音楽ナタリー Power Push - あゆみくりかまき
事故で見えた希望、新たな決意
またぎたちにもらったパワーを返したい
──あゆみくりかまきにとってまたぎの存在はどういうものですか?
あゆみ またぎがいないと歌えないですね。これは気持ち的なものだけではなくて、実際問題として、またぎがいないと歌い続ける環境がなくなってしまう。みんなが待っていてくれて、ちゃんと「おかえり」って言ってもらえる場所があるならば、何があっても歌い続けようと感じました。あゆみくりかまきとして活動をしていく中で悩み事は尽きないんですけど、またぎたちの顔を思い出してまたがんばろうって毎回強く思います。すごく力をくれる存在です。
まき 事故に遭った直後はアドレナリンが出ていて正直自分の状況ってわからなかったんですよ。で、ドクターストップがかかって年末のライブを2本キャンセルすることになって、自分自身と向き合って急に不安になってしまって……。そのときに昔のライブ映像を観て、またぎの声援を聞いたら「早く治してまたぎに早く会いたい! こんなところでは終わらせたくない!」という気持ちがどんどん増していきました。
くりか 本当に事故のときはこんなに抜け殻状態になるのかと思いましたね。ライブを2本欠席することが決まるまではどんなにケガが痛くても、みんなが待ってくれてるから絶対に出なきゃと思ってたんですけど、ライブを辞退することが決定した瞬間に緊張の糸がプツンと切れちゃって、涙ばっかりがどんどん出てきて、なんにもしゃべることができなくなっちゃった。でもまたぎのことを考えたら、このままじゃいられないと強く思いましたね。
あゆみ 本当にまたぎたちは私たちのパワーの源。だからこそ、私たちもそのパワーをまたぎに返してあげなきゃいけないと思っています。
まき うんうん。あと、私はまたぎ同士が仲良くしてるのがすごくうれしいんですよ。この前、あゆみとくぅちゃんが誕生日の日にちょうどミニライブがあって、そこでまたぎのみんながサプライズでお祝いしてくれたんですね。それが終わったあと、客席で記念撮影をしているのを見て、感動して泣いてしまって。またぎの輪が広がって、みんなの絆が深まっていってることが本当にうれしい。私たちにみんなで大きな愛を伝えようとしてくれているのがすごくわかります。またぎなしではあゆくまは本当にやっていけないと思っています。
ステージでは自分自身を隠し切れない
──あゆみくりかまきにとってライブとはどういう場所なんでしょうか?
まき 私にとってライブは一番自分自身を出せる場所ですね。あとまたぎたちの笑顔を見ると本当にパワーになる。今のあゆくまにライブがなかったらただのクマですよ。
くりか くりかにとってもなくてはならないものですね。ライブがない生活なんて考えられない。事故が起きたときもまず年末のライブのことが頭にあったし、やっぱりライブというものが一番大切なんだなと改めて感じる機会になりました。
あゆみ ライブは本当に熊魂を開放できる唯一の場所ですね。
──皆さんがよくライブでも口にする「熊魂」という言葉はつまりはどういう意味なんでしょうか?
あゆみ わかりやすく言うと本能ですね。あゆくまメンバーは人見知りだったりコミュニケーションが苦手だったりするんですけど、音楽をやっているときだけは自分の殻を破って本当の自分が出せる。人間の方たちも社会で生きていると日々いろんなことがあるじゃないですか。いやなことや気を遣わないきゃいけないこともあるし、男の人は泣いたらダメだって言われたりもするけど、私たちのライブに来たときだけは泣きたい人は泣けばいい。本能むき出しで、何も考えないで楽しんでほしいと思っています。
まき 普段は言いたいことがあってもなかなか言えなかったりすることもあるんですけど、ライブで音楽に乗せれば自分の思いの丈を叫ぶことができる。そうやって感情を爆発させてるときが自分自身の本当の姿だと思っています。
──まきさんが、音楽に乗せてであれば熊魂を開放できると気付いたのはいつ頃なんですか?
