BAND-MAIKO|メイドやのうて舞妓はん? エイプリルフールはもう終わりどすえ?

2018年4月1日、BAND-MAIDは“BAND-MAIKO”に改名し、“舞妓×ハードロック”をコンセプトにした活動をすることを宣言。BAND-MAIDの楽曲「secret My lips」を和風にアレンジした「secret MAIKO lips」を配信リリースしたが、同日正午にこれがエイプリルフールのジョークだったことを明かし、改名宣言を撤回した。

あれから1年後の2019年4月1日、BAND-MAIKOが再び始動した。しかも今回はエイプリルフールが終わったあとの4月3日に、7曲入りの1stミニアルバム「BAND-MAIKO」を実際にリリースすることも発表している。BAND-MAIKOはジョークではなかったのか? 音楽ナタリーではメンバーの鳩子(ハトコ / G, Vo)、富士姫(フジキ / Vo)、叶笑(カノエミ / G)、梅美沙(ウメミサ / B)、紅月(アカツキ / Dr)に話を聞いた。

取材・文 / 阿刀“DA”大志 撮影 / 草場雄介

大人のエイプリルフールだっぽ

──では、お願いします。

鳩子(G, Vo)

鳩子(Vo, G) よろしゅうおたのもうしますーっぽ。

──話し方もBAND-MAIDとは違うんですね(笑)。鳩子さんは京都にすごく詳しいそうで。

鳩子 京都がもともと好きなんどすっぽ。

──でも、ただの好きというレベルではないですよね?

鳩子 そうどすねえ。京都にはしょっちゅう行きますね。BAND-MAIKOをやるって決まってからは舞妓さんのことをもっと勉強しましたっぽ。去年、エイプリルフールでこの企画をやることが決まったときに、すごく調べさせてもろて、ちょっとは詳しくなったかなと思っておりますっぽ。

──そもそもなぜBAND-MAIKOがスタートしたんでしょうか?

鳩子 もともとはエイプリルフール企画としてちょっと面白いことをやろうってなりまして、BAND-MAIDの小鳩さんが京都に行かれた際に……。

──あ、そういう設定なんですね(笑)。

鳩子 そうどす、私は鳩子なので(笑)。で、小鳩さんが京都に行かれた際に、舞妓さんの体験をされはったみたいで、そのお写真をInstagramとかに載せてはって。それを見た海外の方から反応があったこともあって、「あ、MAIDとMAIKOって似てる!」って気付いて、エイプリルフールの企画として、「BAND-MAIDは解散して、BAND-MAIKOになります」ゆうたら面白いんじゃないかってことで去年1日だけBAND-MAIKOになりました。そうしたら、うれしいことに思ってたよりも反響が大きかったので、今年もやりましょうと。でも、去年と同じじゃ面白くないから、ミニアルバムを出しちゃいましょうということになりましたっぽ。

──こんなに手の掛かる企画に反対する人は去年の段階でいなかったんですか?

鳩子 反対は誰もいいひんかったね。

紅月(Dr) ふふふ。

梅美沙(B)

梅美沙(B) 面白そうだなって。へへへ(笑)。

富士姫(Vo) 「全力でふざけられる」って(笑)。

鳩子 「大人のエイプリルフールだっぽ」って言ってたっぽ。

──大人のエイプリルフール、確かに。だけど、今年はさらに音源までリリースするという。

鳩子 「みんなの予想を超えていきたいね」っていうのは常にBAND-MAIDさんとして持ってはりますっぽ。

叶笑(G) 私だけ「マジか」ってちょっとなってました。

鳩子 それは鳩子も一緒どす!

叶笑 あ、そうだね(笑)。「それは、大変だ」ってなりました。

──作詞作曲面でもっとも深く関わるお二人はそうですよね。そうじゃなくても、皆さんめちゃめちゃ忙しいのに。

鳩子 そうですね。スケジュールがカツカツだけどがんばってやりましょうってことになったので、けっこうバタバタとなりましたっぽ。

BAND-MAIDさんは常にふざけてるので

──BAND-MAIDとしての新曲も作らなきゃいけないのに、今回の収録曲7曲を作るというのはそうとう腹をくくってないとできないですよね。そう考えると、事務所もレコード会社もよくOKを出したなっていう。

富士姫 みんなの中に、楽しませたいびっくりさせたいっていう共通認識があったからだと思います。

叶笑 単純に、みんな面白いことが好きなんだと思います(笑)。

──BAND-MAIDはバンドの姿勢としてはストイックですけど、メンバー1人ひとりは面白いことが好きな人たちですもんね。

鳩子 そうどすね。常にふざけてるので、BAND-MAIDさんは(笑)。BAND-MAIKOもメンバーといるときは楽しいことばっかりっていう感じなので、こういう楽しかったり驚かせたりっていうことがみんな好きなんだと思いますっぽ。

富士姫(Vo)

──ここまで全力でエイプリルフールに打ち込むバンドってなかなかいないですよね。

富士姫 去年の時点で、「ここまで本気でやる人たちはいないから、私たちが最初にやろうよ」みたいな話にはなりました。

──ミニアルバム「BAND-MAIKO」の選曲はどうやって行われたんですか?

叶笑 これは鳩子さんと富士姫さんが中心になりました。

鳩子 2人でずっとやり取りをして、レコード会社の方ともお話しながら、「これにしたら面白いんじゃないかなっぽ」ってことで決めていきました。

──選曲の基準になったのは面白さですか?

鳩子 そうどすね。和楽器アレンジをしたときのイメージが湧くものだったり、逆に湧かないもの、「この曲を和のテイストにしたらどうなるんだっぽ?」っていう曲だったりも選びつつ。

富士姫 BAND-MAIDさんの人気曲は入れるようにしました。「YOLOSIOSU」の原曲の「YOLO」はお給仕(ライブ)で盛り上がる曲なので。あと、「虎 and 虎」(原曲「One and only」)は私がやりたいってリクエストしました。

──てっきり、「YOLO」を選んだのはいいタイトルが浮かんだからかと思ってました。

鳩子 曲ありきですっぽ。BAND-MAIDさんの制作と同じで、曲のアレンジが終わってから鳩子が歌詞を書くって流れでしたっぽ。

──「YOLOSIOSU」っていうタイトルが浮かんだ瞬間、「キタっ!」って思いませんでしたか?

鳩子 いい感じにハマったっぽって思いました。タイトルは悩みながら最後に決めましたっぽ。タイトルは一番印象に残るところなので、けっこう意識しましたっぽ。