音楽ナタリー Power Push - HIKAKIN&SEIKIN×小室哲哉

異色のコラボ実現!TK版「YouTubeテーマソング」ができるまで

YouTubeはもっと身近な存在に

──「YouTubeテーマソング」で歌われる「無限の可能性にチャレンジしよう」といったメッセージ、小室さんはどう受け止めますか?

小室 いやあ、共感しますよ。YouTubeの可能性は大きいよね。世間の人にとってもっともっと身近な存在になっていくんじゃないかな。2人はテレビ局を持っているようなものだもんね?

SEIKIN 日本ではまだあまりいないけど、アメリカだともう、すごい人数のクルーで動画を作ってるチームがあったりもします。

HIKAKIN 50人とかでね。

SEIKIN 1つひとつのチャンネルが、まさにテレビ局なんだよね。

小室哲哉

小室 そういう新しい表現、僕はすごく推奨します。どんどん取り組んだほうがいいと思う。

──先ほどの小室さんのお話にもありましたが、やはり自分たちに憧れる子供たちが増えるのはうれしい?

HIKAKIN うれしいです。それに、恥ずかしいことはできないなって思いますね。だから僕ら、あんまり過激なことはしないんですよ。

SEIKIN そうだね。YouTuberの中ではかなりおとなしめの兄弟かもしれない(笑)。

HIKAKIN 全部家で撮ってるしね。基本的には、家でおもちゃをいじって……(笑)。

SEIKIN 視聴者の皆さんの感覚的には「近所のお兄さんが家でなんかやってる」っていう感じなんでしょうね。だから身近に感じてくれているのかなと思う。

HIKAKIN 中にはめちゃくちゃ散らかった部屋で動画撮ってる人もいるし(笑)、テレビを観ていて感じる“手の届かない”感覚がYouTubeにはないというか。イケメンとか美女が必ずしも人気者になるっていうわけでもないからね。なんかあるんですよ(笑)。

やっぱりカップルは見ちゃう

──では最後に、HIKAKINさんとSEIKINさんから小室さんへ聞いてみたいことがあれば。

HIKAKIN さっき空き時間にたくさん質問させてもらっちゃったんですけど……(笑)ネタ探しについてお話を聞いて、とても勉強になりました。

小室 2人の年齢くらいのとき、よくカップルを追いかけて歩いてたんですよ。

HIKAKINSEIKIN あははは(笑)。

小室 仲のよさそうなカップルと、悪そうなカップルを見つけてね。カップルは人間がコミュニケーションする最低限の人数だし、立ってるだけでもうそこにストーリーがあるんですよ。例えば女性だけがとてもオシャレなときとか「この2人はどういう関係なのかな?」って考えていける。

SEIKIN ちなみに今は、インプットはどうされているんですか?

小室 そうだなあ。頭の中で20年前や30年前にタイムスリップして、ネタを探す感じですね。今は情報がありすぎて、何にフォーカスしたらいいかわからないんですよ。街に出ても、すごい情報量すぎて「何にスポットを当てよう?」と考えてしまう。歩いている人も千差万別でしょう。みんな個性的だし、どの人をチョイスしてもそれなりに歌詞を書けそうだけどなかなか難しいですね。でも車の中から、信号待ちしてるカップルとかは見ちゃうね。相変わらず“カップルウォッチャー”です(笑)。

SEIKIN やっぱりカップルは見ちゃうんですね(笑)。

左から小室哲哉、HIKAKIN、SEIKIN。
HIKAKIN&SEIKIN「YouTubeテーマソング-Tetsuya Komuro Rearrange-」 / 2月17日配信開始
「YouTubeテーマソング-Tetsuya Komuro Rearrange-」
収録曲
  1. YouTubeテーマソング-Tetsuya Komuro Rearrange-
  2. YouTubeテーマソング-Tetsuya Komuro Rearrange-(Karaoke Version)
  3. YouTubeテーマソング-Tetsuya Komuro Rearrange-(Instrumental)
HIKAKIN(ヒカキン)

新潟県出身のYouTuber。高校生の頃にYouTubeへの投稿を始め、「スーパーマリオブラザーズ」の音楽をヒューマンビートボックスで表現した「Super Mario Beatbox」の動画が世界中で話題となる。2013年にはAerosmithのツアーに参加し、シンガポール公演および大阪公演でビートボックスを披露した。YouTubeでは日常の“おもしろいもの”を独自の視点で紹介する「HikakinTV」やゲーム実況チャンネル「HikakinGames」など4つのチャンネルを運営しており、チャンネル総登録者数は国内で1位。

SEIKIN(セイキン)

新潟県出身のYouTuber。HIKAKINの2才上の兄にあたる。「SeikinTV」「SeikinGames」の2つのチャンネルを運営。自身が作詞作曲を手がけ、HIKAKINのメインチャンネル「HikakinTV」で公開したMV「YouTubeテーマソング」は再生回数4300万回を超える人気作品となった。2015年に初のソロシングル「Just Do It Now」をリリース。2016年には2ndシングル「Keep Your Head Up」を発表する。最近ではYouTubeのみならずテレビCM出演や声優デビューも果たし、活躍の場を広げている。

小室哲哉(コムロテツヤ)

1958年11月27日東京都生まれ。音楽プロデューサー、作詞家、作曲家、編曲家、キーボーディスト、シンセサイザープログラマー、ミキシングエンジニア、DJ。1983年、宇都宮隆、木根尚登とTM NETWORKを結成し、翌年「金曜日のライオン」でデビュー。同ユニットのリーダーとして、早くからその音楽的才能を開花させた。1993年にtrfを手がけたことがきっかけで、一気にプロデューサーとしてブレイク。以後、篠原涼子、安室奈美恵、華原朋美、H Jungle With t、globeなど、自身が手がけたアーティストが次々にミリオンヒットを記録した。2010年に作曲家としての活動を再開し、AAA、森進一、超特急、SMAP、浜崎あゆみなど幅広いアーティストに楽曲を提供している。