プー・ルイに対する「ふざけんなよ」という思い
──パンさん、ももらんどさんは、BiSとしてアヤさんと一緒のステージに立つのはこれからが初めてということになります。
パン 私たちが入ったときにはアヤさんがもうBiSにいなかったので、ギャンパレのほかのメンバーと同じように見ていました。だから不思議なんですけど、私とももにしてみれば、サキちゃんがいたBiSが当たり前なので、今からがトレードのような気もしていて。
ももらんど そんな感じです。
──この6人で振りのレッスンもしてると思いますが、アヤさんの成長について初期メンバーの3人はどう感じてます?
ペリ アヤがいたのがだいぶ昔なので忘れてしまったね(笑)。でも今回の振り付けは私が担当してるんですけど、私たちが気付かない細かいところをアヤがアドバイスしてくれて。ギャンパレにいる間にいろんな経験をして成長したんだなって感じました。
ゴ・ジーラ すごく的確なことを言ってくれるようになりましたね。5人で始めた頃にプーちゃんがアヤをダンスの先生に仕立て上げようとしていたんですけど、アヤは何を聞いても「よかったよー!」しか言わなくて(笑)。
ペリ そうそうそう! 本当にそれしか言わなかった! 本当に成長したね。
アヤ 違うんですよ! その頃は表情の付け方とかプーちゃん以外まったくできてなくて、ほぼ“無”みたいな存在だったんですよね。それで私がみんなのダンスをちょっと見るみたいな係になってからすごく表情が豊かになってきて。それがうれしくて泣きながら「よかったよー!」って言ったつもりだったんです。
キカ でもそれってアドバイスと言うか感想だから「それだけかいっ!」って感じだよ(笑)。
ゴ・ジーラ 懐かしい。そこから思うとすごく成長したなって思います。タイミングとか手の角度とか、的確なことを言うようになってね。
アヤ でも、みんなもすごくパワーアップしていたことが私はうれしかったよ。
──アヤさんはまたBiSとして活動することに対して、今どんなことを考えてますか?
アヤ まずプーちゃんが辞めるという話を、私はメンバーや渡辺さんからではなく関係者の方から聞いて。ほかのメンバーはおそらく1カ月くらい前には聞かされてたらしいんですけど、私はそのときに知ったんです。以前インタビューでプーちゃんが「全グループぶっ潰す!」みたいなことを言っていて、そのとき私はギャンパレのメンバーだったから「負けないようにがんばらなければ」って思ってたんですよ。そのときは勝手にプーちゃんやBiSをライバル視してたんですけど、BiSの核となってたプーちゃんが辞めると聞いて「は?」ってなりまして。
──BiSの中の状況はわからないながら、アヤさんとしてはなんでこのタイミングでプー・ルイさんが辞めるのか理解できなかったと。
アヤ はい。私はBiSに入ってからすぐにプーちゃんと一緒にツートップになりたいという夢があって。ギャンパレに行ってからもいつかまたその夢を叶えたいという思いがどこかにありました。だからプー・ルイに対する率直な気持ちとしては「ふざけんなよ」って感じで。「ぶっ潰す」って言ってたのはなんだったんだよって。だから以前どこかのインタビューで私は「ギャンパレでこのままいきたい」と発言してたんですけど、プーちゃんの卒業を知って自分の中でも思うところと言うか、気持ちに変化が出てきたと言うか。
──自分で所属先を決められるわけじゃないけど、気持ちとしてどっちでやっていきたいのか葛藤していたと。
アヤ ……実は渡辺(淳之介 / WACK代表)さんから「どっちがいいんだ?」って「WACKのフェス。」の前に聞かれたんです。
ペリ そうなんだ。
アヤ うん。そのときはプーちゃんのこととかいろいろあって頭がぐちゃぐちゃになってたので「ごめんなさい! わかりません!」とだけ言って。そうしたら渡辺さんが「じゃあもう少し考えてみて」と言ってくださったので「わかりました。考えます」と返したんですけど、3日後のイベントで突然「3月でトレード終了!」って発表があって(笑)。
ペリ あはははは(笑)。全然待ってくれてない!
