアルバム「≒」 / 2015年7月22日発売 / Ki/oon Music
初回限定盤 [CD+DVD] 3600円 / KSCL-2601~2 ※三方背スリーブケース仕様
通常盤 [CD] 2808円 / KSCL-2603
CD収録曲
  1. KICKASS
  2. LIVER
  3. DAY×DAY
  4. JUMP
  5. TAKEN
  6. EVE
  7. MEMENTO
  8. ロストジンクス
  9. HEEEY!
  10. SMILE
  11. もっと光を
初回限定盤DVD収録内容

全国ワンマンツアー「TOUR 2015 GRAB THE LIGHT」ファイナルとなったZepp DiverCity TOKYO公演から5曲のライブ映像とドキュメンタリー映像、結成から現在までのヒストリーを追った特別映像を収録。

  1. MEMENTO
  2. AI
  3. THANKS
  4. NEVER ENDING STORY
  5. DAY×DAY
  6. Making of 150612

ワンマンツアーチケット先行抽選受付シリアルナンバー封入

受付期間:2015年7月22日(水)12:00~28日(火)23:59

TOUR2015-2016「≒U」
  • 2015年11月13日(金)愛知県 Zepp Nagoya
  • 2015年11月23日(月・祝)北海道 札幌KRAPS HALL
  • 2015年11月28日(土)香川県 高松オリーブホール
  • 2015年11月29日(日)広島県 広島CLUB QUATTRO
  • 2015年12月4日(金)宮城県 darwin
  • 2015年12月6日(日)新潟県 新潟LOTS
  • 2015年12月13日(日)福岡県 Zepp Fukuoka
  • 2015年12月18日(金)大阪府 なんばHatch
  • 2016年1月16日(土)東京都 Zepp Tokyo
  • 2016年1月17日(日)東京都 Zepp Tokyo
BLUE ENCOUNT(ブルーエンカウント)

田邊駿一(Vo, G)、江口雄也(G)、辻村勇太(B)、高村佳秀(Dr)の4人からなるロックバンド。2007年、田邊、江口、高村が地元熊本でバンドを結成し、2009年に3人の進学先である東京の音楽専門学校で辻村と出会い現体制となる。2010年に1stミニアルバム「the beginning of the beginning」を、2012年には2ndアルバム「HALO EFFECT」をリリースし、この頃よりライブハウスシーンで頭角を現すように。2013年にはライブ会場限定CD「SIGNALS」やミニアルバム「NOISY SLUGGER」を発表。年末には初のワンマンツアー「NEXT DESTINATION」を開催し、全公演でチケットをソールドアウトさせている。2014年2月に初のフルアルバム「BAND OF DESTINATION」を発売した。同年9月にキューンミュージックより4曲入りCD「TIMELESS ROOKIE」でメジャーデビュー。2015年5月にはテレビ東京系アニメ「銀魂°」オープニングテーマ「DAY×DAY」をシングルリリースした。7月22日、メジャー1stフルアルバム「≒」を発表。