信じているものをストレートに伝えれば絶対に反応してくれる

──去年の4月にメジャーへと移籍してちょうど1年が経ちました。改めて振り返ってみると、どういう1年でしたか？

ROY（Vo,B）　忙しかったです（笑）。インディーズの頃からライブをたくさん続けてきた中で、去年は本当に迎え入れてくれるお客さんの数が増えたなって。

JIM（G）　とにかく動いてたね。止まるときがなかったぐらい忙しかったけど、前のめりで動き続けてました。

ROY　全部「THIS IS MY STORY」があったからこそだと思っていて、あのアルバムがしっかりみんなに届いてるなっていうのを行く先々で感じたし、それによっていろんな人に出会うことができて自信もつきました。バンドを組んでから今までいろんなことをやってきたけど、やっぱり2009年に得たものは一番大きかったと思います。

──ライブの動員ももちろんですが、「THIS IS MY STORY」が「第2回CDショップ大賞」で大賞を受賞したり、「EMOTION POTION」のビデオがスペースシャワーTV「SPACE SHOWER MUSIC VIDEO AWARDS」でBEST NEW ARTIST VIDEO部門を受賞したりと、評価がちゃんと形として表れているのも大きいですよね。

TAXMAN（G,Vo）　「THE BAWDIESらしいことを続ければ、みんなに絶対わかってもらえる」という思いでやってきて、そこを評価されたのが一番の自信につながって。それは僕らにとって大きな一歩になりました。

──今年最初のシングル「HOT DOG」はオリコンウィークリーチャートで初のトップ10入りを果たしました。英語詞のシンプルなロックンロールが一般チャートの上位に食い込むのは異例のことだと思うんですが、実際にこの結果については皆さんどう感じましたか？

ROY　自分たちが信じているものをストレートに伝えれば、みんな絶対に反応してくれるという自信があったので、この現象に驚いてはいるけど信じられないっていう感じではないです。でも、日本でルーツミュージックを基盤としたストレートなロックンロールがチャートに入ってくるというのは、すごく不思議な現象ではあると思います。それこそアメリカですらなかなかあることじゃないし、日本でそういうことが起きてるというのはちょっとビックリしますよね。

日本語詞はこの先絶対にやらないというわけではない

──THE BAWDIESにとって英語詞は魅力のひとつだと思いますが、こういう結果に対して今度は「日本語で歌ったほうがもっと売れるんじゃないの？」みたいな声も出てくると思うんです。そんな中で今後THE BAWDIESが歌詞のスタンスについてどう折り合いをつけていくのか、ちょっと気になりました。

ROY　日本語詞に関してはやりたくないという気持ちもないし、「これは日本語で伝えたほうがいい」という曲ができたらそのときは日本語でやるべきだと思うんです。逆に「HOT DOG」みたいな曲は「考えるよりも感じてくれ」という内容なので、日本語で強いメッセージを込める必要もないと思うし。たとえば日本語の場合すごくストレートに入ってくる反面、その言葉を頭でちょっと考えてしまうことによって、体が動き出す一発目の瞬発力が遅くなるのは嫌なんですね。特に「踊ろう！」っていうロックンロールに関してメッセージはそこまで必要ないと思ってるので、あえて日本語にする必要もないし。

──英語詞に強くこだわっているわけではないんですね？

ROY　英語じゃなきゃいけないっていう気持ちも全くないです。ただ、ロックンロールって海外発祥の音楽だし、それを日本語で表現するというのはかなりの実力がないとできないことだと思うんですよね。今はようやくサウンド面で自分たちのオリジナリティが出てきたところで、さらにそれを日本語で表現するにはより大きなスキルが必要だから、自分たちの能力をもっとアップしなきゃいけない。でも、この先絶対にやらないというわけではないし、挑戦はしたいなと思っていますよ。

──じゃあ日本語詞にぴったりな曲ができたときは、挑戦するかもしれないと。

ROY　そうですね。ただ別に焦ってやることでもないので、自分たちのタイミングで、これだという作品ができたらやろうと思います。