アヤ あとで知ったんですけど、サキさんも同じことを渡辺さんから聞かれたらしくて。私は決断しきれてなかったから発表のときのコメントでもうまい言葉が出てこなくて「どちらに居てもがんばります」という言葉になってしまったんですけど。結論としては、私はBiSのオーディションを受けてBiSに入って、突然昨年4月にギャンパレにトレードになって、今年の3月にBiSに戻ってくださいと言われ、どちらのグループのよさも知ったし、どちらのグループも大好きだなと思ってしまったんです。だから「どっちがいい」と聞かれても自分で決断できないというのが私の答えでした。これからまた新しくなるBiSでの活動は楽しみだし、ここにいることができてよかったなとも思います。
BiSの呪いからの解放
──プー・ルイさんが卒業という決断をしたことはグループにとって大事件だとは思うんですけど、成長したアヤさんが戻ってくることもあってまったくマイナスになっていないのかなと。皆さんの話を聞いていると喪失感をあまり感じないというか。
ゴ・ジーラ 寂しいですけどね。でも自分で決めたことだから。
ペリ 「お疲れさまです」という感じで、全然ネガティブではないです。「BiSは私たちに任せてください」という気持ちです。
キカ うん。「やっと言えたね」と言うか。そういう話はまったくなかったんですけど、何かに悩んでるんだろうなって薄々感じていましたし。だから辞める発表を私たちにするときに、すごくすがすがしい表情と言うか、優しい目をしていたんです。それを見て私はよかったなって思いました。
──以前のBiSのイメージにとらわれてしまう“BiSの呪い”から解放された、と言うか。
キカ そうですね。まさに呪いが解けて清らかになりました。
──なんか今まで真っ黒だったみたいな言い方ですけど(笑)。
キカ いやいやいや(笑)。でもそのときは解き放たれたプーちゃんが見えたので、本当に今回の決断はBiSにとっても、プーちゃんにとってもよかったんだなって。
──とは言え、アイドル業界も含めて「BiSどうなっちゃうの?」みたいな空気になったと思うんです。カミヤさんもギャンパレに戻ることになって旧BiSの魂を持つ人が誰もいなくなるという。そんな中、“再メジャーデビュー”を飾る両A面シングル「WHOLE LOTTA LOVE / DiPROMiSE」がリリースされるのですが、「WHOLE LOTTA LOVE」は新体制の6人のみでの歌唱となっています。
ペリ 完全に対照的な2曲になりました。
──「WHOLE LOTTA LOVE」は事実上“プー・ルイの声がまったく入ってないBiSの楽曲”としては初めてだと思うのですが、BiSでそんなことが起きるとは想像してなかったので聴くことに対して個人的にも緊張しました。でも聴いてみたら、そこにはやっぱりBiSがいて。BiSはBiSなんだなって改めて思ったと言うか。
ペリ その言葉はうれしいです!
──皆さんとしても、根本が変わってないわけだから新グループという感じでもないですよね。
ペリ どちらかと言うとバージョンアップですかね、BiSの。
──なるほど。レコーディングにあたって6人で何か話をしましたか?
キカ 集まって話をすることはなかったんですけど、それぞれ思うところはあったんじゃないですかね。
ペリ ラップのところの歌い方とかマイクの持ち方とか、細かいところでの相談はあったけどね。
キカ そうだね。振り付けの段階で見せ方についてけっこう話し合いはしました。
──新しいBiSをどう見せるか、みたいな?
