音楽ナタリー Power Push - あゆみくりかまき
事故で見えた希望、新たな決意
あゆみくりかまきが4月13日に1stフルアルバム「あゆみくりかまきがやって来る!クマァ!クマァ!クマァ!」をリリースした。
昨年末に交通事故に遭い、ケガを負いながらも今年1月にワンマンツアー「ボクらの熊魂2016~チャーハン・シャケ缶・とーめーはーん!~」を敢行したあゆみくりかまき。彼女たちの1stフルアルバムが完成したことを記念して音楽ナタリーでは3頭にインタビューを実施。交通事故からの復活についてやその際に大きな希望となったというまたぎ(あゆみくりかまきのファン)の存在についてなどを語ってもらった。
取材・文 / 清本千尋 撮影 / 後藤壮太郎
バンドメンバーとのセッションは鳥肌が立った
──念願のアルバムが完成してみて、いかがですか?
まき ほんまにうれしいですね。
あゆみ 聴くだけであゆくまがどんなクマなのかわかる1枚になってます。またぎ(あゆみくりかまきのファン)以外にも聴いてもらって、あゆくまのことを知ってもらえたらと思っています。
くりか うん。それだけの熱量を込められたと思う。あゆくまをまだ知らない人にも届くように願ってます。
──初回限定盤付属のBlu-rayにはMasuo Arimatsu(Dr / BACK DROP BOMB)、4106xxx(B / SCAFULL KING、BRAZILIANSIZE)、PABLO(G / Pay money To my Pain)というファンにはおなじみかつ豪華なレコーディングメンバーとのスタジオセッション映像が収録されています。
くりか セッションは鳥肌が立ちました。いつか生演奏でライブをやりたいなと思いましたね。
まき セッションしたときにバンドメンバーの皆さんに「日本武道館でワンマンをやるときにはぜひ一緒にステージに立ってください」とお願いしました。
くりか そうしたらPABLOさんが「その前に1回どこかでやってから武道館に行こうよ! 武道館がバンドバージョンのお披露目なんて緊張するよ」って言ってて(笑)。うれしかったですね。
──サウンド的にバンドと一緒にステージに立っている姿が容易に想像がつく3頭なので、「KILLLA TUNE」のミュージックビデオで初めてバンドをバックにパフォーマンスをするあゆみくりかまきを観たときにすごく似合うなと思いました。バンドメンバーは自分たちにとってどんな存在ですか?
くりか 会うまでは大先輩っていうイメージだったんですけど、会ったらイメージが変わりました。あんなにカッコいい音楽をやってる人たちなので、さぞかしクールな方たちなんだろうと思ってたら、みんなすごく気さくで。パパとまではいかないんですけど、先輩よりももっと近い存在に感じて大好きです。
──バンドをバックに歌うことは好きですか?
くりか 好きですね。とにかく楽しいんですよ。バンドさんが私たちの曲を実際に演奏してる姿を見ると「ここでこういうアクションを入れるとカッコいいんだな」とかすごく勉強になりました。最近はバンドメンバーの皆さんがやっているような動きをライブに取り入れたりもしています。
まき そうだね。このアルバムは自慢の1枚になりました。大好きな曲が詰まっています。
一刻も早くみんなに会いたかった
──アルバムリリースを発表したのは、2016年1月に開催した東名阪ツアー「ボクらの熊魂2016~チャーハン・シャケ缶・とーめーはーん!~」の最終公演(参照:あゆみくりかまき、交通事故から“復活”「みんなの笑顔が私たちの光」)でしたね。このツアーはあゆみくりかまきにとって初のワンマンツアーであり、2015年末に起きてしまった交通事故(参照:あゆみくりかまき、交通事故で年内のライブ出演急遽キャンセル)からの復活ツアーにもなりました。
まき 事故に遭ったときはちょうどこのツアーについて話し合っていたんですよ。
──そうだったんですね。東名阪ツアーのファイナル公演にあたる、東京・LIQUIDROOM公演のときにまきさんは「私らがステージから見るみんなの笑顔が、目の前が真っ暗になってしまった私たちに1本の光をくれました」と語っていました。
まき それは本当に言葉の通りなんです。事故が起きたときは夜中で真っ暗だったんですけど、その暗闇の中で真っ先にまたぎたちの顔が浮かんだんですよね。だから一刻も早くみんなに会いたいという一心でした。
くりか 事故に遭った直後はこのツアーもできるかわからない状態だったんですけど、なんとしてもライブをやってまたぎに会わないとダメだと思った。
──あゆみさんはどうでしたか?
