音楽ナタリー PowerPush - BiSH

BiSの呪いとBiSHの希望

ポジション オブ プールイ

──ではミィさんがオーディションを受けた理由は?

ハグ・ミィ 私はもともとアイドルがすごい好きだったんですけど、その中でもBiSが大好きで。

渡辺 ライブとか来たことあるの?

ハグ・ミィ

ミィ ありますよ。2回くらい観に行ったことがあります。で、実は秋葉原ディアステージでアイドル活動みたいなことはしていたんですけど、もうちょっと本格的にやっていきたいなって思って。ディアステージでの活動も楽しかったんですけど、ちょうどBiSHのオーディションの告知を見てしまったので、これは応募するしかないなって思ってディアステージは辞めることにしたんです。

──ディアステージならでんぱ組.incや妄想キャリブレーションといったグループが今すごく勢いがあると思うんですけど、そのまま所属していてディアステージでやっていこうとは思わなかったんですか?

ミィ ちょっと私がやりたい方向性と違うというか、自分の素は出せないなって思って。

──アイドル然としたグループよりもBiSみたいなちょっと異端で破天荒なグループのほうが合っていると?

ミィ そうですね。それでオーディションを受けました。

──彼女の印象はどうでした?

渡辺 実は彼女を一番最後に決めたんですけど、これはね、失礼を承知で言いますけどデブキャラがいなかったんですよ。

──いわゆる“ぽっちゃり枠”ですか。

渡辺 はい。ほかの3人を見るとわかると思いますけど、みんなちょっと細い。で、僕は細い女の子が全然タイプじゃないんですね。だから、このグループは好きになれないなって思って(笑)。

──そんな選考理由がまかり通るのがすごいですね。

渡辺 BiSのときはプールイがその枠だったんですよ。言ってしまえば“ポジション オブ プールイ”みたいな、ちょっとふくよかな女性が欲しかった。そうしたらぴったりな子がいて「何カップあるの?」って聞いたら「Eカップある」って言うじゃないですか。おっぱいが大きい子も欲しかったので、これはもう完全に決定だなと。だから彼女はぽっちゃり採用です。

左からハグ・ミィ、セントチヒロ・チッチ。

ミィ マジですか。

渡辺 もちろんね、声もよかったんだよ? 松隈さんと僕の中では歌唱面についてすごく厳密に判断しようって話をしていたので。そうしたら彼女は声もよかった。高い声も出るし伸びもありそうだなって感じだったので。

ミィ 一応そういうところも判断してくれてたんですね。よかった……。

渡辺 でも、採用理由は声の部分は1%くらい。あとの99%はぽっちゃりってところだね。いや、それはね、好きだからっていうかかわいいって思ったからだよ? 世の中さ、デブ好きが多いじゃない?

グミ ミィはデブじゃないよ!

渡辺 そうだよね! デブじゃないよね! 肉感的な問題。でも(ファーストサマー)ウイカがレッスンを見学に来たときもミィを見て「マジでプールイそっくり(笑)」って笑って帰って行ったね。

──採用理由はいろいろあると思うんですけど、彼女はBiSHにとって絶対に必要なメンバーだからこそ残ったんですよね。

渡辺 そうです。彼女が必要でしょうがないっていう話をみんなに熱弁しました。いや、うれしいんだか、うれしくないんだかって感じの理由かもしれないけどさ。

ミィ 純粋にうれしいですよ。

グミ ミィはいてくれるだけで安心する。お母さんっていうか、お姉さんみたい。

ミィ ありがとう(笑)。

正統派アイドルよりも破天荒なことがしたかった

──では最後にセントチヒロ・チッチさん。チッチさんは元・強がりセンセーションのメンバーですよね。

セントチヒロ・チッチ はい。そこで“ザ・王道アイドル”みたいなことをやってました。最初はそれで満足してたんですけど、だんだんもっと破天荒なことをやりたいって思うようになって。

──正統派が物足りなくなってきたと?