ペリ 歌い方を考えることは今まであまりなかったんですけど、そこまでこだわって決めていったのは今回が初めてかもです。
──楽曲の方向性としては「SOCiALiSM」や「I can’t say NO!!!!!!!」のような最近のBiSの路線である激しさを感じられるロックであるところは変わらず、新たにラップにも挑戦していて。そこはかとなく懐かしさと6人にしか出せない新しさが同居する作品に仕上がったと感じてます。
ゴ・ジーラ 「DiPROMiSE」とは反対で「WHOLE LOTTA LOVE」はこの6人で歌うと聞いていたので、6人の始まりで新しいことを入れてきてくれたのかなって思いました。レコーディングでは「THEE MICHELLE GUN ELEPHANTみたいに歌って」と松隈(ケンタ / SCRAMBLES)さんからリクエストがあって、終始テンション高めに歌って。曲調的にも新しくてラップが入るとは思わなかったので面白いことするなって思いました。歌詞も旧BiSのときからのフレーズをちょこちょこと使っていて。
──象徴的なのは「BiS」「BiSBiS」でも使われていた「行かなくちゃ」というフレーズだと思います。グループのターニングポイントになる楽曲に必ず入っているこのフレーズを「行かなくちゃって歌いすぎて メロディ わっしょい うまそう!」とコミカルな形に変化させています。
ゴ・ジーラ 「行かなくちゃ!」って決意に満ちた感じじゃなくて「行かなくちゃー わっしょい!」みたいな明るいノリで(笑)。
ペリ 新しい「行かなくちゃ」だよね。
アヤ この6人のための「行かなくちゃ」かなって。
パン 以前はさんざん靴ズレをしたあとの「行かなくちゃ」だったけど、この6人の「行かなくちゃ」は、こういう雰囲気で来たかって(笑)。
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WACKは何が起こるかわからない
- BiS「WHOLE LOTTA LOVE / DiPROMiSE」
- 2018年3月7日発売 / CROWN STONES
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初回限定盤 [CD+DVD]
4104円 / CRCP-10392 -
通常盤 [CD]
1080円 / CRCP-10393
- CD収録曲
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- WHOLE LOTTA LOVE
- DiPROMiSE
- WHOLE LOTTA LOVE(instrumental)
- DiPROMiSE(instrumental)
- 初回限定盤DVD収録内容
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2017.10.6.「IDOL is DEAD」@赤坂BLITZライブ映像
- SOCiALiSM
- CHANGE the WORLD
- ぎぶみあちょこれいと
- Never Starting Song
- パプリカ
- I can't say NO!!!!!!!
- Give me your love 全部
- nerve
- My lxxx
- NOT the END
- IDOL
- ロミオの心臓
- Happy Birthday
- twisted grunge
- Fly -Brand-new BiS ver-
- gives
- BiSBiS
アンコール
- primal.
- レリビ
イベント情報
- BiS「WHOLE LOTTA LOVE / DiPROMiSE」リリースイベント(ミニライブ&特典会)
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- 2018年3月5日(月)東京都 タワーレコード新宿 7Fイベントスペース
START 19:30 - 2018年3月6日(火)東京都 タワーレコード渋谷店B1F CUTUP STUDIO
START 19:00 - 2018年3月7日(水)東京都 ダイバーシティ東京プラザ フェスティバル広場
START 19:00 - 2018年3月9日(金)大阪府 タワーレコード梅田NU茶屋町店
START 19:00 - 2018年3月11日(日)東京都 東京ドームシティラクーアガーデンステージ
START 14:00
- 2018年3月5日(月)東京都 タワーレコード新宿 7Fイベントスペース
- BiS(ビス)
- アヤ・エイトプリンス、キカ・フロント・フロンタール、ゴ・ジーラ、ペリ・ウブ、パン・ルナリーフィ、ももらんどの6人からなるアイドルグループ。BiSは2014年7月をもって解散したが、再始動がアナウンスされ、2016年9月に新体制で活動を再開した。同年11月に1stアルバム「Brand-new idol Society 2」を発表し、1stワンマンライブを東京・下北沢SHELTERで開催。2017年2月に2ndアルバム「Re:STUPiD」をリリース。1月より全国ツアー「Re:STUPiD TOUR」を開催し、それに伴って1週間米しか食べることのできない車中泊ツアーおよび100kmマラソンを敢行した。同年5月よりGANG PARADEのカミヤサキが、アヤとレンタルトレードで加入。カミヤを迎えた体制で同月にシングル「SOCiALiSM」を、10月にシングル「I can't say NO!!!!!!!」をリリースした。2018年3月の東京・両国国技館公演「BiS 2nd BEGiNNiNG TOUR FiNAL WHO KiLLED IDOL??」をもってリーダーのプー・ルイが卒業。このタイミングでカミヤとアヤのレンタルトレードが終了し、新体制の6人での活動をスタートさせた。さらに同月、両A面シングル「WHOLE LOTTA LOVE / DiPROMiSE」」をもって日本クラウンから“再メジャーデビュー”を果たす。