BiS1st|この4人で進む新たな未来

BiSが11月14日にニューシングル「アゲンストザペイン」をリリースする。

BiSはメンバーを1stと2ndに振り分けるファン投票企画「BiS.LEAGUE」を7月発表の前作シングル「Don't miss it!!」リリースに合わせて初開催。その結果、前シングルにおいてBiS1stのメンバーだったネル・ネールがBiS2ndへ、同じくBiS2ndだったアヤ・エイトプリンスがBiS1stへと移り、9月より現在のチーム編成で活動している。音楽ナタリーではファン投票で選ばれたBiS1stの4人にインタビューを実施。新曲「アゲンストザペイン」や12月29日に東京・Zepp Tokyoでツアーファイナルを迎える47都道府県ツアーへの思いを聞きつつ、このチームで目指すものについて語ってもらった。

取材・文 / 三浦良純 撮影 / 後藤倫人

BiS1st Member

BiS2nd Member

この4人の時代を作りたい

──「BiS.LEAGUE」の結果を受け、BiS1stにはネル・ネールさんが抜ける代わりにアヤ・エイトプリンスさんが加入しました。この体制が始まって1カ月ほど経ちますが、以前と比べてどんな変化がありましたか?

BiS1st

ゴ・ジーラ 前の体制のときは、陰と陽で言えば、もっと陰の雰囲気が出てる感じだったんですけど、アヤが入ってきて陽の雰囲気になった気がしますね。ネルのまとってる雰囲気は陰寄りで奇妙なものだったんですよ。それと、ネルはパフォーマンスをカチッとやる私やパンやハナとちょっとズレている面もあったので、アヤと入れ替わったことでBiS1stとしてのまとまりが出てきました。

トリアエズ・ハナ 前のBiS1stはネルがスパイスになってステージを面白くしていたんです。今は4人でかっちりしたパフォーマンスをすることで、カッコいいステージを見せられているんじゃないかと思います。

──アヤさんはBiS2ndからBiS1stに移籍してどうですか?

アヤ・エイトプリンス メンバーが変わっただけじゃなくて、人数が変わったという違いも大きいです。BiS2ndでは6人だったし、4人編成は初めてなので、めちゃめちゃ緊張しますね。これまで歌ったことのないパートを歌ったり、立ち位置が全然違ったり。1カ月経って、ようやくライブにも慣れてきた気がします。

──BiS2ndが陰のイメージを打ち出している感じなので、BiS1stは対を成すように最初から陽としてスタートしたのかと思ってました。現在はどういったイメージでBiS1stを作っているんでしょうか?

ゴ・ジーラ BiS2ndはBiS1stに勝って這い上がるぞっていうストーリーが用意されている一方、BiS1stには“BiSの顔”として活動していくという役割があるんです。新たなBiSを作るのと同時にこれまでのBiSを背負っていく使命もあると思っています。今も「BiS.LEAGUE」があるし、BiSはその歴史を振り返ると昔からメンバーが流動的で、その時々で違うんです。だけどその中でもこの4人が一番いいって言われるように活動して、この4人の時代を作れたらと思っています。

──新体制からキャプテン制が導入され、BiS1stではゴ・ジーラさん、BiS2ndではムロパナコさんが任命されました。ゴ・ジーラさんはその役割をどう捉えていますか?

ゴ・ジーラ キャプテンの役割はいまいちよくわかってなくて、制度が始まることもTwitterで知ったくらいなんです。でもキャプテンとして自分のことよりもBiSのことを考えて、悪者になってでもBiSがよくなる方向に動かないといけないと思っています。あとキャプテンがやることと言ったら雑用ですね(笑)。練習時間や場所を自分が決めたり、スタジオを予約したり。ライブや練習の動画を観て間違っているところを確認する役割もあります。

陽気な旅人

──いきなりスタートした制度ではあるけど、しっかりキャプテンの役割を担っているんですね。ほかのメンバーもそれぞれ役割はあるんですか?