セントチヒロ・チッチ

チッチ ぶっちゃけると、つまんなくなってしまったんです。ほかのアイドルもいろいろと調べたんですけど、なんか違うなって思ってしまって。そんなときにBiSHのオーディションを見つけて、ここに入ったら私の人生は180度変わるんじゃないかなって。絶対に人生楽しくなるって。そう思ったので強がりセンセーションは辞めてオーディション受けました。

──自分の殻を破っていきたいと思ったんでしょうか。

チッチ そうですね。

渡辺 彼女は面白かったです。面接終わったあと全員が「彼女は合格でしょ」みたいな雰囲気になってましたし。まあ彼女自身も「私は合格でしょ」みたいな顔してましたけどね(笑)。

チッチ うふふ(笑)。

渡辺 「当然通りますよね!」みたいな。たぶん受かるから合格決まる前に所属してたグループも辞めてきちゃってたみたいで。「いつでも来れます」って言われました(笑)。

──すごい自信ですね。

渡辺 でも松隈さんが「声がすごくいい。彼女は欲しい」って言って。という意味でも彼女は松隈枠ですね。僕としては最初のイメージでなんかいけ好かない子なんじゃないかなって思ったんですけど……今はもうメロメロです(笑)。

──彼女のキャラクターにですか?

渡辺 キャラクターもそうなんですけど、なんというか、やる気の見せ方がうまいんですよ。オーディションのときからどんどん好きになってる。まあ、悪く言えばあざといってことなんでしょうけど、言われたことを見えるところでやるっていう。

一同 あはははは(笑)。

渡辺 すべてにおいてわかってるというか、あざとい。それはアイドルの経験があるからってことなんでしょうけど、それでも最初に思っていたイメージからは変わりましたね。

1stアルバム「Brand-new idol SHiT」 / 2015年5月27日発売 / 2500円 / SUB TRAX / DDCZ-2029
1stアルバム「Brand-new idol SHiT」
収録曲
  1. スパーク
    [作詞:JxSxK / 作曲:松隈ケンタ]
  2. BiSH-星が瞬く夜に-
    [作詞:BiSH×JxSxK×松隈ケンタ / 作曲:松隈ケンタ]
  3. MONSTERS
    [作詞:ユカコラブデラックス / 作曲:松隈ケンタ]
  4. Is this call??
    [作詞:アイナ・ジ・エンド / 作曲:松隈ケンタ]
  5. サラバかな
    [作詞:竜宮寺育 / 作曲:慎乃介(蟲ふるう夜に)]
  6. SCHOOL GIRLS, BANG BANG
    [作詞:セントチヒロ・チッチ / 作曲:Mad sounds]
  7. DA DANCE!!
    [作詞:モモコグミカンパニー / 作曲:松隈ケンタ]
  8. TOUMIN SHOJO
    [作詞:ユカコラブデラックス / 作曲:松隈ケンタ]
  9. ぴらぴろ
    [作詞:モモコグミカンパニー / 作曲:松隈ケンタ]
  10. Lonely girl
    [作詞:ユカコラブデラックス / 作曲:真田巧]
  11. HUG ME
    [作詞:ハグ・ミィ / 作曲:コジマミノリ]
  12. カラダ・イデオロギー
    [作詞:YUKARI / 作曲:Limited express(has gone?)]
  13. Story Brighter
    [作詞:セントチヒロ・チッチ / 作曲:松隈ケンタ]
BiSH(ビッシュ)

BiSH

アイナ・ジ・エンド、モモコグミカンパニー、ハグ・ミィ、セントチヒロ・チッチの4人からなるアイドルグループ。BiSを作り上げた渡辺淳之介と松隈ケンタが再びタッグを組み、彼女たちのプロデュースを担当する。自らを“新生クソアイドル”と称し、「ファンの総称は“清掃員”」「ライブの写真撮影は可能。なお録画、録音は禁止」「自由。ただしほかのお客さんの迷惑になる行為は禁止」という“クソアイドルの3箇条”を4月30日に東京・TSUTAYA O-nestで行ったライブで発表した。2015年5月27日に1stアルバム「Brand-new idol SHiT」をリリース。同年5月31日には東京・中野heavy sick ZEROにて初のワンマンライブ「THiS IS FOR BiS」を開催する。