あゆみ 自分たちには何もないと思っているんですよ。
──「何もない」というのは?
あゆみ 歌もダンスもそんなに上手じゃないと思っていて。でもライブの全力さだけはほかの誰にも負けないつもりでやっているんです。だからライブをやらなくなったら、今までライブに来てくれていたまたぎたちにも忘れられちゃうんじゃないかと不安になりました。でもみんながTwitterのリプライでくれたメッセージや、ワンマンツアーの会場でもらった「待ってたよ!」「おかえり!」っていう言葉を受けて、「やっぱりあゆみくりかまきは歩みを止めちゃいけないんだ。絶対にがんばって続けていこう」ってすごく感じました。
次のページ » またぎたちにもらったパワーを返したい
- 1stフルアルバム「あゆみくりかまきがやって来る!クマァ!クマァ!クマァ!」 / 2016年4月13日発売 / SME Records
- 初回限定盤 [CD+Blu-ray] / 4800円 / SECL-1861~2
- 通常盤 [CD] / 3000円 / SECL-1863
- 期間生産限定盤 [CD] / 1500円 / SECL-1864
初回限定盤&通常盤CD収録曲
- スターライトジャンボリー
- WAR CRY
- ジェットクマスター
- 蜜蜜蜜
- 心友フォーエヴァー
- KILLLA TUNE
- What's my name?
- アイノウタ
- 森森森
- 鮭鮭鮭
- 自分革命
- ナキムシヒーロー
期間生産限定盤CD収録曲
- WAR CRY
- KILLLA TUNE
- ジェットクマスター
- 鮭鮭鮭
- 心友フォーエヴァー
- 自分革命
初回限定盤Blu-ray収録内容
- STUDIO SESSION(「What's my name?」「心友フォーエヴァー」「素敵な世界」「蜜蜜蜜」「KILLLA TUNE」)
- AKMのプライヴェート映像 PART III
ボクらの熊魂2016 ~ここで一句!「東名阪 仙台広島 まわるんやぁ」~
- 2016年6月11日(土)
- 宮城県 space Zero
- 2016年6月18日(土)
- 愛知県 ElectricLadyLand
- 2016年6月26日(日)
- 大阪府 umeda AKASO
- 2016年7月3日(日)
- 広島県 HIROSHIMA 4.14
- 2016年7月8日(金)
- 東京都 赤坂BLITZ
あゆみくりかまき
歌うたいの「あゆみ」、DJ の「くりか」、盛り上げ役の「まき」からなるアイドルDJユニット。2012年1月にくりかとまきが「くりかまき」名義で活動を開始した。2013年8月に1stシングル「アナログマガール」を発売。2014年5月にあゆみが加入し「くりかまき」から「あゆみくりかまき」へと改名した。7月に新体制となって初めてのシングル「ジェットクマスター」をリリースし、8月には「ROCK IN JAPAN FESTIVAL」「SUMMER SONIC」など大型フェスに出演。2015年3月にシングル「鮭鮭鮭」でメジャーデビューし、同年9月に東京・渋谷CLUB QUATTROで行ったワンマンライブはソールドアウトを記録した。2015年の年末に交通事故に遭い、予定していたライブイベントを2本キャンセル。その後の動向に注目が集まっていたが、2016年1月には予定通りワンマンツアー「ボクらの熊魂2016~チャーハン・シャケ缶・とーめーはーん!~」を東京、大阪、愛知の3カ所で開催し、事故からの復活を果たした。4月に1stフルアルバム「あゆみくりかまきがやって来る!クマァ!クマァ!クマァ!」を発表。6月に全国5都市を回るワンマンツアー「ボクらの熊魂2016 ~ここで一句!「東名阪 仙台広島 まわるんやぁ」~」を行う。