ゴ・ジーラ えー、なんだろう。ハナは下っ端、パンはエース、アヤは……陽気な旅人?(笑)

アヤ 旅人になっちゃった。

パン・ルナリーフィ アヤがいると明るくなるよね。

左からトリアエズ・ハナ、パン・ルナリーフィ。
左からトリアエズ・ハナ、パン・ルナリーフィ。
左からトリアエズ・ハナ、パン・ルナリーフィ。

ゴ・ジーラ アヤはやっぱりムードメーカーだと思うんですよね。でも言葉で表すと「陽気な旅人」というのがしっくりくる。BiS、GANG PARADE、BiS2nd、BiS1stと転々としている中でも楽しくやってこれたっていうのはやっぱりアヤの力だと思うし、その力は今も発揮されています。

アヤ WACKの中で一番移動しているのかも。その中で適応能力がついたのかもしれないですね。

──今年3月にGANG PARADEからBiSに戻ったと思ったら、7月からBiS2ndのメンバーになってビックリでしたよね。

アヤ さすがに心が付いていかなくて大変でした。「アゲンストザペイン」の歌い出しは私なんですけど、「見慣れた景色にサヨナラを 気持ちついていかなくても 辛いことも楽しいことも全部味わったね」(歌詞を読み上げる)。

一同 (笑)。

──めちゃくちゃ感情移入して歌っているわけですね。

アヤ この歌詞には私が一番ピッタリなんじゃないかってくらい、いろんなところを転々としていますね。

ゴ・ジーラ そのつらさが出ないのがいいところだよね。全員がアヤだったらバカ集団だけど、「大丈夫だよー」ってヘラヘラしている人が1人いたらいい。

──アヤさんはGANG PARADEでもBiS2ndでもそういう役割を果たしてきたんですか?

アヤ ずっと同じで全然変わってないですね。こないだ電話してきた友達からも「お前変わってないね」って言われたくらいだし。インストアイベントで6、7年ぶりに会った友達は私が変わってなさすぎて泣いてました。たぶんホッとしたんだと思います。

ゴ・ジーラ でも本当に変わってないと思うよ。2年間一緒にいるけど、発言も全然変わってなくて面白い。普通は2年もあれば人って変化していくものだと思うんですけど、この前もMCで「皆さん楽しかったですかー?」「よかったー!」とか言ってて、2年前もこんな感じだったなと思いました。

パン 全力で明るさを出せるのはアヤ以外いないんですよ。

ゴ・ジーラ でも、変に真面目になっちゃうときもあるんですよね。賢い言葉を使わなきゃって感じになるとMCが飛ぶんですよ。だから何も考えてない感じのほうがいい。

アヤ それ(ユイ・ガ・)ドクソン(GANG PARADE)にも言われたわ。

──アヤさんが髪を金色に変えたのは理由があるんですか?

アヤ 1stになるからセレーナ・ゴメスさんみたいになろうと思いました。外国人になろうって。でももう飽きちゃったから、また変えようかな。

もう新メンバーとは言わせたくない

──ハナさんは3月にオーディションで合格して7カ月が経った今、どうBiSと向き合っていますか?

ハナ 最初はとにかく必死でした。今はいつまでも新メンバーって言われたくないのでがんばって食らい付いています。

──新メンバーとして見られている感じがまだある?

ハナ そうですね、地方の人とかまだ私を見たことがない人もいるので。「新メンバーとは思えない」とか言ってくれるのはうれしいんですけどね。

──ハナさんは歌唱力で存在感をちゃんと示してますよね。

ハナ BiSには今まで「歌姫」ってポジションがいなかったので、そうなれるように尽力しております。

求められる役割を演じていた

──パンさんはBiS1stに在籍してから、何か変化を感じましたか?

BiS1st

ゴ・ジーラ だいぶはっちゃけたよね。

パン 新メンバーが入るまで私とももらんど(※4月に脱退)は活動歴で言えば一番短かったので、猫をかぶっていたのかな。自分ではそういう意識はなかったけど。

ゴ・ジーラ プー(・ルイ / BILLIE IDLE)ちゃんと(カミヤ)サキ(GANG PARADE)ちゃんもいたしね。

パン 懐かしい。

ゴ・ジーラ 懐かしいって、3月まで一緒にライブしてたからね(笑)。プーちゃんとサキちゃんは特に新メンバーをすごく可愛がってたんですよね。

──ももらんどさんは特に溺愛されていたようで。

ゴ・ジーラ もちろん私やアヤもプーちゃんやサキちゃんに優しく厳しく教えてもらったんですけど、パンとももはひたすら可愛がられていて。プーちゃんやサキちゃんがいなくなって、新メンバーも入ったことで、パンは可愛がられるキャラでいる必要がなくなったんじゃないかな。演じていたわけじゃないと思うけど、「かわいい」って言ってくれる人がいたら、やっぱり求められる自分でいようと思うだろうし。今はそういうのないもんね。

アヤ 「気づけば月日は流れた」(「アゲンストザペイン」を歌い始める)。

一同 (笑)。

アヤ さっきから私がちょくちょく歌ってるだけでまだ「アゲンストザペイン」について一言も触れてないよ!