まき くりかまきを結成する前ですね。私はもともと人見知りでなかなかほかの人と話すことができなかった。ちっちゃい頃から歌手ごっこをするのが大好きで、洗面所で大好きな曲を歌っているときの自分の姿を見たら、なんだか違う一面が見えたんです。
──それはどういうもの?
まき 鏡の中に外では見せないような表情をしている自分がいたんです。それは音楽がないと出てこなかったんですよね。親もまきにはそういう時間が大切だと思ってくれていたみたいで、洗面所にまきがいるときは入ってこないようにしてくれていました。で、ふとそういう自分をどこかで表現したいと思って、たくさんの方に観てもらうためにステージに立つことにしたんです。ちっちゃい頃は本当に緊張しいで、授業中に手を挙げるのもできないくらいだったんですよ。
──その洗面所で歌っていたときが熊魂を開放した最初のタイミングだったのかもしれませんね。
まき そうですね。今では自分を開放することができるようになりました。ステージでは自分自身を隠し切れなくて泣いちゃうときもあるんですけど、でもこれがあゆくまのすべてだから。全力さと汗の量と“アニマル感”をライブでぜひ体感してほしいと思っています。
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- 1stフルアルバム「あゆみくりかまきがやって来る!クマァ!クマァ!クマァ!」 / 2016年4月13日発売 / SME Records
- 初回限定盤 [CD+Blu-ray] / 4800円 / SECL-1861~2
- 通常盤 [CD] / 3000円 / SECL-1863
- 期間生産限定盤 [CD] / 1500円 / SECL-1864
初回限定盤&通常盤CD収録曲
- スターライトジャンボリー
- WAR CRY
- ジェットクマスター
- 蜜蜜蜜
- 心友フォーエヴァー
- KILLLA TUNE
- What's my name?
- アイノウタ
- 森森森
- 鮭鮭鮭
- 自分革命
- ナキムシヒーロー
期間生産限定盤CD収録曲
- WAR CRY
- KILLLA TUNE
- ジェットクマスター
- 鮭鮭鮭
- 心友フォーエヴァー
- 自分革命
初回限定盤Blu-ray収録内容
- STUDIO SESSION(「What's my name?」「心友フォーエヴァー」「素敵な世界」「蜜蜜蜜」「KILLLA TUNE」)
- AKMのプライヴェート映像 PART III
ボクらの熊魂2016 ~ここで一句!「東名阪 仙台広島 まわるんやぁ」~
- 2016年6月11日(土)
- 宮城県 space Zero
- 2016年6月18日(土)
- 愛知県 ElectricLadyLand
- 2016年6月26日(日)
- 大阪府 umeda AKASO
- 2016年7月3日(日)
- 広島県 HIROSHIMA 4.14
- 2016年7月8日(金)
- 東京都 赤坂BLITZ
あゆみくりかまき
歌うたいの「あゆみ」、DJ の「くりか」、盛り上げ役の「まき」からなるアイドルDJユニット。2012年1月にくりかとまきが「くりかまき」名義で活動を開始した。2013年8月に1stシングル「アナログマガール」を発売。2014年5月にあゆみが加入し「くりかまき」から「あゆみくりかまき」へと改名した。7月に新体制となって初めてのシングル「ジェットクマスター」をリリースし、8月には「ROCK IN JAPAN FESTIVAL」「SUMMER SONIC」など大型フェスに出演。2015年3月にシングル「鮭鮭鮭」でメジャーデビューし、同年9月に東京・渋谷CLUB QUATTROで行ったワンマンライブはソールドアウトを記録した。2015年の年末に交通事故に遭い、予定していたライブイベントを2本キャンセル。その後の動向に注目が集まっていたが、2016年1月には予定通りワンマンツアー「ボクらの熊魂2016~チャーハン・シャケ缶・とーめーはーん!~」を東京、大阪、愛知の3カ所で開催し、事故からの復活を果たした。4月に1stフルアルバム「あゆみくりかまきがやって来る!クマァ!クマァ!クマァ!」を発表。6月に全国5都市を回るワンマンツアー「ボクらの熊魂2016 ~ここで一句!「東名阪 仙台広島 まわるんやぁ」~」を行う。